何者

著者 :
  • 新潮社
3.86
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本棚登録 : 7973
レビュー : 1443
  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103330615

感想・レビュー・書評

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  • 就職活動が自分の時代とはまったく違う。
    Twitterやスマートホンが生活の一部になっている。
    目前の人物がリアルなのか、ネットの書き込みが現実なのか、雲現混合して、自分が霞んでいるのじゃない?

    手のひら画面に隷属する楽さがわからない。

    • だいさん
      https://www.evernote.com/shard/s37/nl/4075866/9136f179-2db6-4799-8bf4-...
      https://www.evernote.com/shard/s37/nl/4075866/9136f179-2db6-4799-8bf4-3118a4e7b85e
      2014/04/24
  • 最初はリズミカルな文章が頭に入って行くものの、
    内容がなかなか気持ちに追いつかず。

    それが途中から追いついていくようになり。

    内定もらった後の光太郎くんの言葉がずっしりきたかと思ったら、
    思ってもない終盤の展開で一気にドキドキしながら読んでしまった。

    今の時代を物語るTwitter。
    人って思ってても違う行動とったり、思ってなくても強気になってしまったり。
    心にいろんな事しまっておけなくなってるんだよね。

  • あっぱれな展開だった。私はこれから就活を迎える大学生の母であり、各種賞はあまり気にせず単に朝井リョウ氏の著書が好きなので、彼が書いた就活がテーマの本ということでこの本を読んでみた。しかしこれは就活がテーマではなかった。奥深くてびっくりした。

    もちろん就活についても一点驚いたことがある。Webテストの本当の意味だ。(もっとも、本書で語られていることの真偽のほどは不明だが)
    ESやwebテストなど実際に見たことはまだないけれど、母も知識としては知っている。Webテストというものを知った時、冗談で文系の我が息子には「優秀な理系の友達呼んでくればできちゃうよね~?」なんて言う私に、息子たちの就活終了したママ友たちが「きっとどこかの段階で企業にバレちゃうんじゃない?」と笑っていた。
    私もママ友たちも素直なものだから、webテストを額面通りにしか受け取っていなかったのだ。私の冗談があながち間違ってもいなかったとは…。
    でも当の息子たちは、一人でやっただろうし、やるだろうし。みんなちゃんと友達いるけどね。それでいいのだ。

    本書はとても読みやすく、私は登場人物の隆良に対しては「何者じゃなくて【何様?】だよ。一回ちゃんと働いてみろ」と心の中でブツブツ。理香さんは「性格悪いなあ。こういう子とは友達にならないなあ」、光太郎「こういう子いる。いい子だなあ」、瑞月ちゃん「よく言った!」、拓人「好きだって言っちゃえ」「(ギンジや隆良について心の中で【分析】しているところを読んで)ほんと、そうだよね~」と同意して読み進めていたのだ。

    そしてこの展開とは…。やられた~。歪んでるよ~。

    そもそも今の子たちは大変だ、こんな世の中を生きていくのは。友達が受験合格だの就職内定もらっただのをつぶやくのを、自分は不合格不採用連発中でも目にしてしまうなんて。
    周りの雑音を気にせず孤独に戦うことが許されないなんて。孤独な戦いの方が楽なのに。

    それから、陰口たたくなら、親友と「なんなんだよ、あれ、なあ~?」って大いにやりなよ…。赤ちょうちんで上司の悪口さかなに飲んでるオヤジ達の方が健全だよ…。

    私も先述のママ友たちも(要は50前後のおばちゃん達)、未IT化っぷりが同じで笑えるんだけど、フェイスブックだのツイッターだのに無縁のままこの先も生きていくと思うけど、その方が幸せだ。
    受験生や就活生をそれぞれ抱えていて、気を使ってお互いに落ち着く頃までメールを控え、全てが終ってから楽しくランチしながら、ちゃんと「お口で」報告しあって初めてそれぞれの紆余曲折を共有する。これくらいが丁度いい。
    ちなみにおばちゃん達みんな従来の携帯(私はガラケーって言葉好きじゃない)で、「家族の中で携帯料金、私だけ千円ちょっと。だってメールしかしないもんね。でもパソコン立ち上がるの遅いから、タブレット買った(買う)。料理のレシピを見ながら料理できるから便利。文字大きくできるし。でも本は実物じゃないとね。タブレットは外には持っていかない。Wi-Fiっててどういうことなの?ランチの場所の地図はパソコンでプリントアウトしたり覚えていく。出先で急いで調べたいことなんて無いし。」で一致。
    明らかにIT化(そもそもこの言葉も古いのか?)の負け組なんだろうな、私達。
    同じ年代でも上の年代でも、ちゃんと使いこなしている人達も沢山いるのだから。

