かけらのかたち

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 85
レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103335436

作品紹介・あらすじ

私は何が欲しいんだろう? 欲望の先にある、自分なりの満足はどこにあるのか。SNSに彩られて、恋人、夫婦、親子関係に新たな変化が兆している……見栄や虚栄心がこぼれて広がる不信と無理解。年の差恋愛の実態、夫婦間の葛藤、妊活の悩ましい現実。恋愛がうまくいっても、結婚できても、いつも新たに迷い、何かが問われている――現在進行形の不確かないまの、その先の生き方に気づいていく人びとの物語。

感想・レビュー・書評

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  • 大学時代に同じテニスサークルだった友人達。
    そろぞれ結婚もし、子供がいたりいなかったり。
    表では話を合わせ、心の中ではよく思わず。

    価値観はなかなか同じにはならない。
    目を瞑ってうまく合わせてやっていくか、付き合わないか。
    ドラマになりそうな話。

  • 元大学のテニスサークルの仲間とその周囲の人たちの連作短編。

    年の離れたバツイチの夫の友人、元妻に揺れるリサ。
    昔の仲間との女子会で子供自慢をする友人に嫌悪感を感じるアカリ。
    不妊治療を経て子を持たないことを決めた志津子。
    職場の若い同僚に気持ちの揺れる亜希。
    年上妻を支える双子のイクメンパパ桜井。
    アメリカのハイスクールに留学している美魔女の母を持つ安奈。

    共通のテーマがSNS。
    facebookやインスタグラムなどで、自己顕示をするもの、人の投稿から情報を得るもの、嫉妬や妬みがうずまきます。

    存在の強烈な優子自身はどう思っているのかが彼女の章がないためわからない所が面白い。

    実際の友人のSNSを見ると微妙な気持ちになることがあるので、あちこちに共感できる部分があり面白かったです。



  • 卒業して20年以上経っても付き合いのある大学時代のサークル仲間。その夫婦達の姿を描いている。連作短編集。
    それぞれの家庭がさまざまな問題を抱えていて、それをどう乗り越えるか、または上手くやり過ごすか身に染みる。読みやすくて面白い。

  • この作家の初めて読んだけど面白かった。出てくる女性たちがどれもこれもリアル。いるよねーこういう人…と思う人物だらけ。

  • 日本経済新聞社

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    あとがきのあと「かけらのかたち」 深沢潮氏 想像できぬ他人との「ずれ」
    2019/2/23付日本経済新聞 朝刊

     大学時代のテニスサークルのよしみで鍋パーティーに同窓生やパートナーが集まった。楽しくなるはずの場に不信や嫉妬が渦巻く。年の差婚の夫婦、親子間の不和など家族の内情は互いに理解しきれないからだ。それぞれの人物の視点から個人が抱える悩みを掘り下げ、連作短編にまとめた。







     「細かい人間関係のすれ違いは、相性ではなく環境に左右される。人は自分の置かれている環境の中でしか想像できない」


     表題作では不妊治療に通う女性が無神経な言葉を投げかけられ、もう同じ集まりに行かないと決める。夫は彼女に寄り添いつつ、また自分だけ行こうかなと言う。「結局は完全に分かりあえないけれど、空気みたいに、もしなかったら生きていけない関係が夫婦なのかな。地味だけど、お気に入りの作品です」


     ママ友同士の格差や在日コリアン社会を描いてきたが、心がけているのは普通の人を主人公にすることだ。「最初からみな違う背景があるという認識の土壌が存在すればいいのですが、日本は『同じである』ということが出発点の社会です」。伝え方として「一緒のはずだと思っていたところからずれが生じる物語のほうが読んでもらいやすい」と感じている。


     自身、結婚中は誰かの妻として、母親になると子どものママとして、離婚するとシングルマザーとして見られてきたが、「カテゴライズされてしまうのは嫌い」。しかし、米国に留学する娘の言葉にハッとさせられた。「一緒に遊んでいる友達は何ジンなの? と聞いたら、『そういう質問自体がありえない』って」。自分も無意識に属性にとらわれていたと気づいた。


     離婚した翌年の2007年からブログで小説を書き始めた。強烈な体験や身の回りで面白いと思った人を、設定を変えながら題材にしている。「離婚していなかったら小説を書いていなかったと思う。書くことで感情を出せるようになりました」(新潮社・1600円)




     (ふかざわ・うしお)1966年東京生まれ。日本語講師などを経て、2012年「金江のおばさん」で作家デビュー。著書に『ひとかどの父へ』『海を抱いて月に眠る』など。

  • 女性のちょっとドロリとした感情に、共感できる部分もあり、面白かった。

  • 疲れそうな人達ばかり。

  • 誰かとの優劣を見出さないと、自分の居場所が見つからない不安定さ。
    承認というよりはむしろ、称賛依存で結婚、夫婦、子供、仕事の在り方を模索する人々の短編連作集。
    大学時代の同じサークル同期の男女とその周辺の人々。
    見栄、嫉妬、マウンティングの羅列。嫌だなあ。同じ大学時代を過ごした友人同士だから、流れた時間で現在の立ち位置が違うのは当たり前。
    経済基盤や、仕事の状態、子どもの有無等々、お互いのツッコミどころは盛りだくさん。まるでyahooニュースのルポの記事を読んでいる様。

    ちょっとは覗きたくなる気持ちはあるけど、終始そんな印象だったので、おなかいっぱいになってしまいました。
    R-18大賞受賞の作家さんらしい、女性の描き方は旨いと感じたが、人の弱さ醜さの先ももう少し欲しかった。宮本輝さんの流転シリーズを読んだ後だからかな。

  • とても苦手なタイプ。

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著者プロフィール

深沢潮(ふかざわ・うしお)
66年東京都生まれ。2012年「金江のおばさん」でR-18文学賞受賞。13年『ハンサラン 愛する人びと』でデビュー。他の著者に『ランチに行きましょう』『ひとかどの父へ』『緑と赤』『ママたちの下克上』など。

「2020年 『黒い結婚 白い結婚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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