寝相

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 181
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103353119

感想・レビュー・書評

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  • 図書館で借りた。「寝相」と「楽器」が印象に残っている。「楽器」は登場人物が秋津の住宅街にあるとある庭を通じて共鳴しているような話で、前半部分で目的なく散歩する事を推奨しているように、この小説もどこにたどり着くか全くわからず、読了後すぐに読み直したが、目まいのするような気持ち悪さがある。クライマックスに向けて畳み掛けるように小さなエピソードが並ぶ事で妙な高揚感がでてくるが、読み終わってふと思うと「なんじゃ、こりゃ」と思ってしまう。総合すると面白かったといえるんだけど、どう処理してよいかわからない。

  • 三編とも好きなんだけど、「わたしの小春日和」のおもしろさ。まじめなのがおもしろくて、にこにこへらへら読んでたら急にすごく本当のこと言うから、ずっとそればかり考えるはめになった。「嘘のない答えなどないとあなたは思っている。そして、だから問うまい、考えまいとする」って小説の中だけじゃなくて、滝口さん本人がそう思ってるくせに。

  • 「寝相」
    眠る祖父、引き取った孫。その周囲。
    祖父の夢の中では今までの人が集まり、関係性も崩れ、幸せな混沌に。
    新人賞受賞作を軽々と凌駕して書名にするに値する傑作。

    「わたしの小春日和」
    職を辞し妻と別れ実家に戻った男が、色々と観察する。
    荒唐無稽さは抑え目。

    「楽器」
    新潮新人賞受賞作。にして、すでに堂々たる人称の移動が。
    宴会の家を取り巻くようにして庭に現れた死人たち、を、死人たちの眼からも描いている?

    とにかくこの人みたいな小説を書きたいんだ。再認識。

  • 表題の寝相は、いろいろかみ合わない人間たちの、でも確実につながっているんだ、という部分(寝相が同じ)があって、ノスタルジック。
    3話目の『楽器』は、混とんとし過ぎていて、全く解らなかった。

  • 視点がくるくる変わる3編。

    『寝相』のラストの混沌っぷりは嫌いじゃない。

  • 放蕩の末に最後の日々を過ごす老人と、その孫娘の静かな同居生活を描いた表題作をはじめ、奇妙な美しさを放つ庭の情景が男女4人の視点から鮮明に浮かび上がる「楽器」など、全3編を収録した作品集。『新潮』掲載を単行本化。

    と抄録にはあるけれど、こんな話だったっけ?と思う。
    もう一つの「わたしの小春日和」が一番わかりやすかった。
    全て誰が主人公で誰で話が終わるのか予想しにくかった。

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著者プロフィール

滝口 悠生(たきぐち・ゆうしょう):小説家。1982年、東京都八丈島生まれ。埼玉県で育つ。2016年、「死んでいない者」で第154回芥川龍之介賞を受賞。主な著作に『寝相』『ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス』『茄子の輝き』『高架線』『やがて忘れる過程の途中(アイオワ日記)』『長い一日』『水平線』などがある。

「2024年 『さびしさについて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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