朝が来るまでそばにいる

  • 新潮社 (2016年9月21日発売)
3.25
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Amazon.co.jp ・本 (200ページ) / ISBN・EAN: 9784103319634

作品紹介・あらすじ

弱ったとき、逃げたいとき、見たくないものが見えてくる。高校の廊下にうずくまる、かつての少女だったものの影。疲れた女の部屋でせっせと料理を作る黒い鳥。母が亡くなってから毎夜現れる白い手……。何気ない暮らしの中に不意に現れる、この世の外から来たものたち。傷ついた人間を甘く優しくゆさぶり、心の闇を広げていく――新鋭が描く、幻想から再生へと続く連作短編集。

感想・レビュー・書評

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  • ゾワッとする、気持ちがもやもやする話たち

    「よるのふち」が切なかった。母親がかわいい子供を連れて行こうとしているように思える。母親の気持ちも分かるが、「そうじゃないよ」と言ってあげたかった

    • きたごやたろうさん
      「いいね」ありがとうございます。

      これはタイトルからオイラが受けたものと内容が違う感じ。
      気になる!
      「いいね」ありがとうございます。

      これはタイトルからオイラが受けたものと内容が違う感じ。
      気になる!
      2025/08/22
    • raindropsさん
      きたごやたろうさん、コメントありがとうございます

      私もタイトル見て借りたのですが、思ってたのと違いました
      きたごやたろうさん、コメントありがとうございます

      私もタイトル見て借りたのですが、思ってたのと違いました
      2025/08/23
    • きたごやたろうさん
      raindropsさんへ

      オイラもそんな予感です…。
      raindropsさんへ

      オイラもそんな予感です…。
      2025/08/23
  • 一人ぼっちで過ごす夜はなんとなく寂しく、誰かがそばにいてくれるだけで心強い。
    だからといって朝が来るまでそばにいてくれるのは「人」だけとは限らない…。

    背筋がひやり心がざわざわする短編集。
    しんと静まり返った真夜中、心細い気持ちに付け入るように獣や鬼といった異界のものに絡みつかれる主人公達。
    それらの誘いを拒むことも儘ならず、いつしかそれらの持つ柔らかい湿り気に心地好ささえ感じてしまう。
    人の心を惑わすそれら異界のものはこの世から決して消えてくれることはなく、対抗するためには心を強くする術を自らの力で持つしかない。
    彩瀬さんの独特の世界観に飲み込まれそうになりながら、けれどラストは切なくもどこか晴れ晴れとした気持ちになれた。

    特に『よるのふち』の、いつまでも部屋に漂う亡き母のハンドクリームの香りに泣けた。

  • ぞわっとする。
    それは決して否定的な意味ではなく、彩瀬さんの作品を語るときは必ず哀しさややるせなさが伴ってくる。本書は特にそうだ。全編を通じて、幻想的だけどどこか不気味で、湿り気を帯びた描写。怯えながら覗き見する感覚でページを捲っていった。
    「まるで粘りの強い泥だまりへ踏み込んだかのように」まさに感じられた、五感に訴えてくるような言葉選び。時に、グロさすれすれに感じられる表現は、無意識に己の心に抱えている醜さを見せつけられているような気がして、目を背けたいはずなのに、不思議と目が離せない。人によっては受け付けないかもしれないけど、読了後に感じる余韻は後味が悪いものではなく、彩瀬さんらしい温かさがあった。
    個人的に好きなのは「眼が開くとき」。幻想的で官能的で…甘やかな狂気がたまらなくツボでした。
    夜に読むと、作品世界にズブズブとはまっていき、現実に戻れなくなるような…そんな錯覚に陥った。自分の輪郭が曖昧になるような感覚。怖いのに、一瞬心地よく感じられそうになる、何とも不思議な手触りの一冊だった。

  • 君の心臓をいだくまで
    子どもが流産するかも…というドロドロした気持ち。
    ゆびのいと
    指に糸をつけたまま寝ても、ほどけなければいい。
    眼が開くとき
    小学校の時から好きな彼を食べてしまいたい。
    よるのふち
    母が死んでから、弟が変なものを食べてる。
    明滅
    川で溺れたことから、真っ暗な場所に連れていかれそう…。
    かいぶつの名前
    嘘をついたまま死んでしまった自分。

    なんだか、ダークな話ばかりでちょっと怖かった。
    「死」についての恐怖を感じつつも、
    ちょっと光も感じるような短編集。
    んー、でもやっぱり怖かったかなぁー。

  • 前作「やがて海へと届く」がだいぶ幻想味の強い(純文学的な)作風になったと感じていたので、この作品集はどうだろうかと思ったのですが、これはどちらかというとそれまでの作品群寄りの、けれど比喩表現、作品世界に一層の深度、巧みさが引き立った作品集でした。

    「ようやくできたお腹のなかの子供が…」「晴れて新婚夫婦となったけれどほどなくして新婦が…」など、導入部はいたって現実的な方なのですが、そこからの展開がとても自然に、「普通でなくなる」のが、ぞくっとすごみを感じるほどでした。文章に使われる比喩表現の洗練さ、巧みさがそれを助けているのでしょう。そしてその表される「普通でない」世界が、血と肉と骨、それらの質感を持って描かれているので、やたらと肉感的、蠱惑的なふうに感じ取れるのが特長的に感じたのでした。

