悟浄出立

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1524
レビュー : 282
  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103360117

作品紹介・あらすじ

俺はもう、誰かの脇役ではない。深化したマキメワールド、開幕! 砂漠の中、悟浄は隊列の一番後ろを歩いていた。どうして俺はいつも、他の奴らの活躍を横目で見ているだけなんだ? でもある出来事をきっかけに、彼の心がほんの少し動き始める――。西遊記の沙悟浄、三国志の趙雲、司馬遷に見向きもされないその娘。中国の古典に現れる脇役たちに焦点を当て、人生の見方まで変えてしまう連作集。

感想・レビュー・書評

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  • これまでの万城目氏の著作とは随分方向性が違う小説でしたが、個人的には昔読んだ歴史ものやキングダムとリンクして楽しめました。

  • 中国の古典を読んだら再読しよう。
    知らなくても充分楽しめたってのも凄いけど、
    再読時に備えて★は一つ空けておきます。

    文章が、言葉が、
    とても丁寧で慎重で繊細でした。

  • タイトルを見て、愉快な話なのかな、と思ってたんだけど、全然違った。どれも短編なのに、人間の深くて複雑な心情が描かれていて、かなりの読み応え。中国古典を下敷きにしたサイドストーリーが描かれているので、もう一度古典の方も読みたくなってくる。
    最後の「父司馬遷」は、父に軽んじられていた娘が、落ちぶれた父を鼓舞する話で、何というか、人間の強さを感じてグッと来るものがあった。
    重厚なのに読みやすい、色んな人に勧めたい本です。

  • 「とっぴんぱらりの風太郎」や「プリンンセス.トヨトミ」等とがらっと異なる調子の5編からなる作品。中国古典のそれぞれの脇役に焦点を当てての短編集、興味深く読めました! 気に入ったのは 法家孤憤 父司馬遷 だった。竹簡チクカンや宦官を改めて調べたりの余禄も頂きました 笑。違った万城目ワールドを味わいました! 楽しめました。

  • 名作の脇役にスポットが当たることがおもしろく、さらにすべて中国が舞台、ということで惹かれる作品だった。でもそれ以上に原典が読みたくなった…!

  • ・多分、中国の文学や歴史を知っていたら、もっと楽しめたのではないかと思う
    ・趙雲の話と、ある役人の話が面白かったです

  • 教科書で学ぶ、中国の故事の登場人物のエピソードを、人間味を加えて、より等身大に描いた内容。
    ちょうどいい文量で、じぃ〜んとくるものが多い。
    歴史上の人物だって(悟浄はちがうけど)感情があった。
    フィクションとはいえ、歴史人物に親しみを感じることができる内容だった。

  • まきめさんの作品で一番好きかもしれない。中島敦を彷彿とさせるテーマ、切なさ、そしてなんとなく救われるお話の終わり。読後感がとっても心地よい一冊でした。
    五つの話が少しずつリンクしているようなきがしないでもなく、でも独立した話として楽しめます。個人的には悟浄出立が一番好きかも。あの八戒にそんな過去があったとは。
    遠い中国のお話なのに、なんだか現代にも通じるようなそんな気持ちになる本でした。

  • 中国の古典に登場する脇役の目線で書かれた短編集。
    タイトルにもなっている、西遊記の沙悟浄目線で描かれた悟浄出立が個人的には1番好き。その他の話の主人公もほとんどが哀愁がある人たちで儚さの中に強さがあった。
    脇役という点からも一般人ぽさがあって共感しやすかったから読んでいて面白かった。

  • 中国の故事物語を取り上げ、その断片を切り取って、作者なりの解釈を加えて、小品に仕立て上げている。こういう古代史を題材にした小説は、学問として未知の部分だらけで、下手な作家が挑戦した場合は時に、周りの世界、服装や家や食事、社会制度や社会背景の描写が十分にされておらず、人物の心象のみ描写にほぼ終始し、まるで霧の中で物語が進んでいくような不満を感じることがある。が、この小説ではその点、かなり的確な時代考証、資料収集がされた上で必要十分な書き込みがされており、不満が感じられなかった。さらに、作者が焦点をあて、描いてみせた歴史上有名な登場人物の心象は、非常に豊かな想像力で、深くまで掘り下げた情感とともに、生き生きと紡ぎだされており、人物像が極めてリアルに身近に迫ってくる。作者の作品「鴨川ホルモー」はSFかと思うような読後感を受け、面白くはあったが、ファンタジーが得意なのかなと思っていたが、印象が変わった。非常に力のある、才能のある書き手として、自分の中では評価が高くなった。面白かったです。

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著者プロフィール

1976年大阪府生まれ。京都大卒。2006年ボイルドエッグズ新人賞を受賞した『鴨川ホルモー』でデビュー。『鹿男あをによし』『プリンセス・トヨトミ』『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』『とっぴんぱらりの風太郎』『悟浄出立』が直木賞候補になる。他の著書に『ホルモー六景』『偉大なる、しゅららぼん』など。

「2016年 『バベル九朔』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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