嗤う被告人

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  • 新潮社 (2025年1月29日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784103351962

作品紹介・あらすじ

ドン・ファンと呼ばれた老資産家殺しは元妻が真犯人なのか、彼女は拘置所から私を操るのか。「銚子のドン・ファン」の異名をもつ好色な老資産家が死んだ。殺人罪で起訴されたのは、結婚したばかりの55歳下の若妻――。接見を重ねる新人女性弁護士は、被告の曰くありげな言動に翻弄されつつ、不可解な示唆と時に鋭い指摘に誘導されるように、事件の真相に迫っていく。異様な感動へ跳躍する新たな実話系ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 紀州のドンファン事件にヒントを得た作品とのことだが、小説と言いながら実際の事件と重なるストーリーというのはどうなのかというすっきりしない気持ちが。
    最近読んだ『暗殺』と同様の読了感だった。
    実際の事件を真似せず、すべてフィクションだったなら、もっと楽しめたのに。
    と言いながらも、読みやすく、結末が気になり、どんどん読み進めることができた。

  • とても面白かった。
    私好みのミステリーです。

    どんなところが私好みかというと、
    ・会話が多い
    ・専門用語が少なくてわかりやすい
    ・登場人物の心理描写が巧く描かれている
    といったところ。

    しかし結局私としては「この小説を楽しむ」よりも
    「真実はどうなのか知りたい」が上回ってしまったのです。

    この作品は「紀州のドン・ファン事件」にヒントを得て
    事実関係として、かなり細部において
    実際の事件と一致している箇所がたくさんあります
    でも前川裕さんが創ったフィクションです。

    私はもともと野崎幸助さんに興味を持っていて
    『紀州のドン・ファン 美女4000人に30億円を貢いだ男』
    『紀州のドン・ファン 野望篇 私が「生涯現役」でいられる理由』
    を読みました。

    読んだのは亡くなってからなんですけど
    まだ奥さんが疑われる前なので、
    「55歳年下の美しい奥さんと結婚できたのだから
    幸せな人生だったのではないでしょうか」
    と書いていた当時の私。

    そのころテレビのインタビューで
    「横で添い寝してくれるだけでいいと、言ってあるんです」
    のようなことを語っていました。
    「へぇー」と思った覚えがあります。

    しかしこの本では、
    おそらく前川裕さんがどこかで読んだのではないか?
    〈それはもちろん、野島(野崎氏)の本音ではない。
    ただ、野島がセックスを拒否される場合に備えて、
    こういう防御線を張ることもよくあり、
    それは本来気の小さい野島の性格を表しているとも言えた。
    いずれにしても、結婚して、
    パパ活という支え棒が外れたことにより、
    高齢者と肌を接することに対する
    若い女性の通常の嫌悪感が復活したのは、
    いかにも皮肉だった〉

    この本には「やりたい夫」「拒否する妻」が書かれていて
    当時のインタビューを本気にしていた私
    「うーむ。そうだったか」

    お金は便利
    お金で済むならそれでいいと思うことよくあります。

    でもそれに愛とかがからんでくると
    今度は憎しみも引き連れてくる

    やっぱりお金だって万能じゃないですね。
    人の心に感情というのもがある以上。

    昨年12月妻に無罪判決
    検察は控訴しました。

    私はノンフィクションが読みたい。

  • いわゆる「紀州のドン・ファン事件」を綿密に調査した上でインスパイアされた完全なるフィクション小説。しかし冒頭からのイライラさせられ感は相当なもので、主人公の女性弁護士の魅力のなさと事件の語りが後出しじゃんけんで進んでいくところは、完全にミステリーの禁じ手で、途中で読むのをやめようと思ったほど。我慢しながら読み進めると、この欠点と思われたところも実は巧妙な仕掛けだったと思わせる回収劇はまあそこそこではある。でも本質的に、そこまで素晴らしいプロットでもなく、面白いミステリーとまでは言えない。

  • 2025/06/17 40読了

  • ストーリー抜きで言えば、見るからにパパ活女子、そうは見えないパパ活女子、真面目でメガネの癒やし系女子、ボランティアしてみました女子、仕事一筋ちょっと疲れ気味女子などが出てくる、今どき女子図鑑とも言えなくない。

    読みながらまず柚木麻子の「BUTTER」を思い出した。
    木嶋佳苗をモデルにした死刑囚に面会すると登場人物たちの考え方がどんどん変わっていく内容だったと思う。

    それはそれとしてドラマ「相棒」を観るといつも気になるのが、右京さんとその相棒たちが、一回しか会っていない人物でも名字ではなく、名前にさん付けで呼ぶことだ。女性がそうされたらセクハラだと思うが、ドラマだから。

