カエルの楽園

著者 :
  • 新潮社
3.40
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本棚登録 : 2359
レビュー : 390
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103364122

作品紹介・あらすじ

最大の悲劇は、良心的な愚かさによってもたらされる。ベストセラー作家が全力で挑んだ、衝撃の問題作。平和な地を求め旅に出たアマガエルのソクラテスとロベルトは、理想的な国「ナパージュ」に辿り着く。そこでは心優しいツチガエルたちが、奇妙な戒律を守って暮らしていた。だがある日、平穏な国を揺るがす大事件が起こる――。著者自らが「私の最高傑作」と断言。大衆社会の本質を衝いた、G・オーウェル以来の寓話的「警世の書」。

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりの百田尚樹さん。
    帯にご自身の最高傑作とあったので読んでみました。
    百田さんの強いメッセージの込められた風刺的な寓話。

    「あとどれだけ会議するかを決める会議をしよう」
    ナパージュ国のカエルたちが滑稽に思えてしまう。
    それと同時に、一つの考えに妄信的になる怖さも感じました。

    良くも悪くも、あらゆる意味で島国であるニッポン。
    自分の暮す国を、シニカルな目線で客観的に見せられたようなかんじです。

    内容は極論ではありましたが、
    しっかりと自分の国の将来を考える必要性に、
    一石を投じられたのではと思います。

  • 本書を手に取る前から内容について、うすうす噂に聞いていました。
    それにもかかわらず読後の衝撃に打たれ、日本やばいんじゃないの??と心配になりましたね。
    それからは、新聞の国際面はきちんと目を通そうと、国際情勢を気にするようになりました。

    カエルで擬人化しているので登場人物が何を指しているのか、あらかじめネットで一覧をコピペしておいて、自分でも予想してみながら読んでみました。

    少し明かしてしまうと、『ナパージュ』は日本のこと(JAPANを反対から読む)、『ツチガエル』は日本人、『ハンドレッド』はこの本の著者、百田尚樹さん。
    ハンドレッドは皮肉屋で好きなキャラでした。
    けっこう著名な方々が風刺されています。
    過去の発言から登場させたのだろうから、なにげに誰のことなのか予想できます。

    心優しきツチガエルたちは、あきれるほどにお人よしの平和ボケ。それって私たち日本人そのまんま。

    同じカエル同士だから襲われることは絶対にない。
    ナバージュには『三戒』があるから戦争は絶対に起こらない。
    スチームボードが居座っているから、この国は安全だ。

    戦後70年以上をも過ぎてしまっているのだから、絶対にないとは言い切れない。
    変遷を自覚しなくてはならない。
    いつまでもアメリカ頼みではナパージュの結末と同じくなってしまいます。
    いつまでも楽園に住んでいたいですよね。

  • カエルの国を舞台に憲法9条・平和ボケの日本を諷刺した作品。
    楽園ナパージュとはNAPAJ=JAPAN
    面白かった。
    非常に考えさせられる作品。
    (図書館)

  • 読み終わって恐怖を感じた。
    日本にそのまま当てはまるのと、
    メディア(マイクとデイブレイク)
    を使った国会やナパージュの現状の
    ねじ曲がった伝えかた、
    日本に対する「戦うこと」に対する洗脳。

    わたしもきっと、ローラのような女の子なんだろうなーと思いながら読んで居たものだから最後の最後ですごくショックだった。
    最後の占拠された描写については
    最悪の状況、ということなのかとは思ったが
    十分あり得ることだと思った。
    戦争をして、負ける者、勝つ者があるということは
    上下の関係が生じることだと思うから。
    母に先日「日本がなくなっても別にいい」と言われた。
    その無くした国が、果たして自分たちが築き上げた国と同じような国づくりをするだろうか?
    現状の延長線上で得するのは一体誰なのか。

    話は変わるけど、殿堂入りしていることが
    ちょっとホッとしていたりする。
    これが出版されなかったり、
    駄作だと言われることが
    本当に危険な状況だと思うから。

    必ずこうなるとは限らないけれど
    可能性の一つとして
    読んでおいても損はないのかもしれない。
    信じているのを決めている人には
    勧めづらいけどね…

    百田さんの小説がすごく囃し立てられた後に
    ガクッとメディアが叩き始めた裏側ってこれなのかな。
    よく書ききったなぁ、出版したのもすごい。
    そりゃ、ウシガエル側たちに嫌われる訳ですね

  • 冒頭の読み口の良さからつい手に取り読み始めてしまったが、後半は救いようの無い話へと発展し読後感の悪さが残る。

    この物語が何を風刺しているのかは読んだ者にはすぐに判ることと思う。
    それはさて置いて、どの様なやり口で情報操作・洗脳がなされ、歴史の歪曲や人々の意識が歪められていくのかという点においては非常に興味深く読めた。

    では私自身がその様なリスクを少しでも回避するにはどうしたら良いのだろうか?

