せいきの大問題 新股間若衆

  • 新潮社 (2017年4月27日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784103321323

作品紹介・あらすじ

メイク・コカン・グレイト・アゲイン! なぜ「そこ」を、隠さねばならないのか。裸体表現の秘所をさぐる天下の奇書が、満を持して帰ってきた! 『新股間』では江戸の春画から21世紀の写真・立体作品まで射程をひろげ、猥褻か芸術かという不毛の問いにもツッコミます。腰の葉っぱが覆うもの、「ゆるふん」からはみ出たものを追いかけて、股間研究の種は尽きまじ。

感想・レビュー・書評

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  • たまたまHONZの書評を目にして、おもわず手に取った本書。以前読んだ『裸はいつから恥ずかしくなったか』(中野明)と同様に、なぜあそこをおおぴらに見せてはいけなくなったのか、その歴史を解説しつつ、大英博物館で開催された『春画――日本美術における性とたのしみ』(2013~2014)や『ろくでなしこ裁判』(2014)などに触れつつ、わいせつと芸術についての考察を重ねている。
    と書くとなにやら難しそうに感じるが、タイトルの副題『新股間若衆』や前著『股間若衆 男の裸は芸術家』にあるように、面白おかしく読み進めることができる。

  • タイトルからしてセンスが際立っていてウケる。芸術における股間表現などを歴史的に丁寧に解説。そのほか全国各地に散らばる裸の彫刻たち(股間若衆)などを紹介するページでは、著者のとぼけた解説がとてもユーモラスで笑えた。男性のナニを奉る神社も面白い。旅行する機会があったらぜひ訪れてみたい。ろくでなし子さんの裁判に関する著者の見解も興味深かった。「◯◯◯と聞いても何とも感じないがむしろつんびーと聞くと…」ってとこが個人的にツボる。カバー袖の、楽器を奏でる若衆の写真を熱心に撮っている著者の姿に研究者としての姿を見た。

  • ふむ

  • (後で書きます。前作から続く股間若衆に始まり、藤田嗣治と水木しげるの戦争、原爆の図の裸体表現、春画、ろくでなし子裁判まで)

  • 過大に
    話題に
    しては
    いけない
    まつり

  • 彫刻や絵画において股間をどのように表現しているのかを論じている。

  • 芸術とワイセツの境界線の難しさ

  • 木下さんは東大の美術の先生である。その美術の先生が股間に執着して書いたのが本書。人はなぜ股間を隠そうとするのかという問題意識が本書に一貫している。たとえば、黒田清輝がヨーロッパから帰ってきて『朝化粧』を発表したとき、人々は女性のヌードに驚き、その後の絵に対して股間を布で覆うよう要求したりした。これは今もあちこちの美術展で見られる光景であるし、あちこちの銅像がどうつくられているかにも関わる問題である。アダムとイブにしても、ルネッサンスで全裸の二人が描かれたが、それ以外では二人の股間は葉っぱや布で覆われている。『最後の審判』の絵にしても、その股間を塗り隠す専門の絵描きがいたほどだ。さらに、ぼくも見たが『原爆の絵』にはほとんど裸で逃げ回る人が多く描かれているが、発表当時は内容がいいにもかかわらず、その部分の描き方で非難されたとか。一方、木下先生が全国各地を回るとあちこちに男根信仰が見られるし、祭りで神輿になることもある。こういうことも現在しにくくなってきているのだろうか。ぼくは股間にそれほど執着はないが、これをタブー視するのもどんなものかと思う。

  • <目次>
    第1章  帰ってきた股間若衆
    第2章  股間風土記
    第3章  日本美術の下半身
    第4章  春画ワ論
    第5章  性地巡礼
    第6章  猥褻物チン列頒布論

    <内容>
    近現代の文化資源学を研究する?学者。要するに「美術か猥褻か?」の世界を学んでいる(違うか)。タモリ倶楽部でも「股間若衆」をやった際に研究者ゲストだった。「芸術新潮」ほかの文を加筆訂正してまとめたもの。近世には問題のなかった「春画(読み方は「わらゐえ)」。おおっぴらで、あけっぴろげだった文化が、「西洋の」文化に触れて「猥褻化」したことを語っている。それを美術と言い張ったのが黒田清輝だったとは…。近年の「ろくでなし子」の事件などについても、反警察側として文を書いている。一貫した姿勢が嬉しい!

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著者プロフィール

木下 直之(きのした・なおゆき):1954年、浜松市生まれ。東京藝術大学大学院中退、兵庫県立近代美術館・東京大学総合研究博物館、東京大学文化資源学研究室教授をへて、現在、静岡県立美術館長、東京大学名誉教授。近代の美術や写真、見世物、祭礼、ニセモノ、記念碑、建築、彫刻、博物館、動物園などなどを取り上げ、日本の「注目されてこなかった」文化を研究してきた。著書に『美術という見世物──油絵茶屋の時代』(サントリー学芸賞)、『写真画論──写真と絵画の結婚』(重森弘淹写真評論賞)、『わたしの城下町──天守閣からみえる戦後の日本』(芸術選奨文部科学大臣賞)、本書の続編『せいきの大問題──新股間若衆』など著書多数。2015年春の紫綬褒章受賞。



「2025年 『増補 股間若衆』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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