カエルの楽園

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 2659
レビュー : 427
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103364122

作品紹介・あらすじ

最大の悲劇は、良心的な愚かさによってもたらされる。ベストセラー作家が全力で挑んだ、衝撃の問題作。平和な地を求め旅に出たアマガエルのソクラテスとロベルトは、理想的な国「ナパージュ」に辿り着く。そこでは心優しいツチガエルたちが、奇妙な戒律を守って暮らしていた。だがある日、平穏な国を揺るがす大事件が起こる――。著者自らが「私の最高傑作」と断言。大衆社会の本質を衝いた、G・オーウェル以来の寓話的「警世の書」。

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりの百田尚樹さん。
    帯にご自身の最高傑作とあったので読んでみました。
    百田さんの強いメッセージの込められた風刺的な寓話。

    「あとどれだけ会議するかを決める会議をしよう」
    ナパージュ国のカエルたちが滑稽に思えてしまう。
    それと同時に、一つの考えに妄信的になる怖さも感じました。

    良くも悪くも、あらゆる意味で島国であるニッポン。
    自分の暮す国を、シニカルな目線で客観的に見せられたようなかんじです。

    内容は極論ではありましたが、
    しっかりと自分の国の将来を考える必要性に、
    一石を投じられたのではと思います。

  • 本書を手に取る前から内容について、うすうす噂に聞いていました。
    それにもかかわらず読後の衝撃に打たれ、日本やばいんじゃないの??と心配になりましたね。
    それからは、新聞の国際面はきちんと目を通そうと、国際情勢を気にするようになりました。

    カエルで擬人化しているので登場人物が何を指しているのか、あらかじめネットで一覧をコピペしておいて、自分でも予想してみながら読んでみました。

    少し明かしてしまうと、『ナパージュ』は日本のこと(JAPANを反対から読む)、『ツチガエル』は日本人、『ハンドレッド』はこの本の著者、百田尚樹さん。
    ハンドレッドは皮肉屋で好きなキャラでした。
    けっこう著名な方々が風刺されています。
    過去の発言から登場させたのだろうから、なにげに誰のことなのか予想できます。

    心優しきツチガエルたちは、あきれるほどにお人よしの平和ボケ。それって私たち日本人そのまんま。

    同じカエル同士だから襲われることは絶対にない。
    ナバージュには『三戒』があるから戦争は絶対に起こらない。
    スチームボードが居座っているから、この国は安全だ。

    戦後70年以上をも過ぎてしまっているのだから、絶対にないとは言い切れない。
    変遷を自覚しなくてはならない。
    いつまでもアメリカ頼みではナパージュの結末と同じくなってしまいます。
    いつまでも楽園に住んでいたいですよね。

  • 日々周りの環境に危ぶまれながら生きるアマガエルのソクラテスとロベルト。
    たどり着いたナパージュという平和で争いもなく、他の動物に襲われない国。このナパージュが現在の日本を恐ろしいほどリアルに表現していた。そこに住むツチガエルたちは三戒と呼ばれる絶対平和主義の考え方であるルールに従い、自分たちの過去の過ちを贖い、生活をしている。そのナパージュを守っているのは実は三戒ではなく、スチームボートと言われる鳥であった。この鳥は日本を守るアメリカの立ち位置を表現している。
    このスチームボートがいなくなった途端、ナパージュはウシガエル(朝鮮や中国、韓国などを表す)の被害に苦しみ始める。そんな中でさえ、三戒を守るカエルたちの洗脳とも言えるほど武力を持たない考えを貫き通した結果、ナパージュはウシガエルに侵食され、ツチガエルたちは捕虜にされた。自分たちが今置かれている状況がいかに危機的状況なのか、そして問題とされている憲法9条の真相、表面的なメディアに簡単に騙されてはいけないと思った。

  • 最近、保守系のネットニュースを視聴しており、その番組のコメンテーターでもある筆者の本作品名をたびたび耳にするので読んでみた。中身についてはSNSで見聞きしていたので予想はついたが、いろんな意味で笑える(嘲笑ではなく)小説だった。

    アマガエルの二匹の目を通して「ナパージュ」という国を客観的に見ているが、確かに外から見るとかなり異質の国に見える。国民にとっては「当たり前」のことでも、国外から見るとそうでもない。その「当たり前」に感銘を受けることもあるだろう、ソクラテスたちのように。けれども平和に関して言えば、ナパージュの「当たり前」は奇妙極まりない。そこには統治者による教育があり、その思想を踏襲する扇動者による歪んだ報道がある。

    この内容を受けて賛否両論が巻き起こるのは当然だよなあ、と思う。特定の組織、特定の人物を連想させる言動の数々がいかにもそれらしいので私は笑えてしまったが。「平和」とは何なのか。その定義も時代と共に移り変わるように思う。憲法九条はそのための指針であって経典ではないよね。そもそも神道に聖典や経典なんて無関係だし。

