- 新潮社 (2013年6月21日発売)
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感想 : 143件
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784103341918
作品紹介・あらすじ
きれいに洗っても、忘れようとしても、まだ残っているもの。それで、人生は満ちている――。結婚直前の不実も、不倫も、自分の体を傷つけてしまうのも、ここにずっといて欲しいとうまく言えないのも、ぜんぶ同じ。怖いから。抗いたいから。体と心が触れあった痕跡を遺すことだけが、私たちの唯一の寄る辺なのです――言葉にしたら消えてしまうかもしれない感情の奥底まで踏み込んで描ききった、痛くて優しい連作小説。
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
様々な恋愛の形を描いた連作短編集で、登場人物たちの心の奥底に潜む複雑な感情が丁寧に描かれています。結婚を控えた女性が別の男性に惹かれたり、家族がありながら不倫に悩む妻の姿など、愛と傷つくことが同義であ...
感想・レビュー・書評
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どれも面白かったし惹き込まれた。この頃の千早茜さん、とろみがあって好きだ。
ただ、自分と重なる部分があまりなく、遠い世界のお話だったのでピンと来なかった。短編となると短い中でキリッとさせなくては面白くなりづらいから、仕方ないのかな、なんて思いつつ。
表紙の絵が好きで、見とれていた。この方の他の絵も見てみたが、髪の表現がとても魅力的な画家さんだった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
6編の連作恋愛短編集…様々な恋愛の形が描かれている…。結婚を控える身でありながら婚約者とは別の男性のと関係にのめり込んむ女性、家族がありながら不倫する妻、愛することと傷つくことは同義であると疑わない女性、素直になれない女性…。また、そのパートナーである男性からの視点も収められている…。
直木賞候補に選ばれていたんですね…!この作品では叶わなかったけれど最新作では直木賞を見事受賞されました!!
この作品は、オトナの恋愛集って感じでしょうね…。印象的な登場人物は、イナダと水草くんかな…2人ともなんとも可愛く思えちゃったりして!水草くんの「多分、この世は不安定で、何もかもが簡単に壊れてしまう。変わらないものなんかないし、何か遺せたとしても一瞬で消えてしまうかもしれない。それでも誰かを好きになって生きていくのはすごいことなんだって、おれは思うよ。」に、この作品の全てが網羅されているように感じました。切なくそれでいて優しい気持ちを余韻に残した読後感を得られるのも、千早先生ならではです。 -
大人の恋愛の連作短編集。
この作家さんは、独特の感性があると思う。
人は何かしら重いものを抱えながら生きている。
家族でも恋人でも、友人でも、なかなか本音を言えないことは多々ある。
「やけど」「うろこ」「ねいろ」
松本、サキ、千影の話がよかった。
NGOで働く医師と千影の関わりが、とても切なかった。
水草くんが、この本の最後に温かく締めくくってくれた気がする。 -
ほむら てがた ゆびわ やけど うろこ ねいろ の6つの短編集作品だが、各々は少しずつリンクしている短編連作。それぞれの語り手の男女を問わず、かなりの過激な登場人物もいるのですが皆が痛みや哀しみや辛さに不器用だけど自分なりに付き合って行く様が結構静かにしんみり伝わってきます。
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少しずつ登場人物の人生が重なっている連作短編集。出てくるどの人も、もちろん程度の差はあるものの、重いものを背負って生きている。
日常で出会う、飄々とそつなく生きて見える人たちにもこんな部分があるのかもと考えると、気持ちが少し楽になる。 -
直木賞ノミネート作。
惜しくも落選したけれど、個人的には割と好きな部類。
作品全体を覆う、淋しさや孤独。
誰かと繋がりたいけれど繋がれない。
誰かに伝えたいけれど伝えられない。
そんな不器用な人達に共感せずにはいられようか。
いや、むしろ同情に近いかもしれない。
6編それぞれに登場する主人公は、それぞれが心の隙間を抱えているように見えた。
素直に感情を伝えられず、まるで何でもないように淡々と日常を生きる姿は痛々しい。
あと一歩踏み込めば何かが変わるかもしれないのに。
「うろこ」は良かったな~。
松本君のキャラがたまらん。
大学デビューする姿も、自分の気持ちを素直に認められない幼さも。唯一、ほっとできる一編かも。
またしても初読の作家さんだけれど、なかなか良かった。
他の作品はどうなんだろう。
この本だけだとちと個性に欠けるか。
最近女流作家の本が続いていて、食傷気味だったのもあるかも。
今後が楽しみな作家であることは間違いない。 -
直木賞候補作ということで、初読みの作家さん。
6編入った短編集。
関連する人物で、作品ごとに視点が変わっていきます。
丁寧な文章で雰囲気があり、後半がよかったです。
「ほむら」
結婚を前に、心が揺れる女性。
5年も一緒に暮らしてきたのに、急に結婚を決めた相手に違和感を覚えてしまう。