    情報というものは精査し取捨選択してから、それが初めて知識になり得るのだという事。”自己”のフィルターを通さずに全てを鵜呑みにするのは非常に危険であると言えよう。
    それはこの本の内容さえも例外では無い。

  • 今の日本が抱えている問題をカエルの世界に例えて寓話にした作品。
    普段は政治経済にとんと弱い私ですが、知人に薦められて読んでみました。

    う~ん。恐いお話。
    子供でも読めるようになってはいますが、なかなかショッキングな内容です。

    著者はこの作品で自分の思想を論じているのか。
    それとも敢えて偏見を含むストーリーや結末を用意して読者に問題提起しているのか。

    賛否両論あるようですが、
    多くの読者が心揺さぶられたことが、Amazonのレビュー(現時点で700件超え)で窺い知れます。

    今まで私も漠然と「9条=平和」をいう認識を持っていましたが、その認識は無責任、他人事に起因するものだったのかもしれません。

    今の平和がいつまでも続くという保証はどこにもない。
    平和を守るために何が必要で何が必要ではないのか。
    とても難しい問題ですね。

  • うう~~~ん
    ここまで直接的だとは・・

    なんか売れてる本らしいのと、現代社会への風刺?とかいうので気になって読んでみたけど
    あんまり政治の話とかは(よくわかんないし)家族とくらいしか(しかもアッサリと)しないけれども・・
    カエルに置き換えただけで、まんま日本なのでビックリした

    百田さんって人の政治的なポリシー?とか立場とか全く知らないけど、
    この人はこういう考えなんだなーってのがすごくよくわかったし、
    あまりものを考えないで、憲法改正ははんたーい!とか戦争に行くのははんたーい!とか言ってる人がこれを読んだらどう思うのかな~~とかは思った

    戦争反対も、平和がいちばんも、みんなそう思ってるけど、降りかかる火の粉をどうするのかとか、
    反対派いいけどじゃあどうするのかとか、
    そういうことをもっと考えなきゃ(考えてる人は考えてるんだろうし考えてないひとはごく一部なのかもしれないけど)って思ったりする

    大衆ってこわいなとか
    目をつぶされて腕をもがれたカエルにあたるのはなんなのかな(自衛隊?)とか思った

    ヌマガエルの存在が、こわいなーと思った
    そういう人ばっかじゃないというか、そういう人もまたごくごく一部なんだろうけど、
    なんか根本的にこわいなー

    考えられる頭もなくて、専門家でもなくて、時間もやる気もないわたしたちは
    そういうことをきちんと考えられるまともな政治家を選ばなくちゃいけないわけで、
    でもよく知らない人だしその人が本当に国を思ってるのかなんてわからないわけだし、
    政治ってむずかしいな~

  • なんだかんだ叩かれてもやはり百田さんは最高。平易な文章。おとぎ話のような設定。
     しかしそのそこには考えるべき課題がたくさん。私たちが後生大事に守っている憲法9条,安全保障条約,それは本当に正しく守られているもの?変えるべきものではないのか?たくさん、たくさん考えさせられる作品。

  • たまたま 図書館の新刊の棚にあったので
    手に取ってみて
    そのまんま数十分で読み終える
    唖然としてしまった
    あまりにもあざとすぎて
    比喩にも、風刺にも、喜劇にも、悲劇にも、警告にも
    なっていない
    「本」である限り
    世に問うているのでしょうが…
    新潮社さん大丈夫?と思ってしまう

    言論の自由はそりゃあるものねぇ
    と自問自答してしまいました

    大政翼賛会
    特別高等警察
    治安維持法
    いやはや きな臭いなぁ

  • 現代日本が置かれている状況をカエルの国に喩えた寓話的ストーリーなのですが。喩えが直球過ぎて喩えになってないですね。百田氏にとってはこれでオブラートに包んだつもりなのでしょうが。

    現代日本人へ警鐘を鳴らすための話なのだから、分かっていた結末とはいえ読後感はすさまじく悪かったです。やるせない気持ちになりました。

    本の帯に「私の最高傑作」だと書かれていたのは何かの皮肉だと思います。もしも本気なのだとしたら「永遠のゼロ」や「海賊とよばれた男」はなんだったのかと。

    ただ、こういう作品がランキング上位にくるようになったのは、まだ日本がマシになってきているということなのかと思いました。

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プロフィール

百田 尚樹(ひゃくた なおき)
1956年生まれ、大阪府出身の放送作家・小説家。『探偵!ナイトスクープ』の放送作家として活躍。
50歳の時にはじめて執筆した『永遠の0(ゼロ)』で作家デビュー。ヒット作となり、映画化されている。
ボクシング青春小説『ボックス!』が第30回吉川英治文学新人賞候補、第6回本屋大賞の5位に選出され、映画化もされた。『海賊とよばれた男』で2013年本屋大賞大賞受賞。コミック化、映画化された。

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