ひとつむぎの手

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 679
レビュー : 86
  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103343820

感想・レビュー・書評

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  • 医療ものは感動よりも辛く苦しい事が多い。子供の病気、これは辛いです。
    人として一番大切なものは何か。ヒューマンドラマ、いい作品だと思います。

    子供が苦しんでいる姿を見ている親の気持ちを考えるともう…。
    どの治療の選択が娘のために1番いいのか、何度話し合ってもなかなか答えは出ない。
    必死に悩んで、苦しんで両親は結論を出す。
    医者はそこに深入りしてはいけない。家族の前で泣いてもいけない。
    いつだって1番悲しいのは辛いのは患者家族だから。

    平良先生は患者と真摯に向き合う優しい先生。
    平良先生が患者さんの顔の汚れを拭いてあげるところがとても印象に残りました。

    だけど、心臓外科医として成功したいがため、時に損得勘定で動いてしまうことも。
    そして、どうしていいかわからず悩んでは失敗する(笑)
    平良先生はありのままの自分でいいのに。

    ミステリの部分は少しで物足りなかったけど、平良先生らしい医療に関連づけたお裁きでいい終わり方でした。

    医師だからこそ書ける医療もの。医師不足、過酷な勤務、地域医療の過疎化、派閥、医局制度、医療現場の厳しさが伝わってきました。
    ただ、研修医ってあんなに生意気な態度が取れるのか、不思議に思いました。

    • くるたんさん
      こちら、図書館予約数がすごくてまだまだ数ヶ月先になりそう。

      治療の選択、医師が向き合うべき姿、けいたん♪の感想でじーんときちゃった。
      こちら、図書館予約数がすごくてまだまだ数ヶ月先になりそう。

      治療の選択、医師が向き合うべき姿、けいたん♪の感想でじーんときちゃった。
      2019/03/31
    • けいたんさん
      くるたん♪

      こんばんは(^-^)/
      この作品は医療ミステリーと思って読んだからちょっとあれれ?だったけど、医療ものとして読んだらザ...
      くるたん♪

      こんばんは(^-^)/
      この作品は医療ミステリーと思って読んだからちょっとあれれ?だったけど、医療ものとして読んだらザ・現場って感じだったよ。
      変に怪文書なんか入れない方がよかったな。
      また読み終わったらお話ししましょう♪
      2019/03/31
  • 「ひとつむぎの手」というタイトルの意味は心臓外科医がただ血管を紡ぎ合わせているのではなく、患者の人生を、ひいては『人』そのものを紡いでいる。ということだそうです。

    純正医大、心臓外科医の平良祐介は指導にあたる研修医三名のうち二名を心臓外科に入局させれば一流の病院に出向できるという条件で、三名の研修医の指導にあたります。
    最初は、祐介に反感を持つ者もいました。
    一番好きだった場面は、小児心臓外科を志望している宇佐美麗子が重篤な子供の患者の絵里香のこころをひらこうとする場面で、反抗的だった絵里香が宇佐美になついて初めて「宇佐美せんせー」と呼びかけたところでは、思わず感涙しました。
    しかし、大病院に出向の話は、元々赤石教授の甥の針谷が行くことになっていた事実が判明し、祐介は沖縄の田舎の病院にとばされることになっていたことがわかります。祐介は落ち込みますが、妻の美代子がとても前向きなので救われます。
    そしてつい針谷に不平をもらした祐介は、針谷に非常に痛いところをつかれ、余計に落ち込みます。
    しかし、驚くべきことに、祐介の担当した三人の研修医は三人とも心臓外科の入局願いを提出していて、院内に出回った怪文書を出した、犯人捜しをしているらしいことがわかります。
    その後、また一度心筋梗塞の手術を針谷らが担当した赤石教授が手術の失敗で再び倒れます。
    そのあとの、祐介の行動はすばらしいものでした。
    赤石もちゃんと祐介の資質がわかっていて沖縄に派遣することにしたこともわかります。

    安心して最後まで読める、正統派なヒューマンな小説でした。
    作者の知念さんは、医師だそうで、細部の医療の描写などもちゃんとした裏打ちがされています。

  • 熱かった!!!
    医療ミステリだと思って読んだら熱いお仕事小説だった。

    覚悟をもって医療に従事する心臓外科医とその卵たちの物語。
    主人公が的確な判断で手術を行い患者を助けるシーンに胸が熱くなった。
    普段は温厚でヘタレなところもある主人公が患者のこととなると毅然とした態度で話すギャップもいい。
    あれは研修医も惚れるわ。
    終盤の患者の容体が急変、医者の人手も足りないっていうシーンの『研修医を三人ほど』のセリフにはキタ――(゚∀゚)――!!っ思わず叫んでしまった。


