ロシア日記: シベリア鉄道に乗って

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (157ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103331339

感想・レビュー・書評

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  • 武田百合子の旅行記『犬が星見た』の道を辿るロシア旅行。
    メジャーな観光地を巡るとか、そういうものではない。
    人々がいつもの生活をしている道を歩き、市場をめぐる。
    そういう旅行をしてみたい。

  • 図書館にて。
    2016/10/01 読了
    2018/07/18 再読

  • 別の方の過酷過ぎるシベリア鉄道乗車本を先に読んでしまったのであまりに穏やかなシベリア鉄道で『これが普通だよね』と安心してしまった。
    シベリアの地の滞在記。
    軟らかな文章と優しいまなざしを通して見るロシアの姿。
    これが普通に住んでいる生きているロシアの人たちなのだろうなぁ。
    食べ物の描写が素晴らしくロシアの日常にある数々の料理やワインを味わってみたい。
    前回に読んだウズベキスタン滞在記もとてもおもろかったので広大なユーラシア大陸を一度体験してみたくなる。

  • 料理家の高山なおみさんが画家の川原真由美さんと武田百合子の「犬が星見た」で報告したソ連旅行を運10年あとにたどるという本。続編にウズベキスタン日記がある。
     特に何か事件があるわけでなく、淡々と描写が続く。流石に料理に関しては見る目があり、描写も細かい。旅先でであう韓国人やロシア人の風貌や印象、街の印象やちょっとした気づきなどが面白い。軽い読み物としてすぐ読めてしまいました。
     そもそも本作を読む前に「犬が星見た」を先に読んだ方がよかったかな。
     やたらディルがでてきて1980年代にシベリアへ行った時と料理があまり変わっていないことが印象的でした。80年代はもちろん武田泰淳ではなくcookingresearchです。

  • ☆R02-06-17東大王鈴木光ポン・バジン宇宙押し→☆まだまだ知らない世界が多い…この次大陸横断旅行に行けるときまで勉強すること

    羽田空港→米子空港→フェリーで韓国東海→ウラジオストック→ババロフスク
    列車で2拍3日

    P74ガタイの大きい頭をツルツルに剃り上げた若い男→(下りるときには)気さくな感じ

    ウランウデ モンゴルまで鉄道で24時間 ウラン=赤い、ウデ=ウデ川

    イルクーツク 古い民家 オームリ(名産の魚)

    P132私は、湖でない側ばかり見ながら歩く。バイカル湖は、伊豆の海とそう変わらない景色なので。気になる家を見つけると、近寄って行って写真を撮っては歩いた

  • 境港から船でウラジオストックへ。鉄道でハバロフスク、ウラン・ウデを経て、イルクーツクへと向かうる旅行記。武田百合子の旅行記『犬が星見た』の行程をたどっているらしい。食べ物の記述がくわしく、おいしそう。シベリア鉄道の旅もおもしろそうだ。『犬が星見た』も読みたくなった。

  • 本屋の棚で「ロシア」「ウズベキスタン」とう文字が目について、図書館で借りてみたもの。
     著者は「レストランのシェフを経て料理家、文筆家としても活躍」とのことだが、著作数は多いものの聞いたことがない、図書館に蔵書があるか心配だったが、割と多く蔵書されていた。
     あとでネット検索して分かったが、2016年までは地元吉祥寺在住の方だったようだ。納得。

     さて、本書は、全面的に武田百合子著『犬が星見た』へのオマージュを捧げた旅日記。
    『犬が~』は未読だが、その旅に憧れて、武田百合子の足跡をたどるような内容。また、著者が料理家でもあり、内容の大半が現地で食した料理、食材に関するものが多い。シベリア鉄道を使い、極東からイルクーツクまでの知人の画家との気楽な女ふたり旅という、極めてゆるいお話。街ごとに通訳(ツアーガイド)が付いての、どちらかというとお大名旅行で、旅のハプニングやドキドキなどは期待できない。
     ただ、初めてロシアに触れた人が感じる驚きや発見が、既に忘れていた感覚を思い出させてくれるところもあり、懐かしく読み進めることができた。

