満月の道: 流転の海 第七部

著者 :
  • 新潮社
4.16
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本棚登録 : 190
レビュー : 31
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103325178

作品紹介・あらすじ

闇夜に浮かぶあの光は、未来を照らす道標なのか。執筆三十余年。畢生の大河小説、ついにカウントダウン。昭和三十六年。東京五輪へ向け復興は進み、大阪行きの集団就職列車が満員となった時代。六十五歳を目前にした熊吾は中古車販売業を軌道に乗せ、往時の覇気が甦りつつある。息子・伸仁は絵画を愛する少年に成長し、妻・房江はアルコールから抜け出せずにいたが、確かに一家に未来は拓きかけていた。熊吾がかつての愛人・博美と再会するまでは――。

感想・レビュー・書評

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  • 最初の方では、熊吾が昔の熊吾に戻ったようで
    伸ちゃんが高校生となり、生意気になり
    でもでも、伸ちゃんは宮本輝さん・・・
    と思うとちょっと複雑で
    そして、房江さんが自分の時間を持てるようになり
    そんな状況が、なんだかうれしくて
    どんどん読み進めていってしまい
    後半は、えっ?っと戸惑いながらも
    物語の中にどっぷりと使っていました
    詳しくは書けない、ネタバレしちゃう
    でもでも、読んだ人と思いっきり話し合いたいーーー
    やっぱり流転の海シリーズは
    たまらなく素晴らしい小説です

  • 流転の海の第7部。
    作者の自叙伝的小説である。
    昭和36年、松坂熊吾は中古車販売業を軌道に乗せ忙しい日々を送っている。
    息子伸仁は高校生になった。背も父より大きくなった。
    妻の房江は駐車場の管理を任されながら、身辺の人に気配りも忙しい。まだ少しアルコールの力を借りないとやっていけない。
    高度成長期の波に乗り、勢いづき何もかもうまく回っているように見えたが、そういう時に限って足をすくわれる、というか魔がさすというのか、ちょっとのつまづきが、見えない歯車の歯がうまくかみ合ってゆっくり回りだした。悪いほうへ。
    一方、昔からの登場人物も出てきて、新しい展開になるのだが、何しろ今回第7部、それも忘れたころに出るということで、登場人物も多いし、出てきても誰やったかな?という人も多い。
    本作第9部で完結するらしい。いよいよ佳境に入るわけである。が次はいつ?何年先?またまた忘れたころだろうな・・・
    今回気が付いた、宮本輝の小説には会話が「」で描かれない。小説の流れの中で、誰それがそう言った。彼はそう言う、と説明のようになされる。なので話の流れが会話によって中断されないし、調子が乱れない。それで彼の小説は一種独特の空気が流れているのだな。

  • この熊吾(宮本輝の父がモデル)がいたからこそ、伸仁(宮本輝)は作家に成り得たのだろう。と思わせる熊吾の奥深い人柄、一家の波乱万丈さ。

    あと2作で完結かぁ…
    熊吾が事業の経理を任せきりだったツケや、火傷の負った博美の助けになるべく支度金ややくざの手切れ金を用意したりと 没落の予兆がじわじわ押し寄せてきてる。
    房江も、今はまだそれほどでもないけど、酒量が増えていきそうだし…
    この内容をわすれないうちに続編が早く読みたい!

  • 大好きな「流転の海」シリーズの最新刊。
    待ちに待った、この世界。
    一行、一行が、やはり心にしみる。
    人生とは、生きていくこととは、
    人とはどうあるべきなのか、
    たくさんのことを、ドラマティックな展開の中で
    教えてくれる。

    今回のタイトルも秀逸。
    人生の中で、ふっと心安らぎ、将来が安らかで
    美しいものに感じられる「満月の道」のとき。
    年齢的に主人公の妻、房江さんに感情移入する
    年頃だからか、一層、切ないタイトルに思われた。

  • 面白かったけど、間隔が開きすぎて前作までの展開がなかなか思い出せない。

  • 間が空きすぎて前の巻を思い出しながらの読了。でも、このシリーズもあと2巻かあ。

  • s36年 父親熊吾65才に
        母房江 42才
        伸仁 14才
    自分の年齢と重ね合わせて読む癖がついてしまった
    作者も熊吾の年に追いついたそうで
    作者親子が暮らした時代 場所をモデルにして 言葉も出来事もすべて本物と思わせてしまう力がある

    たしかに大阪のビジネス街にあった自分の母校も郊外に引っ越したのだった
    引っ越した学校になじめない伸仁の言動も生々しい

  • 小石を投げ続ける熊吾が可愛かった。

    ノブが電車で房江を座らせてくれるシーンにキュンとした♡

    ノブ、成長しても泣き虫は変わらないな~。感受性が豊かで芸術肌ですな!将来楽しみです。


    あとがきより、、、房江の今後が案じられます!もう幸せにしてあげてほしい~~~!!

  • この評価の私の星評価は2。
    でも、それはこの本が悪い訳じゃありません。
    私がダメなんです。
    どういう事かと言うと、この本はシリーズもので、この「満月の道」は7作目という事になりますが、今回は今までと違い、これまで既刊の本に出てきた登場人物がやたら出て来て、もの忘れがいい私はその人たちの事をさっぱり忘れているからです。
    だから、読んでいてもこの人誰?となり、どんな事をしたんだっけ?となり、その人物の事をあれこれ書かれていても全く興味ももてないし、面白くない。
    だから読むのが全く進まず寝てばかり。
    それでこういう評価になってしまいました。

    この本に書かれている新しい出来事としては、松坂熊吾が知人に託されたモータープールの管理人として奮闘し働く様子が主に描かれていて、そのモータープールに海千山千のエアブローカーたちがたむろするようになった様子、従業員の性格や彼らの事であれこれ持ちあがる問題、そして、熊吾が以前つきあいのあった女性、博美と再会し、彼女がつきあっているヤクザ者と手を切らせるために熊吾が動く様子が描かれています。
    熊吾が曲者のせいか、彼の周りはやはり一癖、二癖ある人間が集まり、何かもめ事が起きてしまう。
    それに巻き込まれる妻の房江さんと一人息子の伸仁。
    でも、今回の7部では2人の影は薄く、どちらかと言うと熊吾と以前登場した人物中心の話になっています。
    この話を読むのなら1部から一度に読み直した方が良かったか・・・と個人的に感じました。

    今回印象深かったのは房江と伸仁のある会話。
    伸仁には父親違いの兄がいるが、房江にその子供に会いたくないのかと聞いたところ、房江が会いたいと思わないと答えたのは、先日読んだ宮本輝さんのエッセイそのまま。
    ・・・と言う事は、宮本輝さんにとって伸仁は自分の分身でもあるのかな・・・と思いました。

    また、印象的なのは「幸福なにぎわい」という言葉。
    何事かを考えて笑った顔になった房江さんの様子。
    これまで苦労してきて、平坦に人生を歩んできた人でない人が思いだして笑う、というのに、救われる気がして、また「この人は幸せなんだな・・・」と感じました。

  • 物語りもいよいよって感じです。

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