著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103336426

感想・レビュー・書評

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  • 分かる様で、分からない。そんな作品。
    細かい部分を問い正して、結論を求めるのではなく、主人公の田舎暮らしカルチャーショックが、感覚的にある程度伝わって来たなと思えればそれで良い作品なのだと思う。
    ぎっしり言葉が詰まったページは、はっきり言って眠気を誘い、主人公に向けられた周囲の人物の言葉の裏を読もうとするも、分からずじまい。結局、実際の人付き合いと同じで、善意か悪意かどちらにでも取れる表現は、どちらでもあり、どちらでもない。
    未知の世界の象徴である穴は、やがて自分がその環境に慣れてくることによって、その存在を消す。

    「いたちなく」「ゆきの宿」は続き物の短編。男の視線から書かれた、女の姿。あえて言うなら、「いたちなく」の構成が、まとまりがあって良いと思う。純文学と分類される作品のせいか、どことなく昭和のにおいがする作品。

    好みの問題で、評価の星は二つ。

  • 無意味無意味無意味無意味で構成された話。

  • 穴は何かの比喩、何だろうけど、ゴメンナサイ。純文学わかりません。風景や季節の情景、嫁姑、不妊と赤ちゃんの微妙な空気感なんかは、よく伝わってきます。

  • 第150回芥川賞受賞作。図書館で借りた本。3話の短編集。タイトルの穴で芥川賞受賞したようだが、面白さや深みは無く設定も中途半端だった。他2話のいたちなく、ゆきの宿も、ど田舎に暮らすようになった子なしの夫婦の話で悪い意味での田舎特有の陰険さや余所者に対する好奇心が側面に溢れているし、いたち・虫やら害虫が絡むのも相成ってホラーテイストを感じた。田舎暮らしの不気味さを書くなら、付け火の俳句を残して殺人で逮捕されたかつをの話や医者を追い出し続ける秋田県の農村の闇とかをノンフィクションで読みたい。

  • なぜこの本が芥川賞?本当に謎です。
    三編はいっているうち、いちばんしっくり来たのは
    書き下ろされたゆきの宿。あとは本当に終わり方も
    モヤっとしてるし、穴なんて何が伝えたかったのか
    いまいち掴めなかった。

  • 読みやすい文体なのに読みにくかった。
    すらすら情景が浮かぶ独特の文章なのに理解はできなかった。難しい。

  • 第150回芥川賞を今更読み終わる。
    前作『工場』は、正直苦手な作風だったのでどうかなと思っていたのだけれど、今作は若干毛色が変わって、所謂マジックリアリズムといえば良いのだろうか、どこまでが現実なのか曖昧になっていく作風で、若干ホラーっぽい要素もありつつ、読み始めてしまえばすいすいと読むことができた。
    しかし前作は(自分の文学偏差値でも理解できるような)わかりやすい寓意があったのに対し、今回はただSF(少し不思議)な感じで、手元に何か残ったかと言われれば特に何も…と思ってしまうような、そんな感じだった。うーん、芥川賞らしいといえばらしいのか…。

  • 文体は読みやすい。描写もわかりやすい。
    ただ結局何が起こったのかがよくわからない。
    謎めかせすぎているかんじ。
    作者はプロット書かずに、いろんなもの(シーン
    やエピソード?)を繋ぎ合わせて書いてるらしいけど、そのせいなんだろうか。伏線を回収してるのかしてないのか…
    読後感が悪いと書いてる人が多いのも理解。

  • 物語の真意はよく分からないけど、人物、風景描写は経験、身体感覚があり、田舎育ちの自分には伝わってきます。
    穴に登場するものは全て何かのシンボルなのでしょうが落語の考えオチより難しいですね。好み、評価は分かれるでしょう。
    いたちなく、でいたちを溺死させる場面は子供の頃のネズミ殺しを思い出しました。命は殺生を通してありがたみをより感じる。毎日スーパーで当たり前に肉を買って食べてる経済活動の中では触れられない世界です。

  • 「穴」、奇妙な獣を追いかけているうちに、すっぽりとはまった穴の中、、、少し、SFぽいかな?と、思いながら読んで行ったけど、、、、理解できないような、、、

    「いたちなく」も、イタチ駆除の方法で、母親イタチの始末の付け方でイタチ泣く、、なのか?
    全部のイタチが、家から居なくなるので、イタチ無くなのか?
    それとも家に住み着いて居たイタチが、鳴く(啼く)なのか?

    「ゆきの宿」も、赤ちゃんの生まれた友人宅へ、夫婦でお祝いに行ったが、雪で、一晩泊まることになるのだが、、、この話も、理解しがたい。
    題名の「ゆきの宿」は、「雪の宿」ではないのか?
    赤ちゃんの名前のユキコで、「ゆき」にしているのか?
    話の内容も、理解しがたいと、思ったのは、わたしだけなのかな?
    小山田浩子氏の本をはじめて読むが、次回読みたいとは思わなかった。

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著者プロフィール

1983年広島県生まれ。2010年「工場」で新潮新人賞を受賞してデビュー。2013年、同作を収録した単行本『工場』が三島由紀夫賞候補となる。同書で織田作之助賞受賞。2014年「穴」で第150回芥川龍之介賞受賞。他の著書に『庭』『小島』、エッセイ集『パイプの中のかえる』がある。

「2023年 『パイプの中のかえる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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