    でもこの先、今度は娘たちはママ友のつぶやきや裏表を見ながら子育てをしていく世の中になるのかと思うと怖いし心配だよ…。

    って、全然レビューとかけ離れてしまったけれど、朝井リョウ氏はやっぱり凄いということで。

    そして結局は登場人物の中で【サワ先輩】が一番良いと思った母なのだ。

  • 最年少直木賞受賞作。
    舞台は、拓人、光太郎、瑞月、理香、隆良ら大学生達が就職活動を通して自分をみつめ成長していくストーリーだった。
    正に現代をとらえた斬新な青春ドラマ。
    TwitterやFacebook等の用語を交えた文面。経験ある者ならわかるが、アカウントすら意味不明のおじさんやおばさまには、とっつきにくいかもしれないが、実際、ESや幾度も2次3次と面接を通り抜けてやっと内定を頂く子供達をみて、この小説を通して改めて就職活動の大変さを感じた。
    就活を通してあぶりだされる若者たちの心の揺れや成長する姿が愛おしくも感じ心が痛んだ。
    しかし、著者は、既に小学時代に原稿用紙百枚近くの小説を書かれていたというだけあって流石だと脱帽しました。

  • 読んでいる間、心臓の音がいつもより速くて大きかった。
    呑み込まれないように必死で、何度も何度も休みを入れながら、自分と『何者』の世界との境界を保とうとした。

    そのくらいリアルで、生々しかった。

    「共感した」「面白かった」「すごい」、
    そんな簡単な一言では表せないこの感じ。
    気持ちを見透かされてる、とでも言うのかな。
    目の前にブラックホールでもあるみたいだった。ブラックホールに吸い込まれた経験なんてないけど。

    自分の中の汚い、受け入れられない部分。
    崩せない、ちっぽけなプライド。
    これからのこと、未来への不安。

    ぐちゃぐちゃで、わけわかんなくて、何度も言葉にしようとしてできなかった気持ちが、そのまんま表れてる。

    同い年の、最初の平成生まれ。
    この人にしか書けないだろうな。


    お金出して買ってよかった。
    今の気持ちをそのまま表してくれた。
    この本、ずっと大切にするんだ。


    朝井リョウさん、大好きになった。

  • とても面白かったです。
    就活について、実際に経験している立場の意見がリアル。
    twitterでのつぶやき、友人との会話のやりとりや、本音の明かされ具合などなど、面白く読みました。
    この厳しいご時世、就活に臨むってほんとに大変で、思うこといっぱいあるんだろうな…。
    つらい理由がいくつか挙げられていて頷きます。
    困難さがストレートに伝わりました。
    まだ社会で何かをしているわけでもない大学生たち。
    自由と不安の混じるその頃の青さを思い出して胸がヒリヒリするようでした。

    世代を超えて読者を惹き付ける作品だと思いました。
    なにより作者の人間観察のすばらしさは心に刻まれました。力量を感じます。
    拓人が後半リアルに自分自身の言動を語る部分がずっしり重みを持って迫ります。
    わき出す言葉が止まらなくなって、相手に言い放ってしまう場面。
    心の奥底にあるものが表出する怖さが居たたまれない。
    その場の状況や、気持ちの動きが、丸ごと感じられてどきどきしました。
    その渦巻く感情や衝動が自分にも起こるのを意識して胸が苦しくなりました。
    ラストの展開は、息もつかせないくらい畳みかけられて少しショックを受けてしまう。
    また、拓人に投げかけられた言葉は自分に降りかかってもおかしくない言葉。
    時に性格悪く、意地悪い考えになる自分に思い当たってへこみそうになる。

    今まで読んでいなかったのに読んでみたのは、直木賞を受賞した際の文章を朝日新聞で読んからでした。
    小学校で出会った先生のお話と、朝井リョウの小説の原点が小学校六年生の時の大発見にあるという文章がすごく良かった。
    初めて読んだ朝井リョウさんの作品に参りました。
    こんなに心が揺さぶられるとは。
    そして今、この作品を読めたことに感謝。
    たぶんこれから作品が出たら必ず読んでいくと思います。

