かぜまち美術館の謎便り

  • 新潮社 (2014年11月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784103368311

感想・レビュー・書評

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  • 香瀬町に越してきたかえでとパパ。ママは頭の中でよく会話しているんだけれど・・?
    香瀬町の保育園に勤務するカヲリ。父サブローと二人暮らし。母が亡くなり、兄のヒカリも不慮の事故で亡くなる。そんなヒカリから届いた謎の手紙。ヒカリが生きている内に出したもの?ヒカリを追ってたどり着いた結果があれやこれやと結びつく。

    最後はなんだかほろ苦い終わり方。カヲリにとって、これでよかったのかな。

  • 絵画の解釈なんて、
    そんな小難しい事には縁がないけれど、
    自由に感じていいんだな、
    とちょっと高尚な気分になりつつ、
    小さな謎解きが展開されていく、
    の通奏低音として何やら大きな謎と恋模様が。

    5歳のかえでちゃんとパパのほのぼのでソフトな展開なのに、謎も気になる。
    上手いな、と思わせてくれる作品でした。

    絵に関わる仕事がしたいかな、
    なんて言い出した高校生の娘の参考になるかと思って美術館やら学芸員が出てくる本が目に止まる様になって出会った本。
    娘が想像してるのは多分こんなんじゃないけど、
    お陰様で楽しい時間を過ごせた母でした。
    ありがとね。
    この後、原田マハさんに手を出そうと計画中。
    他にもお勧めあったら教えて。

  • 棚差しで目が合った本。
    あらすじを見る限り、ミステリぽい? と、思ったので、最後まで読了できなかったらできなくていいや、と、いう気持ちで借りた。

    そういうわけで、初読の作家さんやと思ってたけど、違うかった…(笑)。
    先日、どこかのアンソロジーで読んだ。
    さらに、「読んでみたい作家」としてリストインしてた。(笑)

    と、いうわけで、やっぱり気になる本および作家は結局何らかの形で読む機会に恵まれるよね、などと思いつつ挑んだわけやけど…

    なんちゅうか…(笑)

    世界観になじむまでにはわりとかかった。

    正直、かえでちゃんの絵本的ハートウォーミングエッセンスは必要なのか? 大人だけの話でよくないか? と、思ったけど、あのハートウォーミングがキモ(のひとつ)でもあるんやからそれはいうたらあかんやろう。あかん。
    なんちゅうか、ポケモンにおけるサトシのピカチュウはいらんくね? ていうのと同じくらいアカン気がする(そこまで?)

    ゆるゆるふわふわの話が続くのかと思いきや、わり根っこの部分が黒すぎてそのあたりの落差にも戸惑った。
    むしろこっちのほうが主流で、かえでちゃんのハートウォーミングで中和しようというあたりに面白さがあるんやろう(と、いうことに気付いたのが二章くらい読了したあとやった)。

    その象徴がオチやったかもしれん。
    わたしはてっきり、カホリさんと佐久間氏がそういう仲になっていくんやろな…と、思ってたら

    オカン、存命やったんかい(笑)!

    いや、よかったね。ていうか、かえでちゃんがお空にお話ししてたのってファンタジーちゃうかったんや。
    何ってかえでちゃんが一番リアリティのカタマリなんかもしれへんな(笑)。

    視点が変わるのも読んでてひっかかりもないし、わかりやすくてよかった。
    もう著者の長編はいいかな、と、思ったけど、最後まで読んでみて、もう一冊くらい読んでもいいかな…、と、思った。

    著者のハートウォーミングで中和しないゴリゴリのリアリティ小説も読んでみたい気がする。

  • 香瀬町で生まれ育ち、町の保育園で働きながら父と2人で暮らすカホリ。
    そんな彼女の家の隣に、町の外から父と娘が越してきました。
    町の美術館の館長として赴任してきた佐久間と、彼の5歳の娘・かえで。
    ふんわりとした独特の雰囲気をまとった親子が、18年前に香瀬町で起こった不可解な出来事の謎をほどいていきます。

    今回は絵画の解体がテーマです。
    18年前に謎の死を遂げたカホリの兄は、有名な絵画を下敷きに香瀬町の風景や人々を描いていました。
    兄の絵と芸術家の絵、両方の作品の解体は、やがて隠された過去の真実にたどり着きます。

