あの子とQ

著者 :
  • 新潮社
3.73
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本棚登録 : 1113
感想 : 155
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103360131

作品紹介・あらすじ

恋アリ・青春アリ・吸血鬼アリ!? 嵐野弓子、17歳の大冒険! 普段は吸血鬼であることを意識せず過ごす高校生・嵐野弓子の前に突然現れたトゲトゲのばけもの。「Q」と名乗るそいつは、弓子が人の血を吸わないか監視しにきたという。でも、考えてみ? 人間社会に溶け込む現代の吸血鬼が、血を吸うなんて絶対ない! だが、思いがけない事件が起こり――。ミラクルな展開が待ち受ける、青春×吸血鬼ストーリー!

感想・レビュー・書評

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  • 青春✕冒険✕ミステリー、これぞ万城目ワールド!
    吸血鬼の子孫、嵐野弓子の家に突然「Q」なるものが現れて…いきなり謎な展開のまま、高校生活に突入し、ある事件をきっかけに怒涛の展開が待ってます。そして、一気に読み進めてしまいます。
    「偉大なるしゅららぼん」のグレート清子さんらしき人もちょっと出てきて嬉しい。
    シリアスな展開も万城目さんならではのユーモアで楽しく読み進められました。
    スマホやYouTubeが登場しつつ、「AKIRAばりの」とか「ポール牧」とかティーンが絶対知らない例えがさりげなく出てきて面白かったです。
    読後感もよく、「楽しかった!の一言です。

  • 17歳の誕生日を迎える吸血鬼女子高生の冒険物語。始めは高校生活の描写で"青春!"という感じだったが、途中から『吸血鬼対決』みたいな話になり、少々中弛みになってしまい読み続けるかどうか迷った。しかし後半に面白い場面があって、「さすが!万城目さん!!」と思いながら読了。面白かった。

  • 万城目学さんの青春ラブコメ・アクション・ストーリー『あの子とQ』
    まずはレトロでポップなカバーイラストが目を引く
    水沢石鹸さんという方のイラストで、帯を外すと違う女の子の姿が現れてこれまたユニーク

    主人公は見た目は高校生、実態は吸血鬼、その名は嵐野弓子17歳
    パパもママも吸血鬼
    ある日突然Qというトゲトゲのばけものが現れて、弓子が17歳の誕生日を迎えるまでの10日間、人の血を吸わないか監視に来る
    万城目さんが描く吸血鬼は、誕生日の儀式を終えると人間に近づき不死でなくなり、子孫を作れるというもの
    だがある事故をきっかけに、血への欲求が。。。

    弓子の親友のヨッちゃん
    この娘がおもしろキャラで、いつも話を訳のわからない展開にもっていく
    大仏の被り物をして登場したり、好きな男の子に変な告白をしたり、何でここにいる?って所に登場したり

    この作品はファンタジーでありながら、弓子の勇気ある掟破りな行動から、自分を持って生きなさいよ、相手を受け入れる気持ちを持ちなさいよ、というメッセージ性のある作品
    映像化したら面白そう

  • 主人公、女子高生の嵐野弓子は吸血鬼。牙を生やしたり、異能を発揮することができるが、細心の注意を払い、吸血鬼の力を隠して生活している。血には決して近づかない。

    17歳の誕生日に「脱・吸血鬼化」の儀式を終えると、血への渇望から解放されるという。この儀式の証人として組織から送り込まれてきたのが、ウニのようなグロテスクな容貌の "Q" だった。誕生日直前、大事故に巻き込まれてしまい…。

    万城目ワールド全開の、良質のファンタジーだった。単純に楽しめた。

  • 万城目ワールドが満載の青春吸血鬼物語。奇想天外な設定だけど、理にかなってるところが万城目学のスゴいところ。このキャラ陣なら続編も期待できる面白さでした。

  • 吸血鬼であることを隠し、楽しい高校生活を送っていた、弓子。
    ところが、17歳の誕生日を迎えるまでの10日間、謎の存在〈Q〉に監視されることになり……。

