芥川症

著者 :
  • 新潮社
3.13
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本棚登録 : 255
レビュー : 51
  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103358718

作品紹介・あらすじ

あの名作が、現代の病院によみがえる――文豪驚愕の医療小説! 医師と芸術家の不気味な交流を描き出す「極楽変」。入院患者の心に宿るエゴを看護師の視点で風刺する「クモの意図」。高額な手術を受けた患者と支援者が引き起す悲劇「他生門」。介護現場における親子の妄執を写し出す「バナナ粥」……芥川龍之介の代表作に想を得て、毒とユーモアに満ちた文体で生老病死の歪みを抉る超異色の七篇。

感想・レビュー・書評

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  • 可もなく不可もなく

  • 芥川龍之介の作品を病院や介護や医療業界の現場に例えた話で面白かった。藪の中・羅生門・鼻・蜘蛛の糸・地獄変・芋粥・或阿呆の一生をパロっているが小ネタも効いてるし退屈せずに読めた。気に入ったのは羅生門をベースに書いた他生門の話で自堕落でいい加減に生きてきた男が、あるNPO団体からの協力を受け募金を集めてもらいアメリカで移植手術し成功。一度は生まれ変わったんだから真面目に生きようとするが元来怠け者で寄付金の余りの大金を生活費として貰ってたのもありパチンコ三昧の自堕落生活に。その事が世間にバレてしまい…後味悪いが好きな話だった。鼻のパクリの耳の話も良かった。

  • 芥川短篇作品を医療のオブラートで包んだお話7つ。ベースが芥川作品なので^^;、読後感の良くないものが多い中、「バナナ粥」は現実の介護問題を直視しつつホロリホッコリさせられました。海堂尊さんの医療モノよりはこちらの方が好みですが、私の芥川贔屓のせいかもしれません。

  • ちょっとグロい部分もあったりするけど、なんとか許容範囲。
    ただ、『芥川』を意識しているせいか古臭い語り口調のが気になって
    どうもスムーズに読み進めるのが難しかった気がする。
    “文学”が好きなかたとかにはドンマイなのかもだけど、私には厳しかったかな。

    『バナナ粥』『病院の中』は、老親を持つ身としてぅむむ!と。
    いろいろ考えちゃったよ。
    フツーに読む分には『クモの意図』のナースちゃんのどたばた具合が楽しかった。
    でも私、虫嫌いやしなぁ。実在されるとかなり迷惑かも。(苦笑。

  • 芥川作品のパスティーシュということになるんですかね、元ネタをいまいちよく知らない(ぶっちゃけ読んだことがない^^;)ので……でもまぁ元ネタがわからなくても十分ブラックで面白いですがね。

  • 文学

  • 芥川龍之介の小説のパロディ短編集とのことだったけど、かなりブラックなだけで、うまく揶揄ってるわけでもなく、イマイチかな。

  • 小説
    父の死因とは一体何だったのか?食い違う医師・看護師の証言。真相を求め、息子はさまよう(「病院の中」)。多額の募金を得て渡米、心臓移植を受けた怠け者の男と支援者たちが巻き起こす悲喜劇(「他生門」)。芸術を深く愛するクリニック院長と偏屈なアーティストが出会ったとき(「極楽変」)。

  • 芥川龍之介の短編には、医療や介護の現場にも通じるものがある。
    芥川が「今昔物語集」からパクって書いた小説から、自分がパクって小説を書いたらどうだろう。(本文より)
    目の付け所が面白いなぁ~!どんな内容なのか、想像もつかなかったのですが
    鬼気迫る話あり、身につまされる話あり、ブラックユーモアふんだんな話あり、面白く読みました。

  • 図書館で。ネーミングからなんとなく明るい話を想像してたら思って居た以上に暗かった。これは着想の勝利かなぁなんて読みながら思いました。

    医療現場と芥川の小説の題材と結びつけるのは面白い発想だなぁと思いましたが登場人物の行動が突飛で読んでいてハラハラしました。特に看護士の話。あまり一緒に仕事したくないタイプだな…

    最後の或る利口の…が皮肉が効いていて面白かったです。治る病は治る、治らないものは治らない。そう悟って大きく構えられたらどんなにかラクだろう。でもそう出来ないから人間なんだろうなぁとは思います。

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著者プロフィール

大阪府生まれ。大阪大学医学部卒業。作家・医師。2003年、小説『廃用身』でデビュー。小説に、『破裂』『無痛』『悪意』『芥川症』『いつか、あなたも』『介護士K』、エッセイに『大学病院のウラは墓場』『日本人の死に時』など、医療分野を中心に執筆。

「2019年 『黒医』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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