- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103361510
感想・レビュー・書評
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タイトルの通りの主人公であまりにも悲しすぎる話だった。
帯にある様に不運と悪意に支配された人生で読んでいて切なすぎた。
特に恋人敬介との描写は読む手が止まってしまってしまった。
本当はこういう人ほど、幸せになるべきと世の中の不公平を感じてしまった。 -
元恋人の家に放火して妻と一歳の双子を殺めた罪で、死刑判決を下された田中幸乃(30)。凶行の背景に何があったのか? 産科医、義姉、中学時代の親友、元恋人の友人、刑務官ら彼女の人生に関わった人々の追想から浮かび上がる真実とは…
「アルプス席の母」が面白かった作者。二冊目を手に取ってみた。イノセントとは、「無実の」「罪のない」「潔白な」「純粋な」という意味。
プロローグで描かれる被告人•田中幸乃の印象が、その後の章で幸乃と縁ある人物らによって追想される人物像とギャップがあり、徐々に“イノセント”の意味が浸透してくる。彼女の人生のどこかで、不幸の歯止めを効かせることができなかったのか?取り巻く人達が自己中で嫌な人物が多くて、どうにもやるせない気持ちになった。生い立ちを知ってもなお、判決を受け入れる被告の感情が最後まで理解出来なかった。逆転劇を期待していたが…
ある人物が語る言葉
「人間は複雑な生き物で思っていることをなんでも口にできるわけじゃない。うまく説明できず思ってもみないことを言ったりする。だから真摯に向き合い、何を求めているのか想像してあげなければいけない。」
子育てや社会生活においても通ずるものがあり共感。
このミステリーがすごい! 20位
日本推理作家協会賞 受賞(2015年) -
恵まれない境遇で成長した田中幸乃は長じて放火殺人事件を起こし死刑判決を受け執行を待つ身だが、抗うでもなく寧ろ心待ちにしているように見受けられる。彼女は果たして如何なる真実を秘めているのか、如何なる過程を辿ってきたのか?
幼い無垢な子供時代の絆が時を経て意外なかたちで絡み合う。読み手をぐいぐいのめり込ませて行き、いつかどこかで誰かの作品にあったような既視感もあったけど一気に読了しておりました♪ -
切ない、やりきれない気持ちでいっぱいになりました。読んでいて辛くなるけど引き込まれてしまう早見さんの小説はスゴいなぁといつも思います。
幸乃みたいな人が実はいるんじゃないか...と思ってしまいました。あってはならないことだけど。 -
放火殺人で死刑判決を受けた幸乃。
彼女が生きてきた壮絶な人生が彼女と関わった人々から語られる。
あまりにも辛い。
幸乃を救ってあげたかった。
彼女に生きる希望を持って欲しかった。
周囲の人間がほんの少し勇気を出して優しさを持って幸乃に接していたら違う人生を歩めたかもしれない。
でも結局は本人の生きる意志の問題なんだろう。
ハッピーエンドにして欲しかった。
残念・・・ -
他の方の感想で見た「救いのない」という表現がグッサリきた。本当にそう。
心が健全じゃない。本人のせいじゃない。けどどうしようもない。
『八月の母』を手に取ったことにより読みました。 -
全く救いのない話だった
泣けた
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人は完全に1人にはなれないんだよな……。
幸乃と関わった人全ての思いと、幸乃が関わった人たちの記憶からも消えたいと思うほど「生まれてきてごめんなさい」と思う気持ちと結末を思うとやりきれないというか、幸乃と、翔と慎ちゃんとの思いのギャップを思うと胸が苦しくなる……。
『とある死刑囚』の死という点ではいずれは風化され人々の記憶からは消え去っていくだろうけど、『田中幸乃』を知る人物にとっては。
面白かったです。
著者プロフィール
早見和真の作品






思い出したら慟哭!
辻村解説は必読です!
なんなら本屋で立ち読みしましょう!アカンけど許します!
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ちょっと雪が落ち着いてきたら行ってきます(`_´)ゞ
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