火山のふもとで

著者 :
  • 新潮社
4.10
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本棚登録 : 691
レビュー : 104
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103328117

作品紹介・あらすじ

「夏の家」では、先生がいちばんの早起きだった。-物語は、1982年、およそ10年ぶりに噴火した浅間山のふもとの山荘で始まる。「ぼく」が入所した村井設計事務所は、夏になると、軽井沢の別荘地に事務所機能を移転するのが慣わしだった。所長は、大戦前のアメリカでフランク・ロイド・ライトに師事し、時代に左右されない質実でうつくしい建物を生みだしてきた寡黙な老建築家。秋に控えた「国立現代図書館」設計コンペに向けて、所員たちの仕事は佳境を迎え、その一方、先生の姪と「ぼく」とのひそやかな恋が、ただいちどの夏に刻まれてゆく-。小説を読むよろこびがひとつひとつのディテールに満ちあふれた、類まれなデビュー長篇。

感想・レビュー・書評

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  • 昨年からずっと読みたかった本をやっと読むことができた。
    期待を裏切らない、いや期待以上の作品だった。
    何よりも美しい。端正で美しくて、そして心地よい。
    浅間山麓の透明な空気に包まれている錯覚に陥りながら最後まで物語の世界を味わった。

    浅間山が噴火した年に有名な建築家の設計事務所に入所した主人公の「ぼく」はひと夏を浅間山の麓の軽井沢で過ごす。
    物語の核となるのは国立現代図書館の設計コンペ。
    このコンペに勝つべく心血を注ぐ設計事務所のメンバーのやり取りを追っていくだけでも十分楽しい。
    建築の知識があまりない私でも、アスプルンドの「森の墓地」やライトの「グッゲンハイム美術館」など見知った建築物が登場するとググッと引き込まれる。

    魅力はそれだけではない。
    軽井沢の自然描写がなんともすばらしい。
    様々な野鳥の鳴き声やそこに息づく木々や花々。
    北軽井沢を飛び交う蛍。
    そんな自然が淡々を描かれている中で、良質の音楽や絵画もアクセントのように織り込まれている。

    もちろん、忘れてはならないのが人間模様。
    「ぼく」が恋する様子、先生のもとで成長する様子。
    そして物語の後半に起こるある出来事。
    それまで淡々と進んできた物語が突然動き出す。
    浅間山の噴火とまるでシンクロしているように。
    切なくて切なくて思わず涙がこぼれる。
    そして私としては納得の結末。

    あー、大満足。
    いい作品を読んだという充足感でいっぱいになった。
    あまりの完成度の高さにしばし放心。
    作者のデビュー作というのは知っていたが、まさかここまでとは。
    激しい性描写や、目を覆いたくなるような場面は全くない。
    意表をつかれることもないし、誰も死んだりしない。
    建築に対する思いと、人々の日常が美しい自然の中で描かれる。
    ただそれだけ。
    ただそれだけがいい。

    それにしてもこれほどの作品だというのに、認知度が低いことに残念。
    私の利用図書館にも蔵書がないため取り寄せてもらって読んだ。
    ブクログのレビューも少ないし、話題にもなってなさそう・・・。
    松家さんは有名な編集者だったそうで、それがハードルを高くしているのか。
    なんだか、もったいないな~。
    こんなに素敵な作品なのに。
    一人でも多くの人に読んでもらいたいと思いつつレビューを書いた。
    次回作も楽しみ。

    • vilureefさん
      九月猫さん、こんにちは。
      いつもコメントありがとうございます!

      この本、とってもとってもお勧めです。
      山が舞台なのは同じでも羆とは...
      九月猫さん、こんにちは。
      いつもコメントありがとうございます!

      この本、とってもとってもお勧めです。
      山が舞台なのは同じでも羆とは全く系統が違いますね(笑)

      「光る牙」がページをめくる手が止まらないとしたら、この小説はページをめくるのがもったいない感じかな。
      ずーっとこの世界に浸っていたいような。
      でも地味すぎておっさん臭いと言われてしまったらどうしよう・・・(^_^;)

      そうなんですよね、読みたいリスト長くなるばかりです。
      前からお気に入りの書評ブログ、新聞の書評、ダヴィンチのお勧め本などなど色々目を通すのですが、ブクログを始めてから私のリストも大変な事になっています!

