股間若衆 男の裸は芸術か

  • 新潮社
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感想 : 38
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103321316

感想・レビュー・書評

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  • ページを開くといきなり男性裸体像の股間のアップ(爆)。
    「とろける股間」「曖昧模っ糊り」というネーミングセンスが素晴らしい。

    “男性の裸は芸術か猥褻か”明治以降の男性の裸迫害史&
    それにともなう股間表現史が面白かった。
    完全と風景と化してしまって、あってもそうと気づかない&
    あえてガン見しないようにしている股間若衆の「股間」を扱った労作。
    こんな風に巡礼はしないまでも意識して見るようにしたい!!

    個人的には「股間漏洩集」の「男の写し方」、「薔薇族」創刊から
    三島由紀夫のくだりに興味津々。
    そうだったんだ!見たいよその写真!!

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「男性の裸迫害史」
      初めてデルヴォーの絵を見た時の衝撃は忘れられませんが、男性のアレについて記憶が曖昧なのは、興味ないからスルーしていた?日...
      「男性の裸迫害史」
      初めてデルヴォーの絵を見た時の衝撃は忘れられませんが、男性のアレについて記憶が曖昧なのは、興味ないからスルーしていた?日常的過ぎて何も感じない?(立派だったらコンプレックスを抱いたでしょうね)、、、
      探究心旺盛な木下直之に拍手!
      2012/12/25
  • いろいろ考えさせられた。

    裸体彫刻が野外に出たのは戦後のことだ。その前は軍人や政治家など個人の業績顕彰のための銅像だった。という一文に目を開かされた思いがした。無名の若い裸体は自由と亡くなった若者たちの鎮魂を表しているのだ。なぜここに置かれたのか、なぜこのような形なのか、その歴史を調べてみるとこんなことがあったのかと面白く読んだ。

    そして今裸体像は消えて行っている。駅前や公園にあったものが、再開発、道路や駐車場の拡張工事などで撤去され、戻ってこないのだ。

    ヒトが衣服を着るようになったのはいつのことか。アタマジラミからコロモジラミがわかれたのは7万年前のことだそうで、遺伝子解析から分かったそうです。
    美術がアートになっていく。無機質で抽象的な金属彫刻に置き換わっていると筆者は述べているがストリート彫刻には最近もう一つの潮流があると私は思う。それは「キャラクター」だ。

    もう一つ著者が述べていないのは小・中・高校に置かれた野外裸体彫刻だ。戦後二宮金次郎の像がなくなったのはよく知られているが体の線をあいまいにした若衆は玄関先や中庭に置かれ、いたずらをして怒られる奴が必ずいたものだ。これも減ってきていると思う。生息地に入れたらいいと思う。

    ゆっくりではあるが、関係者がいなくなり、建立された意味が薄れ、だんだん淘汰されていく時代が来たようだ。

  • すごく真面目に男性の股間の美術表現とはみたいなことを書いてるんだけど「曖昧模っ糊り」「四分の三裸」とかところどころでくすっと笑わせるような表現をしてて、ついついふきだしてしまうという。
    著者近影で彫刻の股間をかがみこんで写真撮ってるのがなんかもうすごい。巻末の「股間巡礼」なんか大真面目に旅ガイドみたいにされてこれも笑う……
    あとがきもおもしろかった。語感センスが好きですとても。

    • tox-m1cさん
      「曖昧模っ糊り」、秀逸ですよね。
      「曖昧模っ糊り」、秀逸ですよね。
      2012/04/19
  • 第110回ビブリオバトルinいこま「おすすめの○○集」で紹介された本です。
    2024.4.28

  •  現代社会においては逆に規制が厳しいと思われる「猥褻」という概念を裸体彫刻作品の股間部分から(文字通り)切り取ったエッセイ集・・・なのか?
    いや、文化に対する評論とか規制に対する批判を展開するのかと思っていたら「股間表現の多様性」という名の「珍妙な苦肉の策」を紹介する事から始まる。
    その方法、単純に足の位置で隠すことから高度な抽象化・パンツ着用・偶然イチジクの葉がふわりと様々である。

     後半は歴史的経緯や彫刻から一歩踏み込んで写真に出てくる裸体表現についても論じているのだが、全体的な統一感に乏しいと思われたのは三つの独立したエッセイを一冊の本にまとめているからか。
    別に悪くはないのだが彫刻の股間表現についてもっと奥の所まで踏み込むのかと思っていたので肩透かしを喰らった印象だ。

  • いったいどこから、こんな曖昧模糊とした股間表現が生まれてきたのか...その持ち主が一糸まとわずなぜ駅前に立っているのか、通行人の多くはなぜ目を留めようとしないのか、という惹句が、面白いと思った。
    所々の記述や考察は面白い。男性裸体彫刻には理由がいるとか、彫刻自体はメッセージ力が低いので題名に頼るとか、東郷青児の二科展の無茶とか。
    でも最初の命題のもっこりはどこから来たのか、何故駅前にあるのか、なぜ無視されているのかに対する答えは見つからなかった。
    歴史的な経緯は分かったのだが、「何故」これと言うのが曖昧模糊なんである。

  • ふむ

  • 彫刻とか写真に出てくる男性ヌードについての考察
    タイトルは古今和歌集のダジャレ。新股間若衆、股間漏洩集と続く。

  • 美術

  • 2017.05.22 朝活読書サロンで紹介を受ける

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著者プロフィール

東京大学大学院人文社会系研究科教授/静岡県立美術館館長

「2018年 『動物園巡礼』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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