    そういう意味で、最後の一編はそのグロテスクさが、姿かたち、精神的、ともにリアルに想像できて差し迫ってくるようで、下手なホラーよりも恐ろしさを感じました。けれど話そのものはとても哀切なものなので…、なんというかひたすらにつらくてたまりませんでした。

    どうしたらこんな表現を自在に操れるのだろう、と正直思います…。素晴らしいです。

  • 感想
    染み出る黒さ。どれだけ繕っても人間は感情に生きている。明るさだけではない。どこかに昏さは潜んでいる。時々顔を覗かせて日常に現れる。

  • 血生臭いような、不気味なぬめりを感じる文章だった。
    かつて人間だったもの、怨霊的な何かの物語たち。

    この作者の本を読むのはじめてだったんだけど、可愛らしい作者名と、一見優しそうな本のタイトルから、こんな短編集だなんて予想だにしなかった。
    私は一人で食事するときに本を読む習慣があるんだけど、この本を食事中に読んだら、ダメですね。

    「よるのふち」は、事故で死んだ母を求めて幼い弟が泣いたり、霊的なものに取り込まれそうになってぼんやりしてる姿が、読んでてツラくて、泣けた。

  • 執着心の強い愛の話。
    ちょっと苦手だなーと思いながら読んでいたら、すごく怖い夢を見て、起きてしまった。
    好きな人は好きなんだろうなと思うけど、私は苦手だった。

  • 図書館にて。
    ものすごかった。
    読みながらたくさん泣いて、次の日は目が腫れて頭が痛くて大変だった。
    読んでしまった、心の中にこの本の世界が広がってしまった。

    一番泣いたのは「よるのふち」だ。
    これはもうどうしようもない。あまりにもつらい。
    父親の描写も秀逸。
    この他のどの物語も現実から少し離れた存在を扱ってはいるけれど、いつも人は本当はそんな世界に接しているのかもしれない。
    生きている世界だけではなく、死後の世界も過酷かもしれない。

  • 誰の心にもある弱い部分、黒い部分に焦点を当てた短編集でした。何とも気味の悪いものから、救われてよかったと思えるものまで。

  • この夜が明けるまで、手を握っているよ。

    何気ない暮らしの中で、弱った時、逃げたい時に
    この世ではない外からきた静かに寄り添う影。
    暗闇からの再生を描く短編集。

    彩瀬さんの文章が好きなのですが
    本のタイトルも好きなんですよね…
    しんみりした恋愛ものかな、と思っていたのですが
    ちょっと違うテイスト。ホラーといえば
    ホラーなのですが怖いけれど哀しい。
    ちょっと今までの作品と違う印象。

    死んだ人そのものが現れるというより
    残された人の哀しみや想いが
    誰かに救いを求める心が
    他人への執着が
    姿を持って現れる。
    粘度のある夜の闇、というか。
    割としんどい話が多いので好みが分かれるかも
    しれませんね…

    「朝が来るまでそばにいる」というタイトルに
    対して哀しげな黒い表紙も素敵です。

  • 怖い。怖くて悲しい。
    なんだろう。好きで好きでたまらなく好きだった人の骨をじゃりじゃりと食べてしまったらこんな感じなのかも。

  • 怖かった。

  • 弱ったとき、逃げたいとき、見たくないものが見えてくる。
    高校の廊下にうずくまる、かつての少女だったものの影。
    疲れた女の部屋でせっせと料理を作る黒い鳥。
    母が亡くなってから毎夜現れる白い手……。
    何気ない暮らしの中に不意に現れる、この世の外から来たものたち。
    傷ついた人間を甘く優しくゆさぶり、心の闇を広げていく。
    (アマゾンより引用)

    この人の本、たまにこういうのあるよね…

  • 身近にありそうな出来事を描いたホラー短編集。
    稽留流産してしまった女の話、最愛の妻を亡くした夫が妻に取り憑かれてしまう話、初恋相手の宣材写真を撮る女性カメラマンの話、母を亡くした少年が父と共に母の死を乗り越えようとする話、人生最期の日をどう過ごすかを想像する話、霊が視える養護教諭に見つけてもらう学校に取り憑いた地縛霊の話。

    どれもたんたんとしていて薄気味悪さがホラーには良い。でもちょっと単調であまり印象に残らず、読んだそばから忘れてしまいそうな感じが私には合わなかったかな。

  • 「眼が開くとき」…鋭い美的感覚
    「かいぶつの名前」…ちょっと怖いけど残る

  • うーん。いまいち。

    よるのふち
    というお話が1番好きでした。

  • どろりとした湿度の高い文章。

    現実と夢の境目がわからなくなる、
    幼い頃田舎の祖母の庭でいつかみたような風景を思い出す描写が好き

    短編でいい感じに澱んでいて読みやすい。
    毒が必要な日にそばにあってくれてよかった

  • ちょっと怖かった

  • 繊細な文章やった。
    感情移入しまくって電車の中で泣きそうになった。
    ずっとその世界の中でみんなを横から見てるような感じで読み進めれた。
    どの話も読み終わった後にタイトルの言葉が染みてきた。
    素敵な本やった。

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著者プロフィール

1986年千葉県生まれ。2010年「花に眩む」で「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞しデビュー。16年『やがて海へと届く』で野間文芸新人賞候補、17年『くちなし』で直木賞候補、19年『森があふれる』で織田作之助賞候補に。著書に『あのひとは蜘蛛を潰せない』『骨を彩る』『川のほとりで羽化するぼくら』『新しい星』『かんむり』など。

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