ジェリー・フィッシュ

著者 : 雛倉さりえ
  • 新潮社 (2013年6月21日発売)
3.38
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103342113

作品紹介

お願い、私の首を絞めて。もっときつく、私を貶めて――。クラゲ水槽の前で突然交わした、初めてのキス。夏の夜、廃墟と化した植物園での貪るようなセックス。真っ逆さまに、恋と性の狭間にころげ堕ちて行った私たちは、永遠を信じない振りして確かに信じていたんだ――。16 歳の圧倒的筆力が突きつける、瑞々しい恋、残酷な生と性。デビュー作でいきなり映画化の超問題作。

ジェリー・フィッシュの感想・レビュー・書評

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  • 第11回R18文学賞最終候補作で、今夏に映画化になる16才の子が書いた物語。
    表題作でもあるジェリーフィッシュは夕紀の視点から描かれる物語。夕紀は周囲に溶け込むことをしない女の子。ある日水族館でクラゲを見ていた際に叶子に声をかけられキスをされる、というね。よくある感じです。でもひとつひとつの言葉のつむぎかたとかとても丁寧で16才の文才とは思えない感じで、またみずみずしかったな。ただ痛いのがきずだけど。首締めとか女の子同士とか、個人的には好まないもので。
    二章では叶子の視点で。夕紀と別れるとは言えないのかもしれない別れをして恋人の祐輔とのセックスに勤しむ毎日。だが叶子は普通の官能ではすでに満ちたらず。殴られたい蹴られたい首しめられたい痛いのがいいーー
    ぼくのエリ200才の少女はわたしもすきです、だいすき。バンパイアものの北欧映画ね。
    第三章が一番まともです。高校の青春の憧れといえば図書室!! そう、舞台は図書室ですよ。失恋したてだった眞子は朝日先輩という読書家と運命的な出会いを果たすのです。舞台は図書室、ピュア感満載。まともですがどっかで読んだことあるようなストーリーです。仕方ないですね。
    第四賞は叶子の首締めプレイに応えることができなかった元彼くん、祐輔視点で。姉の翡翠との近親相姦を匂わせるがそんなことまではしなかったです。
    第五章が退屈でしたね。いままで出てこなかった新キャラ視点なんだもん。佐藤さん。クラゲの前で夕紀と叶子がキスしてるのを目撃した元いじめられっこさん。

    個人的総評として、どんどんつまらなくなってくお話でした。ラバースキスを思い出したな。新しさがない、けど光るものもそこまでない。☆2.8

  • 高校生が書いたとは思えない・・・!

    とても色彩の表現が鮮やかな作品。
    また、美しさへの願望がとても強い作品。

  • 若いということの 美しさと残酷さと

    拙さと 成熟への過程と 世界を切り取る 鋭い刃物のような 視点と



    放っておいても 放っておくから

    勝手に 自然と

    傷ついてしまう 危うさと 脆さと



    自分と 自分の体と 指先から ほんの少し離れてしまうだけで

    自分ではないから どうにもできない 



    そんなことは 当たり前なのに

    そんなことで 心がどうしようもなく 揺れ動いて



    悲しくなって

    強く 生きていかなければと 思う



    悲しみを飲み込むことが 苦しいなら

    苦しみを吐き出しながら 生きればいい



    きらきらと広がる未来のはずが

    覗き込んだ瞳の奥の 深い底が 海のように深く

    水たまりのように浅く 簡単に どこか遠いところに 届いてしまいそうで



    怖くて 揺れる

    揺れながら しがみつくように



    それでいいのだと 思う



    そうして生きていくものかもしれないと 思う







    ―――それから



    「ジゼルの叫び」を読んで

    生命力と死の力強さに打たれて 溺れそうになりながら

    そういえば、あの時漂っていた海月は どうなったのだろうと、思って

    前作のジェリーフィッシュを 読んでみた

    刃物みたいな若さから目を背けて あまり読まないまま 閉じた

    永遠ではないはずの時間が ずっとそこにあるような気がして ドキドキした

    いつまでも若いままではいられない でも あの時手にしたものが

    いつまでも どこか遠くを もちろん今も 照らしているんだって 思った

  • 「パイロット・フィッシュ」を借りるつもりが、誤って借りてしまった本。ざっ〜と読みましたが、おじさんにはちょっとキツイ。文章力はありますね!

  • ちょっと衝撃的でした。絵画のような光を感じさせる文章で綴られている内容が高校生のどろどろとした「恋」心やセックスに対する蒼い感情。
    後付けでR-18文学賞の候補になっていたと知って納得。
    個人的には安心して?読める「夜の国」が良かった。
    クラゲは癒されるけれど、暗い水槽に妖しく光る様を想像するだけでドキドキします。

    次の作品にも期待しています。

  • 作品紹介の瑞々しい、という表現に唸った。ぴったりだ。
    ただし、表題作から徐々に、これは無くても良かったかなぁ、といった感が強くなる。湊かなえの告白を読んだときもなのだけれど、デビューの短編が鮮烈すぎて単行本の形をなすために付け足されたものは蛇足のように思えてしまった。

  • ジェリー・フィッシュ…まんまるのクラゲが意図せず浮き沈みしている平和な様子を見ていると人間よりよっぽど幸せみたい。
    果肉と傷痕…傷痕というのは痛々しい表現。こういう発想がそもそもMの人独特なのかな。
    夜の国…恋愛を超越した先に男女の友情が生まれた。
    エフェメラ…美しいお姉さんに対する強い気持ちが迫ってきた。
    崩れる春…評価はこの章。暗い過去を海に流して生まれ変わればいい。何度でも。

  • 衝撃的に美しい文章。久しぶりに身体中に電気が走りました。

  • 青春はいつだって翻弄されまくるものなのさ……

  • ☆夜の国
     私だって、2つ上の先輩2人が待ってる図書室があったら通う!
     「好き、っていう気持ちには一種類しかない
     家族でも同性でも関係ない」と言う先輩。
     どんな主義なんだ。
     こんな先輩も、いつかこの夜の国から出るときがくるのかしら。

    ☆エフェメラ
     生身の人間を神格化して…それって夢を見ているのと一緒。
     

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