     ハバロフスクの街のツアーガイドが軍隊の建物、郷土博物館で怒涛の勢いで講釈をする様子を、「壊れたラジオみたいだったね。たたいても振っても声が消えないの」と笑う。
    ”「ボーエ」「ボーエ」と、大大牛が鳴いているよな、くぐもった汽笛を鳴らしながら、列車はひた走る”という表現に、闇を切り裂きひた走るロシアの鉄道の響きと共に汽笛の音が脳裏に甦る。
     エレベーターの出っ張った階数ボタンに、「意志を持って押さないと反応しない。東京にいるときみたいに、なんとなく触っただけではだめ。ロシアって、そういう国だ」と驚く。確かに、極東の方はまだそうなんだろうなあ。さすがに近年のモスクワじゃ、そんなボタンにお目にかかる機会も少なかったなと、90年代のロシアに想いを馳せる。

     まぁ、本当に、文章のプロではない(一応、文筆家でもあるらしいが)いち旅行者が、素直に旅の途中の気持ちを綴った、徒然なる日記に過ぎないが、上記のような体験を通じ、それでもロシアの、ロシア人の良さに気づいていく様子は、良かったなあと思うところ。

    「私たちがこれまでにであったロシア人は、みんな親切だった。話しはじめると、頑丈な造りの顔の後ろから、情のある表情がふーっと現れる。」

     そうそう、そうなんですよ。

     ”そういえばリストビャンカという村の名前には、「なんとか松のあるところ」という意味があるらしい。”

     そこは、カラ松(лиственница)だね。そんな懐かしい地名も出てきて、ちょっと楽しかった。

  • こんな旅がしたい。自分の普段の暮らしと違うところ、同じところ、そのにおいをちゃんと嗅ぎとれるような、そんな旅がしたい。

  • おすすめ資料 第382回(2017.6.2)
     
    気候の良い季節です。こんなときはゆっくりと電車に揺られて旅がしたいですね。

    この本はシベリア鉄道に乗って、しずかに流れるように旅をする日記本です。

    旅には事件がつきものですが、それすらも優しい雰囲気に包まれています。

    気分転換にぜひ読んでみてください。


    【神戸市外国語大学 図書館蔵書検索システム(所蔵詳細)へ】
    https://www.lib.city.kobe.jp/opac/opacs/find_detailbook?kobeid=CT%3A7200201840&mode=one_line&pvolid=PV%3A7200497579&type=CtlgBook

    【神戸市外国語大学 図書館Facebookページへ】
    https://www.facebook.com/lib.kobe.cufs/posts/1329013303815038

  • 武田百合子さんの『犬が星見た』のオマージュ的な紀行作品。同作品を何度も読み返した著者が、自らも追体験したいと考え、船と鉄道を乗り継いでロシアを訪れる。武田百合子さんが泊まったホテルや、口にしたであろう料理などを同行の画家とともに体験し、広いロシアを自分の感覚として楽しもうとしている。

    おそらく武田百合子さんを意識しているのだと思いますが、文体が似ています。その意味では、『犬が星見た』のような感覚で楽しむことができました。同作品のようにもう少し交流エピソードが豊富だと面白いと思いましたが、やや控えめの追体験記というところでしょうか。

  • これは、武田百合子を追う旅。
    ならば私は高山なおみを追う旅をしたい。
    近くて遠い国ロシア。

    本当の蜂蜜、クッキー、野菜、果物。
    ウズベク、アルマトイ(カザフ)。

  • 久しぶりの高山節。素直でのびのびとした文章に心を洗われるようです。大好きな料理家ですが、文筆家としても素晴らしい。今回は高山さんが憧れて止まない武田百合子さんの『犬が星見た』で描かれた旅の道程を辿る旅エッセイ。同作を読んでいないのが残念ですが、高山さんの文章だけでもロシアの素朴な美しさに圧倒されます。ああ、私も旅に出たい…。

  • みせるためのエッセイではなく、
    自分のための日記というかんじ。読みやすい

    連載から本におこすにあたって、読みやすくしてくれてもよかったんじゃないかなーと思う

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著者プロフィール

1958 年静岡県生まれ。料理家、文筆家。レストランのシェフを経て、料理家になる。におい、味わい、手ざわり、色、音、日々五感を開いて食材との対話を重ね、生み出されるシンプルで力強い料理は、作ること、食べることの楽しさを素直に思い出させてくれる。また、料理と同じく、からだの実感に裏打ちされた文章への評価も高い。著書は、経験や体験に裏打ちされた料理書や料理エッセイのみならず紀行記や日記、絵本など多数。

「2023年 『帰ってきた日々ごはん13』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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