ふと出合った年上の男性に誘われるままに何度か会う。
どこか虚無的なような、すぐ別れるとお互いにわかっているはずの、でも付き合うにはそれだけの密度もある‥
「てがた」
上司の男性が飛び降り自殺をしたと聞く会社員の木田。
飄々とした余裕のある態度だった黒崎副部長は、何か重い病があって移動してきたのだという。
副部長は何を思っていたのかと、付き合っていたらしい女性に聞く。
家庭では幼い子供の世話も出来ず、妻の明美に任せ切りの木田だが‥
「ゆびわ」
幸せな結婚をして子供も二人、努力が実って勝ったのだと感じている妻。ささやかな不満は押さえ込んでいればいいのだと。
ふとしたことから、年下の愛人が出来る。子供がいることまでは相手に言えないでいた‥
「やけど」
家を出て、高校の同級生だった松本の部屋に転がり込んでいるサキ。
ハーフで目立つ外見だが、背中にはひどい傷跡がある。
アイリッュパブでフィドルを演奏する千影に憧れ、泊まりに行ったりもしていた。
「うろこ」
居候のサキが落としていったコンタクトレンズ。
松本は、がり勉としか言いようのない外見の高校生だった。
藤森サキにはとかくの噂があり、見かけたときもボロボロ。それでも綺麗という。
互いにただ一時期の同居人と思っていたが、大学の友人に正直じゃないなと言われ‥
「ねいろ」
尊敬できる医師と付き合っている千影。
だが国際的に派遣される仕事をしている彼は、結婚を望まない。
半ばはそれでいいと理解しつつ、内心複雑な千影。
サキに貰った金魚に困って店に行き、店番の男の子に出会う。ゲイとわかった彼を水草くんと呼び、いつしか打ち明け話を‥
空しさや行き詰まり、ささやかでも解決できそうもない重ったるい感覚。
最初はややねっとりした暗さがありますが、少しずつほどけて来て、悪くない展開に。
作り話めいた部分も、総合すると説得力がありました。
予想よりも救いがあって、よかったです。 -
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--きれいに洗っても、忘れようとしても、まだ残っているもの。
それで、人生は満ちている----。
●『ほむら』
●『てがた』
●『ゆびわ』
●『やけど』
●『うろこ』
●『ねいろ』
6編の連作短編集
物語の登場人物が交錯し、脇役から主役へと繋がっていく、紡がれていく
話事に語り手が変わっていく。その移り変わりがとっても上手だった。
『うろこ』と『ねいろ』が良かったなぁ
生きている誰しもが何らかの矛盾や後悔や理不尽さを抱えずにいられない
結婚前の不実も不倫も自傷も恋人に本心を伝えられないのも
怖いから…抗いたいから…日常の澱の様な物を描いてる。
何とも言えない倦怠感が満ちています。
うろこの松本君頑張れ~(b≧▽≦)☆
ねいろの水草くんの言葉が素敵だった -
一番最初の人は誰?
ちょっと時間なくて再読できなかったのが残念。もっとしっかり読み込みたかったなー -
それぞれの登場人物が少しだけ繋がってる短編小説。
みんな、すっごく不幸ってわけではないけど、
人にぶつけることができない闇を抱えてる。
ちょっと物思いにふけるのが好きな人は好きな雰囲気かも。
私の感想は、
「もっと気楽に考えて生きていけばいいのに!」かな。
この人たちはみーんな生きづらそうだ。 -
私も抗って生きているのだと思います。
痕跡を欲しているのだと思います。
「生き物として当たり前の想い」
今の自分のこの感情を肯定された気持ちがします。 -
この本、とても好きだなあ。ブクログのどなたかが感想で「低温火傷」と評されていたけれど、まさにその言葉どおりだと思った。
ゆるゆると話が繋がっていく感じも好き。
・イナダはどんな気持ちだったのだろう。どんな顔をして部屋の中にいたのだろう。考えると胸が痛くなった。きっともう会うことはないのだろうな。
・「たとえ明日、世界が終わるとしても魚も人もきっと恋をするもの。惹かれた相手と1秒でも長く一緒にいたいと願うはずだよ。」
・夜明け前のビル、夜明け前が一番暗い、からの最後に「朝の光を浴びる前に誰かが昏い影に引きずられてしまわないように」。素敵な終わり方だった。 -
変わらないことなんて無い。
人を好きでいることも。
好きでいられなくなることに不安になり、“形”にしたがる若者達。
大人達は「そうではないんだ。精神で繋がっていれば不安になんかならない。」という。
しかしそれは相手を思いやることではなく、自分が傷付きたくないだけ。
しょせん他人同士であるなら、自分の気持ちのままに生きたい。
好きでいることに理由なんかない。
そんな話。
短篇形式だが、話が繋がっており、非常に良く練られている印象。
読後すぐに読み直したくなる本。
直木賞候補作。
2014.2.2読了 -
連作短編集。
6人の主人公はみんなどこかで繋がっているのに、誰もが孤独を抱えていた。息が詰まるほど、静かな孤独。
ここに描かれているのは、「距離」なのだと思う。
人と人との距離、今と未来の距離、過去と記憶の距離。
どれも確かに繋がっていて、すぐそばにあるように思えるのに、ほんとうは、それらは途方もなく遠いところにある。
ようやく手が届いたと思う頃にはもう消えてしまっているのだ。あとかたもなく。
涙が出そうだ。 -
この人の文章は本当に美しい。透明で寂しくてでも静かに人間が生きている。黒崎さんと千影さんと、水草くんが好き。
著者プロフィール
千早茜の作品