      少しでも減らすべくお互い頑張りましょうね(^_-)-☆
      2013/07/16
    • 九月猫さん
      vilureefさん、こんばんは♪

      ページをめくるのがもったいないほど。
      ずっと浸っていたいと思うほど。

      聞くだけでうっとりし...
      vilureefさん、こんばんは♪

      ページをめくるのがもったいないほど。
      ずっと浸っていたいと思うほど。

      聞くだけでうっとりしちゃいます♪
      vilureefさんがそんなに誉めてらっしゃるこの本、
      もう絶対に読むと心に決めました!!

      書評本とダ・ヴィンチは自粛中です。
      リストアップする手まで追いつかなくなりそうなので(笑)
      ブクログのみなさまのすんばらしいレビューの数々で、
      それも無駄な抵抗かもですが(^-^;)
      2013/07/17
    • vilureefさん
      九月猫さん、こんにちは!

      ええ、ええ、是非読んでください♪
      この本は胸を張って(?)お勧めできます。

      本当にリストは長くなる一...
      九月猫さん、こんにちは!

      ええ、ええ、是非読んでください♪
      この本は胸を張って(?)お勧めできます。

      本当にリストは長くなる一方でも読むのは限界があるんですよね。
      私は寝る前に本を読むことが多いのですが、睡魔に勝てずいつの間にかウトウト。
      今日も読めなかった!!と後悔の日々です(笑)
      2013/07/18
  • 終始しずかな物語。
    何ともいえず心地よい小説でした。

    タイトルだけ見ると、歴史時代小説のようですが、
    少し前の1980年代のお話です。
    軽井沢のさらに奥まった浅間山のふもとにある「夏の家」を舞台に、
    村井設計事務所の面々が国立現代図書館の設計コンペに向けて過ごす
    ひと夏をベースに描かれていきます。

    レコードで聴くピアノソナタのように
    やさしく寄り添い、
    なじんでくると思いがけないほどの奥行や伸びしろがある。
    真摯で誠実で、静謐で。
    先生の設計する建築は、きっとこんな雰囲気なのだろうと
    読むものを想像させてくれます。

    きっとまだパソコンやケータイはおろか
    ファックスも普及してないような時代だからこその
    俗世から離れた雰囲気なのでしょうが、
    鉛筆を決められた時間に削って、
    何万本と線を引くような緻密な手作業が、
    そのまま彼らの生み出す建物や家具に表れている気がしました。
    別荘周辺の自然描写、建築物の細かな表現も丁寧で、
    どこまで実在するの?と思わず調べてしまったほど。

    建築についてはさっぱりですが、
    フランク・ロイド・ライトやル・コルビジェくらいなら知ってるし、
    村井先生の考えや姿勢がすごくすてきですごく深くて
    共感できるところもいっぱいありました。

    物語も一見シンプルに見えて実は手が込んでいて
    すーっと入っていける心地よさがありました。
    久々に読み終えるのがもったいなく感じた本でした。


    最後になりますが、
    ブクログやってなかったらきっと出会えてなかったこの本
    こうして巡り会えたことに感謝いたします。

    • vilureefさん
      こんにちは!

      うわ~、嬉しい♪
      この本の良さを分かってくれるお仲間が増えて!!

      あー、いいですよね、シャリシャリと鉛筆を削るあ...
      こんにちは!

      うわ~、嬉しい♪
      この本の良さを分かってくれるお仲間が増えて!!

      あー、いいですよね、シャリシャリと鉛筆を削るあの静かな時間とか。
      実際に住んだり使ったりする人の目線に立った設計とか。

      幻に終わった図書館が実在しているのならば、絶対に行っちゃうのにな~と思います。
      山荘はモデルがあるよなので気になりますね(*^_^*)
      2013/07/31
    • tiaraさん
      vilureefさん!

      まさにvilureefさんのレビューを拝見して、そっそく図書館に予約入れたのですよ!
      素敵な本を紹介してくださり、...
      vilureefさん!