    小説も女性の登場人物は下の名前で表される。
    純文学やハードボイルドだと名字だけのこともあるが、それは記号と割り切っているから。
    本作も主要な女性の登場人物たちは下の名前で書かれている。

    なので、主人公の森本里奈がフルネームで表記されているのは一回だけで、あとは名字だけなのは、主人公として差別化されていることはもちろん、立ち位置、視点があきらかに違う、と著者は言いたいのだろう。

    本作はミステリっぽいが、そういうフレーバーは薄い。
    もし本格ミステリで本作と同じ設定の名字のみ表記される女性が犯人だったら、読者はルール違反だと思うんじゃないか。

    内容は面白いのにリーダビリティが低い。次の展開は!ってページをめくる手が止まらないということにはならなかった。

    タイトルの嗤う被告人も、被告人の由起が嗤う描写が何回かあったが、象徴的シーンではなく、そういう人いるよねレベル。主人も接見で翻弄されているとまでは言えない。

    なんとなくモヤモヤしたままだけど、森本の成長譚として読むのが一番あっていると思う。

  • 銚子のドン・ファンと呼ばれた野島耕三の死に纏わる女たち、坂井由紀、土倉真希絵、川島水脈と新人弁護士 森本里奈が絡み合って複雑な経緯を辿る物語だが、3人の若い女性の独特な物言いが楽しめた.野島の相棒 浦野俊介も交通事故で亡くなった.野島の遺言状によると彼の遺産を保護施設銚子クレイドルに寄付する文言があり、森本は代表者の住谷和子、従業員の西岡加奈子とも接触する.加奈子が死亡する事件も発覚し、最後の段階での森本と芝山健児の尋問は迫力があり、この事件の筋書きを構想した人物が浮かび上がる.非常に楽しめた.

  • 大変面白かった。

    新人弁護士の森本が、銚子の資産家殺害事件の容疑者として逮捕された元妻の弁護にあたるのだが…。

    森本が事件の漠然とした状況から、元妻の曖昧な証言から次々と関係者に話を聞くことが、更に元妻への疑惑を強くする森本の感情は読者も共感してしまう。
    しかし2件の関係者の死亡事故も絡みながら、徐々に徐々に森本が資産家殺害とそれを取り巻く人間の感情や真実に迫っていく姿を、ページを捲るたびに読者は物語に引き込まれていく。
    警察小説とは違った視点からの、弁護士による事件捜査を楽しめた小説だった。

  • 「銚子のドン·ファン」殺害事件の被告弁護人の目線で描かれた物語。もちろん和歌山で実際に起きた「紀州のドン·ファン」事件を下敷きにして描かれている。かなり細部に渡って実際の事件と一致する部分があるという著者の言葉通り、生々しいリアルさが伝わってくる。本作の結末では実際の事件よりも、よりによってこの人物が、という現実の一筋縄では行かなさが浮き彫りにされ、やりきれない思いに苦しくなる。ただ、タイトルは扇情的だが、少し違う気がしなくもない。

  • 「銚子のドン・ファン」と呼ばれる老資産家の夫を殺した罪で起訴された若い妻。弁護を担当することになった弁護士の森本は、被告人の奇妙な態度に翻弄される。彼女は有罪なのか、無罪なのか。実際にあった事件をモチーフにしたミステリです。
    現実の事件を下敷きにはしているものの、もちろんこちらは完全なフィクションです。疑惑の妻のキャラクターが実に独特。一見天然で賢くないようなそぶりを見せつつ、なかなかの曲者といった感で侮れません。真面目であるがゆえに振り回される森本が気の毒だけれど。それでも着実に真相に迫っていく道筋が堅実で読ませられました。
    あとがきにもあるように、厳しい生活環境に置かれた人の悲哀を考えさせられます。直接ではなくとも、悪辣な手段で富を築いたものの存在によって呼び起される憎悪は恐ろしいというよりも、悲しい。殺していい理由にはならないとはいえ、やるせないとしか言えません。

  • 後半、スピード感が出て一気に読めた。

  • 「紀州のドン・ファン」事件をモデルとした作品。好色な老資産家が殺され、55歳下の妻、由起が逮捕された。弁護士の森本里奈は由起の言動に翻弄されつつ事件の真相を追っていく。宗教的な考え方や不幸な生い立ちなど絡め、女性たちの生き方が鮮明にされていく。主人公の女弁護士にイマイチ共感できなかったけれど、由起が犯人なのかどうか面白く読んだ。

  • 「紀州のドン・ファン事件」をヒントにしたとあるが、亡くなったのが資産家で若妻が容疑者というところまでは同じで後の展開は全く別物。接見を重ねる新人女性弁護士が真相を追うがごちゃごちゃしてストーリーに入り込めなかった。。いつもの気味悪さを感じず作者さんらしさがなかった。残念。

  • スリリングさは感じなかったが、主人公の心の動きが感じられる作品

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