    • kwosaさん
      tsuzraさん、はじめまして。

      リフォローありがとうございます。

      >小学校で出会った先生のお話と、朝井リョウの小説の原点が小学校六年生...
      tsuzraさん、はじめまして。

      リフォローありがとうございます。

      >小学校で出会った先生のお話と、朝井リョウの小説の原点が小学校六年生の時の大発見にあるという文章がすごく良かった。

      僕も新聞で読みました。
      短いエピソードの中にもきちんと物語があって、それがしっかり読み手の心に響いてくる。さすがだなと思いました。

      tsuzraさんのレビューにも引きこまれました。
      お人柄がにじみ出ているのであろう、優しさのあるレビューをこれからも読ませて頂きたい。
      どうぞよろしくお願いします。
      2013/05/15
    • tsuzraさん
      はじめまして、kwosaさん。
      コメントありがとうございます。
      kwosaさんの本棚を訪ねてきました。
      惹き付けられる文章と、面白さが詰まっ...
      はじめまして、kwosaさん。
      コメントありがとうございます。
      kwosaさんの本棚を訪ねてきました。
      惹き付けられる文章と、面白さが詰まったレビューに新鮮な思いです。
      この先kwosaさんのレビューを読むのを楽しみにしております。
      こちらこそどうぞよろしくお願いします。


      2013/05/15
  • 自分の就活後、再読した。
    就活前に読んだときと就活後に読んだときでは明らかに感じ方が違う。

    主人公の自意識と絶妙なダサさが自分に似ていて読んでいて苦しかった。
    日本の就活制度がもつ独特な空気もよく表れている。


    同じ文章なのに、「小説の中の文章」として読むとふむふむなるほど、と肯定的に思うけど、「誰かが勝手に書いたツイート」として読むと、自分の考えが全部正しいと思うなよ、と否定的に感じてしまった箇所があった。
    同じ文章なのに、どこにどう書いてあるかで捉え方が変わるところが面白いし、怖いとも思った。

  • 就活でつらかったのは、自己分析。自分が如何につまらない人間か、何もしないで生きてきたのかを突きつけられたから。大してやりもしてないボランティアとか、すごくもない特技とか。書いたことが全部誇張されてて、嘘みたいで、全然「わたし」の履歴書にならなかった。
    でも、就職した今でもよく考える。私は何者なんだろう?これって人間の一生の悩みなのかな。

  • もはや就活もツイートも遥か彼方から観察する身だし、平成っ子の著作を気楽に読むか、などと年長を傘に着た上から目線で読み進める。随所にいい表現するな、ってまだ見下ろしている。隆良にギンジ、この手の排他的自己顕示、やだねー。俺もかな?光太郎、無鉄砲のようで思慮深くいいやつ。俺だって?サワ先輩、こん中では大人だ。俺だろ?拓人、あなたは主人公だから可もなく不可もなく・・・。え!何者なの?最後、理香さんの畳み掛けに、もういたたまれなくなる。俺は彼じゃない、そんなに自己陶酔してない。いやいや、彼と同じ観察者として読み進めていたっけ。俺は何者?お若いのに見事な著作、参りました。

  • やっと読めた何者

    うーん。就活終わってから読んで良かった。
    就活の暗さ、友達ってなんだっけな暗さ。慣れたなーと思ったら、最後の方で更に落とされた。

    小説としても面白かったけど、2010年代前半の就活はこんな感じだった、という記録にもなりそうだなあ。リアルだったー。

    面接時の自分なんて友達に見られたくない、自分はこんなに素敵な人間なんですって皮を見せないといけない、それが虚しくっても格好良くなくても続けなきゃちゃんとした大人になれないって思いながら就活する。
    あと、小さい時って努力は報われるから頑張れとか、過程が大事とか、嘘はだめって教えられて育つけど、大人になると逆になる。それだけじゃ上手くいかないことがある。なんでかなって思ってたけど瑞月さんがなんとなく答えてくれた。p213

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著者プロフィール

朝井 リョウ(あさい りょう)
1989年、岐阜県生まれの小説家。本名は佐々井遼。早稲田大学文化構想学部卒業。
大学在学中の2009年、『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー、後年映画化された。
大学では堀江敏幸のゼミに所属し、卒論で『星やどりの声』を執筆。2013年『何者』で第148回直木賞を受賞。直木賞史上初の平成生まれの受賞者であり、男性受賞者としては最年少。『世界地図の下書き』で、第29回坪田譲治文学賞受賞。
その他代表作に『少女は卒業しない』、映画化された『何者』がある。

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