      まさにvilureefさんのレビューを拝見して、そっそく図書館に予約入れたのですよ!
      素敵な本を紹介してくださり、私もうれしい限りです。

      あの図書館、いってみたいですよねー。
      青山にト音記号の…グッゲンハイムのような…と拙く想像しています。

      山荘はモデルがあるんですね!
      村井先生のモデルも何人か名前が挙がっていて、きっと詳しい人が読んだら何倍も味わえるんでしょうね。
      2013/08/01
  • 静かな佇まいを感じさせる小説で、私には大変好ましいものだった。
    こういった小説が最近少なくなっている気がする。

    大きな事件が起こるわけではないが、丁寧な描写が情景を浮き上がらせ、秘めた心の内を思わせる。
    読んでいる間避暑地の清涼な空気を感じていた。
    穏やかな気持ちで読み終わることのできた本は久しぶりではないか。

    これがデビュー作というからたいしたものだ。
    次作が楽しみ。

  • 昭和の終わりの匂いを中心とした背景に、丁寧に綴られた若き建築家の日々。 ゆっくりと生きていく人々がみな好ましくて、読めてよかった!


    大学を出たばかりのぼく・坂西は憧れの建築家・村井俊介の設計事務所で社会人のスタートを切る。

    彼がなぜ、村井の建築物が好きなのか。彼の目線で村井の設計した建物を撫でるように語り、私のような素人でも、どんなに優しい光が流れ込む空間なのか、どんなに穏やかな空気が漂う場なのか、がよくわかる。

    村井設計事務所は夏になると毎年、浅間山の麓に「夏の家」として移転。
    蒸し暑い東京を避けて涼しい高原で仕事をする、というスタンスからして、
    浮世離れした設定なのだけど、村井先生を始めとして、事務所の人々が皆、それを当たり前のことのように分担で食事を作ったり、薪を割ったり、夜にはクラシック音楽を流しながら語り合ったり。

    実績があるわけでもない彼が人気の事務所になぜ採用されたのか。
    読んでいるとおいおいわかってくるのだけど、
    なんていうか、ぼくも村井先生も、また、事務所の人々、浅間山の集落の人々も含めて、
    同じ落ち着いた匂いのする好ましい人たちで、
    私も、心静かにゆっくり読書を楽しむことができました。

    薪のはぜる音、美味しく入ったコーヒーの香り、朝の高原の靄や鳥のさえずりなど、
    言ってみれば平凡な道具立てなのに、
    どれも、どこかで見たような描かれ方、ではないような
    愛おしい描写に思わせられてしまうのは、
    新人ながら手練れとまで言いたくなる松家仁之さん、という人なんですね。



    以下、ちょっとネタばれかも。





    ただ、一番新人の彼が、
    先輩である女性スタッフ、また、先生の姪で夏の間だけお手伝いに来ている女性を
    終始、ファーストネームで呼び捨てにしているのが気にかかって(とうか、感じがよくなくて)いたのだけど、

    それも、着地点が用意されていた、という仕掛けにも、うん、そうだったのか、なんて。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    「夏の家」では、先生がいちばんの早起きだった。―物語は、1982年、およそ10年ぶりに噴火した浅間山のふもとの山荘で始まる。「ぼく」が入所した村井設計事務所は、夏になると、軽井沢の別荘地に事務所機能を移転するのが慣わしだった。所長は、大戦前のアメリカでフランク・ロイド・ライトに師事し、時代に左右されない質実でうつくしい建物を生みだしてきた寡黙な老建築家。秋に控えた「国立現代図書館」設計コンペに向けて、所員たちの仕事は佳境を迎え、その一方、先生の姪と「ぼく」とのひそやかな恋が、ただいちどの夏に刻まれてゆく―。小説を読むよろこびがひとつひとつのディテールに満ちあふれた、類まれなデビュー長篇。

    デビューにしては風格溢れる文章だなと思ったら、大ベテランの出版関係者だったんですね。静かに静かに螺旋階段を登っていくような、淡々とした筆致で描かれる、ブルジョア階級の避暑地物語、恋愛要素もあるよと言った風情で、普段の僕ならば鼻毛が伸びて途中で切らねばならぬようなテーマなのですが、建築への静かな情熱が発熱し、抑制された恋愛感情は生々しく書かなくとも合わせた肌のしっとりとした質感を感じさせるような、淡くとも軽くない肌触りが秀逸です。正直中盤までは長いなという印象でしたが、昔の映画も中盤までは無駄とも思われる描写シーンを重ねて背骨を作り、後半への大きな感動につなげていくものが多かった気がします。最近は最初から心をつかむために大技を繰り出し過ぎの本や映画が多いのは人々の忍耐が足りなくなったのだと思います。かくいう僕も昔面白かった映画見ると序盤が冗長に感じる事もあります。忍耐力低下だなあ。反省。

