藻谷浩介対話集 しなやかな日本列島のつくりかた

著者 :
  • 新潮社
4.11
  • (29)
  • (47)
  • (16)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 358
感想 : 47
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103353713

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 今、特に都会で働いている人たちは、人生の多くが「暮らし」ではなく「労働」になっています。その労働というのも、昔は生活と直結したものだったのが、今はなんのために働いていて、誰にその糧が回っているのかよく分からない。がむしゃらに働き、ご飯は外食、結構な家賃と光熱費を払いながら、家に帰ったら寝るだけ。もともとは普通に暮らしていくためにやっていたはずのことが、いつのまにか、もっと大きなシステムの中の一部分に組み込まれてしまっているのです。もちろん、その仕組みの中で働くかぎり、保険も医療もあって、野垂れ死ぬことはありません。でも、かといって生きることを素直に喜べない。そんな社会は、本質的にどこかおかしいんです。

  • 20150809 何が幸せなのか。追うものの違いで結果がこんなに変わってくるという事。自分の頭で判断していかないと。結果は自分で責任持つ事になるのだから。

  • 子供、高齢者、主婦、学生が行き交う場。
    学校、病院等のインフラはある立地条件が良い商店街を利用しない手は無い。

  • 里山資本主義を読了後、タイトルが気になって手に取ったら同じ著者でした。

    メディアが流布していること、政府や野党が声高に叫んでいること、一般的に思い込んでいること等々、イメージの世界と現実の実態との乖離をまざまざと感じさせられました。

    第四章の農業に関する対談中に「数字をチェックしないで嘆いている」という発言がありましたが、これはすべての分野で言えることではないかなと思いました。
    実態がどうあれ、先行するイメージに囚われて喜んだり嘆いたり、危機感をあおったり。けれど現実は、そこまで楽観視できなかったり、逆に悲観するようなことじゃなかったりと、思い込みの逆である場合が少なくない。

    もっと冷静に物事を見て、判断できるようにならなければ。そして、なにより学ぶことと、見ることと、体験することを怠ってはいけないなと痛感しました。

  • 農業、医療、観光、鉄道、起業、街づくりの分野の素晴らしい人材を選び出して、それぞれの本音を引き出している好著だ.どの話も良かったが、特にスイスの小さな街で素晴らしい観光資源を作り出している山田さんの事例が秀逸だ.

  • 藻谷浩介さんの「里山資本主義」を受けて
    新潮45で行った対談をまとめたもの。
    人選が、新潮の新書を出している方を選んだのか、
    藻谷さんとのからみがイマイチのひとが散見される。
    もちろん深い議論がされているひともいるのだが、
    そのひとは新潮の新書を出していなかったりと
    出版社側の事情がかいま見えるのが残念。
    しかし、「里山資本主義」が中国地方の事例が多かったので、それを補うという点で一読の価値ありか?
    もうすこし造本や図や写真など編集を丁寧にして欲しかったな。

  • 藻谷氏の著書は、地域の課題解決に対して地元主導で実行可能なオルタナティブを示してくれる。

    今回の著書では、各地で地域の医療、農業、商店街などの再生に取り組んでいるリーダーとの対談という形で、さまざまな取り組みを紹介している。

    私が特に印象に残ったのは農業の再生にたいして「高付加価値化」や「6次産業化」という前に農業技術の維持・底上げをベースに取り組みをしている神門氏の取組みである。現場の実態を見つめているからこそ、このような視点での問題提起ができるのだろうと思う。

    もう1点重要だと感じたのは、各地域のリーダーが、適切な課題分析とともに適切なゴール設定をしているということである。地域の活性化という視点で過去の最盛期の復活を夢見るのではなく、地域社会が持続的に残っていくために必要なサービスや売り上げがどのようなものなのかということをゴールにすることで、これまでとは違ったやり方が見つけられるということを教えてくれている。

    地域の再生に全国一律の解はなく、であるからこそ地域の中にある課題解決の種をもとに、それぞれの地域が取り組んでいかなければならないのだろう。それが「しなやかな日本列島」というタイトルをつけた筆者の思いなのではないかと感じた。

  • 藻谷さんと日本で様々な分野で活躍している方々との対談集。全体を通してここに登場されている方々は、周りに(特にお金の誘惑や慣習)踊らされず現実をみて行動されているのだな〜。こんなこという人達が居るのか〜!と面白くてどんどん読み進めてしまいました。

  • この本は、できるだけ多くの人に読んで欲しい。
    持続可能な日本の作り方が書かれている。特に鉄道の復権を謳った宇都宮氏との対談に感動した。
    路面電車や鉄道は赤字でも続ける意味はある。それを声を大にして言いたい。道路、自動車は鉄道の何百倍も費用がかかっている事を、政府・マスコミは知るべきだろう。

  • 対談形式の話言葉で書かれているので、とても読みやすかった。話のジャンルも7.8個に分かれていて、日本の現状をバランス良く知ることができたと思う。

全47件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

1964年、山口県生まれ。㈱日本総合研究所調査部主席研究員。1988年東京大学法学部卒、同年日本開発銀行 (現、㈱日本政策投資銀行)入行。米国コロンビア大学ビジネススクール留学、日本経済研究所出向などを経ながら、2000年頃より地域振興の各分野で精力的に研究・著作・講演を行う。2012年度より現職。政府関係の公職多数。主な著書に『実測!ニッポンの地域力』(日本経済新聞出版社)、『デフレの正体』(角川oneテーマ21)。

「2012年 『藻谷浩介さん、経済成長がなければ僕たちは幸せになれないのでしょうか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

藻谷浩介の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ジャレド・ダイア...
稲盛和夫
佐々木 圭一
ヴィクトール・E...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×