    改憲反対派の主義主張を聞いてると、逆に戦争に憑りつかれてるように思えるのだが。ミステリではないが、ある角度から見れば恐ろしさが垣間見える、そんなお話でした。

  • カエルの国を舞台に憲法9条・平和ボケの日本を諷刺した作品。
    楽園ナパージュとはNAPAJ=JAPAN
    面白かった。
    非常に考えさせられる作品。
    (図書館)

  • 過去の話でもなく、これはこの国の未来。今、ソクラテスのように客観的に見ておかしいと思う私が居て、行動もせずただ傍観するだけの私が居る。ナパージュの行く末が気になり過ぎて一気に読み終えた。物語には終わりがあるから良い。戦争をしない法律。他国に守られているのか支配されているのか。領土問題。風刺とか教訓とかいってる場合ではなく、国は滅ぶべくして滅ぶ。私には未来に対する責任が無さ過ぎる。考えてもどうにもならないから考える事を放棄してしまう。もう滅べよ。物語、キャラクターとしてだと、ハンニバルたちが熱い、報われない、切ない。スチームボートも好き。ハンドレッドも好き。デイブレイクとガルディアンが生きているという事実がとても現実。

  • 日本のイフを見た感じでゾッとした。客観的に見れば異変に簡単に気づけるものが中に入るとわからない。メディアに踊らされず、大丈夫だろうを論理的確率論で判断する必要がある。

  • 百田氏の主張をそのままカエルの国の話に投影した物語。しかし、メタ化するわけでもなく、遠回しの比喩ではなく、比喩が直接すぎるねー

    以下、推測
    ナパージュ国 日本
    デイブレイク 朝日新聞
    ガルデイアン 毎日新聞
    プロメテウス 産経新聞
    ハンニバル三兄弟 自衛隊の陸海空
    ウシガエル 中国
    スチームボート アメリカ
    ハンドレッド 百田氏

    実のところはデイブレイクもガルデイアンもそこまで馬鹿ではなく、追い込まれたら三戒破るでしょ。なぜ彼等が頑なまでに守ろうとしているのかを描いて欲しかったし、それがないと腹落ちがしない。結論ありきて無理くりすぎるのかな。

    戦艦いぶきに近いものを感じるが、こちらは結論(主張)ありきのストーリーのように思えた。

  • 読み終わって恐怖を感じた。
    日本にそのまま当てはまるのと、
    メディア(マイクとデイブレイク)
    を使った国会やナパージュの現状の
    ねじ曲がった伝えかた、
    日本に対する「戦うこと」に対する洗脳。

    わたしもきっと、ローラのような女の子なんだろうなーと思いながら読んで居たものだから最後の最後ですごくショックだった。
    最後の占拠された描写については
    最悪の状況、ということなのかとは思ったが
    十分あり得ることだと思った。
    戦争をして、負ける者、勝つ者があるということは
    上下の関係が生じることだと思うから。
    母に先日「日本がなくなっても別にいい」と言われた。
    その無くした国が、果たして自分たちが築き上げた国と同じような国づくりをするだろうか?
    現状の延長線上で得するのは一体誰なのか。

    話は変わるけど、殿堂入りしていることが
    ちょっとホッとしていたりする。
    これが出版されなかったり、
    駄作だと言われることが
    本当に危険な状況だと思うから。

    必ずこうなるとは限らないけれど
    可能性の一つとして
    読んでおいても損はないのかもしれない。
    信じているのを決めている人には
    勧めづらいけどね…

    百田さんの小説がすごく囃し立てられた後に
    ガクッとメディアが叩き始めた裏側ってこれなのかな。
    よく書ききったなぁ、出版したのもすごい。
    そりゃ、ウシガエル側たちに嫌われる訳ですね

  • 図書館で借りた本。アマガエルのソクラテスとロベルトが安住の地を求めて辿り着いたナパージュという土地。そこはツチガエルが住み争いがない素晴らしい土地だったのだが、ある日ウシガエルが接近してくる。ツチガエル達は土地を守る為に取った行動は…?という童話だが、胸糞悪い展開・先も見通せる話なので面白さは無かったな。

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著者プロフィール

百田 尚樹(ひゃくた なおき)
1956年生まれ、大阪府出身の放送作家・小説家。『探偵!ナイトスクープ』の放送作家として活躍。
50歳の時にはじめて執筆した『永遠の0(ゼロ)』で作家デビュー。ヒット作となり、映画化されている。
ボクシング青春小説『ボックス!』が第30回吉川英治文学新人賞候補、第6回本屋大賞の5位に選出され、映画化もされた。『海賊とよばれた男』で2013年本屋大賞大賞受賞。コミック化、映画化された。

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