    確かに組織で働くうえでは上司に取り入ったり根回ししたり、患者の方以外を向かなければいけない時もあるかもしれない。
    人間なのだから判断ミスをすることもあるだろう。
    けれど医療現場の多くが医者の熱意によって支えられているのも事実だと思う。
    心臓外科医は血管を紡ぎ合わせて患者の人生を紡ぎ人そのものを紡いでいく。
    今作の主人公は患者だけでなく、病院も後輩も紡いでいった。
    『ひとつむぎの手』いいタイトルだと思う。

  • 患者と患者家族の意思を尊重し彼らにとって一番と思う方法を選ぶ心臓外科医の平良。三人の医局の指導を指示されるが、二人以上心臓外科医に入局させれば、自分が望んでいたより腕を磨ける病院に出向できるという。人間ドラマ。
    病院内の人間関係や医師の考え、映し出されていました。医師の苦労も出ていましたが。最後は自分の心のままに進めてよかったと思います。平良先生のようなお医者さんがいてくれたらね。平良さんの人間臭さがよく描けてたと思います。

  • 東京医科大学の減点問題など
    タイムリーに大学病院の体質の古さ
    というのに関心も集まっているし
    医師の世界が 思っていたよりも
    身近に感じる 読みやすい本です
    医師が主人公のものは
    最後には こんな医師に診て欲しい
    と思えるものが 一番いいですね

  • 患者が謎の死を遂げるような医療ミステリーではなかったが、逆にそれが新鮮だった。医学的なトリックがない分、推理もしやすい。主人公の今後にも期待させるようなエンディングだったので続編にも期待したい。

  • 以前読んだ「優しい死神の飼い方」「黒猫の夜想曲」「崩れる脳を抱きしめて」は話題になったから読んだというミーハー状態で、今回もまたそうでした。どういう事かというと、それなりに面白いのだけれども、新しい本が出たから買おう、昔に遡って読んで行こう、という気にならない作家のひとりでした。心に引っ掛からないという感覚が一番近かったかもしれません。
    所が今回は違いました、心臓外科医の厳しさと人の命を扱う難しさ。そして人を救うという事のかっこよさが詰まっています。医療ドラマとしては薄味とおもいます。もっと重厚なものも悲愴感溢れるもの沢山ありますが、僕はこの本で描かれる青臭い理想と、現実を見続ける事で夢が遠ざかっていく葛藤、後進に伝えるべき精神性と自分の中にあるドロドロとした汚れた感情。正直ドキドキしたりはしなかったけれど、しっかり感情に揺さぶりかけられました。いい本に出会った時の心の高ぶりに正直に生きていきたいです。知念さんちょっと見直しました。

  • 読み始めと終わりの本の印象が全然違いました。

    始めは平良という人間に少し嫌悪感が(^^;;
    研修生3人に対しても
    ライバル関係の人達に対しても
    何だか少し嫌味っぽくて。。

    自分の願いだった出向先に行く為に、教授に気に入られようとしたり、研修生の扱いも自分の欲の為に変えたり・・・。
    凄く自我欲の強い人で、なかなか着いて行けなかった。

    しかし、読み進めるうちに
    平良の患者ありきの治療方針や
    上司の前でも屈指ない意見を述べる姿は
    あれ??って・・・だんだん印象が変わって来ました。

    赤石との最後のやり取りは胸を打ちました。
    研修生3人が平良の患者に向き合う姿勢、医師とはどの様な仕事なのか・・・平良から研修生へ、また研修生から次の研修生へ・・・命を紡いで行って欲しいです。

    大学病院の複雑な権力争いや構造、そこに患者の命と医療従事者の激務。
    医療本は飽きないです。知りたい事、考えなければならない事ががイッパイです。

  • 努力すれば必ず結果がついてくるわけではないが、その努力は必ず誰かに伝わる。綺麗事かなぁとも思いますが、最後には心が温かくなるお話でした。

  • 最初、なんて胸糞悪い話なんだと憤りながら読み進めた。でも、序盤から信頼を得て、読み終わってみたら熱い人間ドラマだった。面白かった。

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著者プロフィール

知念 実希人(ちねん みきと)
1978年、沖縄県生まれ。医師。2011年、第4回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞した『誰がための刃 レゾンデートル』で作家デビュー。その他の作品に『螺旋の手術室』(『ブラッドライン』改題作)、『優しい死神の飼い方』(死神シリーズ)、『天久鷹央の推理カルテ』シリーズなどがある。
近刊として2018年9月刊行の『ひとつむぎの手』。

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ひとつむぎの手 Kindle版 ひとつむぎの手 知念実希人

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