    設計事務所の村井先生への尊敬、“夏の家”で過ごす時間の輝き、先生の姪、麻里子との淡い恋。劇的な展開は無く、建築や日常の細やかなディティールを積み重ねて、その中で生活する設計会社の人々を想像して楽しむ本だと思いました。次第に変わりゆく人生の味わい。古き良き時代がいつしか遠い過去になり、今生きる日々もいつしか古き良き時代にすり替わっていく。栄枯盛衰の悲しさではなく、平等に黄金時代を迎えそして擦り減っていくことの愛おしさ。その手触りを存分に味わえる小説です。後半読み進めるうちにぐっと自分の中で盛り上がってくるものが有りました。近作にして古典の雰囲気漂う名作です。

  • 美しい自然描写と確固たるものへの眼差し,色々な建築への言及,しみじみと心に染み入りました.恋愛とも言えないような心の揺らぎや,先生を取り巻く人々の優しいあり方が,この作品の雰囲気を高雅なものにしていて,極上の読書時間を過ごしました.

  • 送別会の嵐をくぐり抜け、生まれた地への引っ越しもなんとか終わりまた読書を始められた。

     昨日は飛行機の中で読み始めた松家仁之氏の作品「火山のふもと」を読了。作者のデビュー作であった故か読売文学賞と言う地味な賞を取っただけで知名度もあがらず世の中にあまり知られていないと思われる本だ。

     僕も実はあまり期待をせずに読み始めたが、読み進めて行くうちに上品な文章で表現される浅間山麓の別荘地近辺の鮮やかな自然、著者は設計事務所に勤めた経験があるのではと思わせるくらいに微に入り細にいりかつ優しい目線で描かれた建築設計のコンペに参加する設計事務所で働く人たちの日々の様子、懇切丁寧に語られる主人公が憧れる設計事務所の所長が過去の設計た建物や作り付け家具のシャープな姿など小説の中での様々なものの描写の美しさにまず圧倒された。

     もう一つ秀逸だなあと思ったのが、小説全体を構成する時間軸のコントロールだ。主人公が設計事務所に入社するくだりから、残念な所長の病気によりコンペには参考出品となりその後事務所をたたむ事になるあたりまでは非常にゆっくりとした時間の経過でもって描かれ、それにより人間関係の濃密さが協調され、その後の主人公の今の姿を描きながら語られるコンペに関わった人たちのその後の人生模様はとてもとても簡素に、時間の経過もものすごく速いテンポで描かれて、そのテンポは主人公のそれらを振り返るときの枯れた視点を感じさせるという時の流れを操る凄技を駆使している。

     もちろんちょっとほろ苦い恋愛あり、事務所内のとても微妙な先輩後輩の切磋琢磨する人間関係や事務所の所長の病気により突然変わってしまうそれぞれの人間模様の描き方も大きな魅力だ。

     主人公の学生時代から壮年までが描かれる訳だから結構なページ数となっているのだが、まず多くの人が途中で読むのをやめられられなくなるのは間違いなしだ。したがって平日のしごとに差し支えないよう週末での読書をお勧めします。

     そんな処女作なのに隙のない名品を読むBGMに選んだのがもう飽きるほど聞いたが決して飽きない名盤Bill Evansの"Waltz for Debby"だ。何度聞いても素晴らしい。
    https://www.youtube.com/watch?v=RbTEgBEaEM4&t=3462s

  • 1980年代の、ある高名な建築家の設計事務所を舞台にした小説。
    国立現代図書館のコンペ入賞を目指す老建築家は、ひさしぶりに若い駆け出しの設計士を採用する。
    その事務所は夏の間、浅間山のふもとに場所を移し、共同生活を送りながら仕事を進めるのだ。

