- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103342120
感想・レビュー・書評
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アラベスクで貴女は夢幻に美を纏い舞う。私はその爪先に紅い花が咲くのを見た。煌めく砂糖菓子のような物語を齧ったらチクッと痛みと甘味が走り、ああ...好きって思ったの。蔦は私を締め付け葉っぱのレースが呼吸を覆い、緑の焔が焼き尽くす。世の中の完璧が嫌いよ、小さな秘密や綻びが好き。そんな私には御守りに鋏と烟がよく似合う。赤い鱗は瑠璃色の湖で泳ぐ白鳥に惹かれた。たとえ素が醜いアヒルだとしても。少女は水底から蘇る。色!色!色!!地獄の中の美しい幻だ!愛しみのジゼルと憎しみのミルタ。世界を手にした少女達の生と死の幕があがった。
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生と死の境目それがバレエ
どんなに踊っても彼女には辿り着けない。たどり着けなくてもいい躍り狂え
冷たい湖の底にジゼルは眠る。永遠に
同じ酸素を吸っていたはずなのに同じ息が吐けない。今、体の中にあるのは死という毒素だ。
さようなら湖の底へ -
同じバレエ教室に通っている少女たち数名の目線から構成される。最終章は結構よかったように思う。
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まるで詩だ
詩が連なって文章になって小説になったかのような
心が痙攣するような瞬間がずっと続いて
宝石に目が眩んで眩暈がしそうだった
咽るような緑の香り
崩れそうな儚い曲線
壊れたままの夢
夢の先に道を見つけた人
生と死が反転するように舞う 湖の下に沈んで
切れ切れの息で 息継ぎして 空を瞳に映して
息をして 繰り返して
それだけで 息をして
それだけで 生きていて
美しくも脆く 弱く
同時に 揺らぎながらも輝く 眩くも 強く
死のせめぎあいで 咲く 花のような 生と -
小説によくありそうなエピソードを詰め込んだという感じ。そしてとっ散らかったまま終わっているような気がした。新刊をずっと楽しみにしていたけれど、前作の方が面白かった。
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読み終わったけど、よくわからない。
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なかなかひどかった。
デビュー作は10代の瑞々しさ、危うさ、脆さが出ていて不安定ながらきちんと紡いだ文章に好感を抱き、今作を楽しみにしていたのだけど、なかなかの支離滅裂っぷり。
連作短編小説で視点が変わるのだけど、誰の視点から読んでるのか読者が迷子になるほど、キャラクターが似たり寄ったり。(唯一金田先生の息子だけ男だったからそこだけすいすい読めたけれども)
R18文学賞で最終候補に残っただけなのに、出版社は推したいのかな、若いから。けど、これはなかなかひどかった。クラシックバレエを習っていたわたしでもなんの感情を抱かないほど、薄かった。。残念