- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103325420
感想・レビュー・書評
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お豆腐の汁をパックごと啜っちゃうような冴えない感じの主人公47歳独身。クラリネット奏者。但し、現在は講師の仕事と依頼があればジャズクラブで吹くくらい。
冴えない日常に、出会いがあり広がっていく。劇的にではない。
ディキシージャズを調べてみる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
40代、50代男性には特におすすめ
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マズいと思ってはいる。思わないようにしている。
ヤバイなとは思ってはいる。思っては
いるのに動けない。
46歳、クラリネット奏者の終わりかけていた人生に、少しずつ日の光が差して来る。
若い男性が主人公のパターンが多いけど、今回はおっさんで、しっかりして!と思いつつ読み進めたら、おばさん的に結構じんわりきてしまった。
出会い、人とのつながり、広がり。 -
まあまあ
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最盛期を過ぎたジャズマンの憂い。
バンドの解散により、仕事が激減したクラリネット奏者のジャズマン・下田。
ひょんな繋がりから、昔の彼女の息子・音矢の身元引受人となり、共同生活が始まる。
ギターリストとして活躍する音矢から、少しずつ刺激をもらい、またクラリネットと向き合おうとする下田。
音矢と下田の関係にも新たな真実が。
他の作品に比べると波が少ない分、しっとりと読了。
ジャズの知識がないからか、今ひとつのめり込めなかった。 -
20190218-21これまでのハートウォーミングストーリーから一歩進んで極める努力が未来を拓くという新たな展開が読めて嬉しい。題名とイメージ違ったけど。
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クラリネット奏者の下田保幸46歳。所属していたディキシーランドジャズのバンド解散後クラリネット講師として細々と生計を立てている。
ある夜警察からトラブルを起こした佐久間音矢という青年の引き取り人として呼び出し電話を受けた。
保幸は、その名の響きに昔の記憶を呼び起こされたのだった。
自分が大事にするものだけを大事にするために、生活は最低限でも納得していた保幸。46歳男性としては頼りない気もしますが、芯の通った生き方がカッコいいなと思いました。
音楽を志す人達に成功者は一部しかいないのだろうと言うことは理解しているつもりでも、やっぱり切実だなと思わされます。
音矢との出会い、同級生との再会など、小さな偶然の積み重ねで道を開くことになった保幸。人生捨てたものではないなと思いました。
ディキシーランドジャズには明るくないのですが、後半はBGMにディキシーを聞きながらその世界観に酔いました。
著者の作品はどれもハズレ無し。私にとっては今一番気になる作家さんになりました。
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小野寺史宜 著「ひりつく夜の音」、2015.9発行。クラリネット奏者、下田保幸、46歳の物語。高校ブラバン以来30年ぶりに出会った鈴森朋子との関係が爽やかです! 今月、小野寺史宜さんに出会い、この本が13冊目になります。
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下田保幸はクラリネット奏者だが,所属していたバンドが解散したため細々と暮らしている.警察から佐久間音矢の引き取り依頼があり,依然付き合っていた留美の子供と分かった.幸保はデキシーランドジャズバンドで演奏していたが,あまり仕事はなくリーダーの井村勝の死去が解散の引き金になった.いろいろ人が出てくるが,高校時代のブラバン仲間の鈴森朋子,フリーライターの高倉乃々の存在が大きい.二度目の呼び出し後,音矢を家に連れてきた保幸.音矢は家でギターを弾くだけだ.井村勝の一周忌ライブでバンジョウに開眼した音矢がのめり込むが突然家を出ていく.最後場面で留美が出てくるビデオを見て音矢の存在を再認識するところが良い.
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まぁ、小説としてはこんな構成かな?って感じ?
今時のトラッド系のジャズミュージシャンは一つのバンドに拘束されて解散したら仕事が無くなるような生活はしてないだろう…みたいな違和感がずっとあって、演奏部分の描写も今一つな感じで、もう一つきっちり取材して描いて欲しかったかな。