何様

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 233
  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103330622

作品紹介・あらすじ

生きていくことは、何者かになったつもりの自分に裏切られ続けることだ。光を求めて進み、熱を感じて立ち止まる――今秋映画化される『何者』アナザーストーリー六篇を収録。光太郎が出版社に入りたかったのはなぜなのか。理香と隆良の出会いは? 瑞月の父に何があったのか。拓人を落とした面接官の今は……。「就活」の枠を超えた人生の現実。直木賞受賞から3年、発見と考察に満ちた、最新作品集。書下ろし作品も収録。

感想・レビュー・書評

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  • 何者の登場人物に関する短編ストーリー。何者を読んだのが結構前すぎて、関連人物を思い出せないものもあって、短編小説みたいに読んだものもある。
    どの物語も、ひとの感情の表と裏という感じ。学生も社会人も男も女も、二面性があって自分に、人生に、葛藤している感じ。

  • 「何者」と対になっているのか!?
    シラナンダ。「何者」を読まねば。
    一話目が好きだ。

  • 私が忘れてしまった繊細な躓きをエッジをきかせて掘り出されたような小説。
    個人的に「むしゃくしゃしたからやったと言いたかった」が好きです。

    小説家さんに限らず実年齢より上の世代のことはわからんよね。
    若い人は若い人にしか見えないことを書いてくれたらそれで十分です。

  • 『何者』のアナザーストーリーということで、文庫版を見つけてすぐに購入した。

    光太郎の憧れのあの子との話。
    理香と隆良が同棲するきっかけ。
    サワ先輩や烏丸ギンジ、瑞月の父の話など、
    それぞれ『何者』に通じる裏話でありながら、
    そこに生きる人間の物語が紡がれている。

    めちゃくちゃ高いプライドとコンプレックス。
    そのなかでもがきながらも平静な自分を保つ登場人物たちに、時に自分を重ねながら励まされる。
    理香とか、正美とか、もう他人事とは思えない。

    ふと、朝井リョウは烏丸ギンジと自分を重ねているのかな?とも思ったんだけどどうなんだろう。

    最後の人物に覚えがなくて『何者』を読み返したら、やっぱり最強に抉られた。

  • 『何者』を読んでからだいぶ時間が経ってしまったので、登場人物たちのことをすっかり忘れてしまっていたけど、普通に短編集として楽しめた。

    「水曜日の南階段はきれい」が良かったなぁ。
    自分の夢を高らかに宣言する光太郎と、彼のその言動をきっかけに、夢への一歩を踏み出す夕子。
    でも、そんな夕子の一歩が、光太郎の夢への想いをさらに強くさせるのだ。
    お互いが向上しあっていく関係は尊い!

  • 面接官となった主人公。自分への自問自答は共感すべき感覚でした。先輩女性像が、作者の訴えたい何かなのかと。就活を控えた息子を想像しながら読み切りました。

  • 全体的に何者の話とリンクしていて、読んでいて飽きない。特に水曜日の南階段はきれいは素晴らしい。何度も再読したくなるクオリティ。逆算の仕掛けや発送も好き。朝井リョウさんは初めと最後の一文にこだわっていて、伊坂幸太郎っぽさを感じる。

  • 私はたぶん、朝井リョウという作家がとても好きなんだと思う。
    紡ぐ物語が好きというのではなくて、
    この人が持ってる人に向き合おうっていう覚悟みたいなものがとても好き。
    そしてそれを、自分が必要としているときがあると感じる。

    朝井リョウが書く人間は本当にフラットに人間で、かっこいいとかかっこ悪いとかもなくて、まるまるその人で、きっとこの小説に書かれていないその人物もまだまだあるんだろうと思う。

    朝井リョウが覚悟として持っているのは、自分は人を勇気づけるために本を書いているってことだと私は思う。
    その勇気づけを決してきれいごとにはしたくないっていう意思を感じる。
    人の色んな所をみて、そんな中にもただひとつでも、信じられるコレはどうかなと差し出されているような気持ち。
    主人公たちと同じようなことで悩んだりは決してしていなくても、
    その差し出されたものに、確かに私は勇気づけられて、それで少し前に進む。

  • 『何者』のような衝撃はなかったが、短編それぞれに何か胸に引っかかる台詞があり、読んだ後自分のいろいろな気持ちが蘇ってきた。

    『それでは二人組を作ってください』はタイトルからして嫌な話になるなと予想していたが、想像したよりキツめの話だった。理香と朋美の会話に恐怖を感じた。理香はだいぶ自意識過剰に描かれているが、合わないグループに所属しているとこういう人間関係のズレって私もあった気がする。えっ、そういうつもりで喋ってたのか、額面通り受け取ってしまってた、みたいな。女子の会話って表向き無意味なくだらないことを話しているように見えて実は高演算機で相手がどれだけイケてるか値踏みしていて、それができない子はおいていかれる。そのことを描いてて怖かった。

    『むしゃくしゃしてやった、と言ってみたかった』は、MR.TANABEというまさかの人物をとりあげて、真面目に生きてきて行き詰まってしまった女性を主人公に描いていた。案外こういう女性は多い気がする。私も、ずっと真面目に生きてきた人より、破茶滅茶に生きて更生した人の方がより評価されることが不思議だった。きっとみんな、怖いもの見たさなんだろうなあ。自分は出来ないし、そういう人生送りたくもないけど、話は聞いてみたいっていう感じ。だから私個人としてはずっと真面目に生きてきた人のことを信頼したいけど。

    表題作の『何様』。人事って仕事は、確かに大事な仕事だが、いくらでもテキトーにできる仕事のような気がしていた。働いてる時は、あんな数分の面接で何がわかるんだよ、適材適所でちゃんと異動させてるのか、人事って何がわかってるの?といつも思っていた。きっと人事に配属された人もこうやって悩んでるんだろうな。みんな異動した場所でよくわからないなりに"誠実に"仕事してるんだなと思った。

  • 『何者』のアナザーストーリー(スピンオフ短編集)。りかの回はとても心が痛かった。1番気に入っているのは,光太郎のお話。元々光太郎は,登場人物の中で素直で好感が持てたのだけど,彼が出版社を志望した原点がとてもきれいな思い出で微笑ましかった。一見ちゃらちゃらしてそうなキャラクターなのに,その中身はとても真っ直ぐ。そういうところが他の人を惹きつけるのだろうなと。

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著者プロフィール

朝井 リョウ(あさい りょう)
1989年、岐阜県生まれの小説家。本名は佐々井遼。早稲田大学文化構想学部卒業。
大学在学中の2009年、『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー、後年映画化された。
大学では堀江敏幸のゼミに所属し、卒論で『星やどりの声』を執筆。2013年『何者』で第148回直木賞を受賞。直木賞史上初の平成生まれの受賞者であり、男性受賞者としては最年少。『世界地図の下書き』で、第29回坪田譲治文学賞受賞。
その他代表作に『少女は卒業しない』、映画化された『何者』がある。

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