    緊張をほぐすのに、「人」ではなく「齋」だの「顰蹙」だの書くとか。
    主に人間のヨッちゃんを中心に、ちょこちょこ笑えるシーンがあって、楽しかった。

    吸血鬼がいる世界でありながら、彼らが血を吸わなくなる「脱・吸血鬼化」を目指すとか。
    一般的な吸血鬼ものとは違って、独特の設定。

    基本はコミカルだけれど、だんだんと変化していくQとのやり取りなどは、心温まる。

    軽いタッチで、ティーンズ向けの冒険譚のよう。

  • めちゃめちゃ面白かった。やっぱり万城目本面白い、ていうか、スキ。そして、吸血鬼ものも大好物、なのでハズレるはずがない、という最初から危険な期待値で読み始めたが、斜め上いく面白さだった(主観)。ただし、吸血鬼ものの中では、かなりの異色。吸血鬼というよりは、人種のダイバーシティ的な深さを感じる。そして、Qが、Q様がツボ。ラスト号泣(ちなみに私の号泣ツボは、変と言われることが多いので参考にならないらしい。ジュマンジで号泣するタイプ)。
    帯には「恋あり!青春あり!大冒険あり!」と書かれているが、そんなチープな煽りがすっとんきょうで、ふつうの少女漫画的アオハルストーリーをエクスペクトしたらあきませんよ、万城目本ですよ、と、、裏メニュー的なものを悶々と想像させてくれた。果たして、”なかよし”や”マーガレット”ではなく、どっちかというと花ゆめ系ではある、だーれがころしたクックXービン。ともかく、
    これから読む人のために、面白さを削るような言及は絶対したくないので、となると書けることもあまりない。
    ヒトコブラクダとどっちが好きかといわれると、悩む。
    続きがめちゃめちゃ読みたい。

    • ちゃたさん
      jubeさん、こんにちは。
      私も万城目学さんだいすきで、コメントしてしまいました。本作はスマッシュヒットで超よかったです。吸血鬼とかQとか発...
      jubeさん、こんにちは。
      私も万城目学さんだいすきで、コメントしてしまいました。本作はスマッシュヒットで超よかったです。吸血鬼とかQとか発想が面白すぎます。続編など出てほしいです。
      2022/09/07
    • jubeさん
      ちゃたさん こんにちは!
      コメントありがとうございます。Q、とてもよかったですよね♪もう、こてこてすぎる吸血鬼を、こんな設定にしてくれると...
      ちゃたさん こんにちは!
      コメントありがとうございます。Q、とてもよかったですよね♪もう、こてこてすぎる吸血鬼を、こんな設定にしてくれるとは、自分のおでこ叩いて「クーーーっ」って唸りながら悶え読みました。
      続きは読ませてくれるべきと、強く主張したいです(笑)。
      2022/09/10
  • 本作の主人公は、人間世界に溶け込みたい吸血鬼の高校生。完全に人間世界に溶け込むためには、人間の血の誘惑から脱却し、儀式を行わなければならない。その監視役として現れた得体の知れない物体「Q」。儀式の遂行まで10日間を彼と過ごさなければならない。

    これが本作のザックリとした設定なのですが、「鴨川ホルモー」や「鹿男あをによし」で感じた万城目学ワールドを本作でも感じ取ることができ、読書中はずっとワクワクしっぱなしでした。

    ストーリーも青春全開で気持ちのいい作品なのですが、何よりキャラがとても魅力的でした。個人的に1番好きなのはヨッちゃんで、YouTubeに告白動画あげたり、学校に大仏のマスク被って登校したりと、ぶっ飛んでる感じにとても好感が持てました。

    続きの気になる終わり方だったので、今から次回作がとても楽しみです。

  • ファンタジーでポップで青春で、とにかく面白くて一気に読んでしまった。設定も背景も世界観も、そう来るかー!と思いながら、軽さも程よかった。
    嵐野弓子はあと10日で17歳を迎える。弓子も弓子の両親も吸血鬼だ。誕生日10日前の朝、17歳の誕生日に儀式を行うまで彼女の行動を監視するという「Q」が突然現れる。現代の吸血鬼のライフスタイル、吸血鬼界の歴史やルールなど、面白くて、だからこそもう少し話を広げられそうで、もっと読みたかったなぁ。と少し残念に思いながら、どういうこと?ということも、明かされてないこともあれこれあったので、もし続編が出れば是非とも読みたい!!!
    もう終わってしまう…と思いながらも、ファンタジーの世界に入り込んでページをめくる手が止まらなかった作品でした。

  • 初読みの作家さん。JKバンパイアの青春物語かと思いきや、ある事故をきっかけに内容としてはシリアスなものに変化して行くのだが、弓子やヨッちゃんのキャラがコミカルなので明るさも備えた面白みのある作品に仕上がってる。
    ヨッちゃんが大仏の顔になって登場した時は弓子が人間の血を吸ったからそう見えるようになってしまったのかと思ったらただのマスクだったのにはやられたぜ!
    清子様の占いによると弓子には大冒険が待っているということなので続編があるのかな?

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著者プロフィール

万城目学(まきめ・まなぶ)
1976年生まれ、大阪府出身。京都大学法学部卒。
2006年、『鴨川ホルモー』(第4回ボイルドエッグズ新人賞受賞)でデビュー。主な作品に『鹿男あをによし』、『プリンセス・トヨトミ』、『偉大なる、しゅららぼん』などがあり、いずれも文学賞ノミネート、映像化等など、大きな話題を呼ぶ。また、エッセイ集に『ザ・万歩計』、『ザ・万遊記』、対談本に『ぼくらの近代建築デラックス!』がある。

「2013年 『ザ・万字固め』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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