    だれでもモデルを特定できるライバルの作品や、ライトや アスプルンドといった世界的建築家の逸話がふんだんにちりばめられる中で、事務所の先輩設計士たちや、先生の姪、山のオフィスの隣人など多くの登場人物がそれぞれの人生を抱きながら接点を持って行く。

    淡々と進むストーリーは、大きな事件がおこるわけでもないのに、濃厚で引き込まれる。
    日々の作業はとても地味なのだが、建築という世界が、クリエイティブな華やかさと、多くの人に場を提供する以上考え抜かなければならない哲学的な要素を発散させるからか。

    新潮社の編集さんだったという松家さん、世代的に共鳴するところも多いのだろう。
    紹介してくれた友人に感謝。
    素晴らしい作品でした。

  • とても いい本 を読みました。
    そんな感想です。

    密かに好評価を得ている本書。建築の内容で、建物(を見るのが)好きな私には奥深く感じました。

    新米建築士と先生と呼ばれる建築家の話しです。

    戦後の時代、都内のとある設計事務所が夏の間だけ浅間山麓へ移ります。「夏の家」と呼ばれるそこは、避暑地というだけでなく、自然を満喫しながら仕事の効率も上げてくれ、食住を共にすることでチームワークも向上させていきます。そして何よりもこの土地と「夏の家」を愛している先生は楽しんでいるかのよう。自然環境は勿論厳しく、嵐や大雪、すずめ蜂等の生物・・・と不便だからこそ、あらためて建物本来を見つめ直せる建築士たち。

    建物は作品ではないという専門家もいるけれど、クライアントの要求に応えるだけではなく、いかに希望に近い形で快適さを求めた上で、設計者の手腕とセンスが問われるもの。だから私は作品だとやっぱり思ってしまいました。ただただクライアントの要求だけを飲んでいる実験的な建物ってないと思います。与えられた時間、向き合い仕上げる建築家の手塩にかけた作品であり成果ではないでしょうか。

    脱線しましたが、個人的に最近思っていた建築の世界をいろんな角度から堪能する事もできました。

    既製品よりも大工さんや各種の職人に恵まれていた時代がまたイイ。建築家のポリシーや仕事ぶりにも細かく触れられています。クラシック音楽を傍らに先生を中心とした登場人物が丁寧に描かれ、切磋琢磨してできる建物への想いを感じることができました。とても精密で規模の大きい小説で、読み応えを存分に感じた一冊です。

    • vilureefさん
      はじめまして!

      この本、とっても良かったですよね♪
      余韻があって。
      色んな人にお勧めしたい本です。

      puccinさんのレビュ...
      はじめまして!

      この本、とっても良かったですよね♪
      余韻があって。
      色んな人にお勧めしたい本です。

      puccinさんのレビュー、気になるもの沢山ありました。
      とくに「はなとゆめ」、気になりましたがネタバレと言うことなので読むのを我慢しました(笑)

      フォローさせていただきますので、よろしくお願いします。
      2014/02/18
  • とても良い小説だった。
    描写が美しくて、こんなにも惹き付けられるのにストーリー展開が自然。読後感もすごく爽やかで気持ち良い。
    小説を読むとその世界があまりに非日常過ぎたり、作者の魂胆が見え透いてしまい、冷めてしまったり、入り込めないことが多い。けれど、全くそれがない。もちろんその世界は非日常なのだけど、誰もが心にもつ記憶にすーっとシンクロしてくるのだと思う。
    こんなに気持ちよくさせてくれた小説は久々だった。

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著者プロフィール

松家 仁之(まついえ まさし)
1958年生まれの小説家、編集者、株式会社つるとはな取締役。慶應義塾大学総合政策学部特別招聘教授だった時期がある(2009-2014)。
1979年、早稲田大学第一文学部在学中『夜の樹』で第48回文學界新人賞佳作に選ばれ『文學界』でデビュー。大学卒業後、新潮社に勤務し、海外文学シリーズの新潮クレスト・ブックス、季刊誌「考える人」を創刊。2006年より「芸術新潮」編集長を兼務し、2010年6月退職。
2012年、長編『火山のふもとで』で小説家として再デビュー、同作で読売文学賞受賞。2018年、『光の犬』で芸術選奨文部科学大臣賞及び河合隼雄物語賞受賞。

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