    すべての謎が解けたとき、明るみに出た真実の不愉快さにお腹のあたりがもやもや。
    でも、切ない気持ちを清い風がさらっていくようなエピローグがすてきで、明るい気持ちで読了しました。
    また、さまざまな芸術家の作品の解体により、作品を観る角度が変わるおもしろさも本作の魅力です。
    特にシャガールの解体が新鮮でした。

    著者が描くちびっこが、とてもかわいらしいです。
    今後の成長が楽しみな女の子だな~。

  • 2015年2月23日読了。
    第一話だけ読むと「ん?」と肩すかしを食らう感じだけれども、一冊全体としての完成度が良かった。
    森晶麿先生はおそらく、モテる文系男子だったんだろうな、と著書を読み続けていくうちに思うようになったり・・・(笑)

  • かぜまちの18年前の事件を、カリスマ学芸員の佐久間と保育士のカホリがひも解く美術ミステリ。絵画への様々な解釈を用いて、人々の中にある心の中の氷を溶かしていく。その様子は、かぜまちの自然豊かで長閑な雰囲気とが重なって、心温まります。それは氷が解けたところに心地よい風がそよそよと流れていく様です。次々と起こる出来事に18年前の真相へ近づいていく。田舎の閉鎖的な部分はあるのだろうけれど、私もかぜまちに住みたくなりました。
    この作家さんの作品には恋愛要素も多く、今回も胸キュンになりながら読みましたが、エピローグを読み、やはりそうなのかとちょっとがっくりしました。もしや佐久間は面倒な男なんじゃ....と思いました(笑)

  • 《絵画は暗号ではありません。だから、誤解されることはそれほど問題ではないのです。》p.48
    〔Ⅰ〕十八年前に亡くなった兄ヒカリが描いた絵と、その数日前、配達されるはずの郵便物とともに「ミツバチ」と呼ばれていた郵便配達員が消失したことは何か関係があるのか?
    〔Ⅱ〕ヒカリの妹カホリは隣家に引っ越してきたかぜまち美術館館長の佐久間と天真爛漫なその娘かえでとの交流の中で兄の絵の謎が解き明かされていくのを見る。
    〔Ⅲ〕ミステリ好きな人、絵画が好きな人、よりは四歳くらいの幼児が好きな人(言葉にすると今では変な人っぽく感じるがそうではなく単純にほのぼのと好きな人)向きかもねと思う。

    ■かぜまちについての簡単な単語集

    【あくび】ギンブナのこと。
    【宇野カホリ】→カホリ
    【円環】《円環って不思議なもので、見た人の心に残るんですよね》p.209
    【園長】かえでの通う「かぜまち保育園」の園長。サブローさんの妹のようだ。ということはカホリの叔母か。
    【かえで】四歳。
    【風見耕一】右頬にホクロのある剣道マン。中学生のとき奈緒美を救ったことがあるらしいがなぜかその後関係がよくないようだ。
    【風車】この町の象徴とも言える。サブローさんが一手に作っている。
    【加瀬町/かぜまち】舞台となる地。少しずつさびれている。
    【かぜまち保育園】かえでが通っている。カホリが保母をしている。
    【カホリ】サブローさんの娘。佐久間を男性として意識しているようなフシがある。
    【佐久間】かえでのパパ。カリスマ学芸員だったが「かぜまち美術館」の館長してこの地に招聘されなぜかそれを受けた。
    【サブロー】かえでとパパのお隣さん。風車職人。娘のカホリとともに暮らしている。
    【十八年前】ヒカリが亡くなり、「ミツバチ」と呼ばれていた郵便配達員がたくさんの郵便物とともに行方不明になった。
    【トーキョー悪魔】十八年前の夏休み前に引っ越してきて夏の間に引っ越していった転校生。
    【奈緒美】浅香奈緒美。「あさか屋」という駄菓子屋をやっている。かえでは「大好き屋」と名づけた。
    【橋本】郵便局長。痩せた老人。きまじめな感じ。
    【パパ】→佐久間
    【ヒカリ】サブローの息子、カホリの兄。絵が得意だった。十八年前亡くなった。
    【風景】《たしかに、昔ながらの風景は残されていますが、そこからは意味が失われていないでしょうか》p.135
    【兵太】警官。カホリの幼なじみ。
    【町の人】《本当は町の人なんかどこにもいないのかもしれないよ》p.234
    【マトくん】池内マナトだが自分で「マトくん」と呼んでるのでみんなもそう呼んでる。かえでと同じ保育園に通っている。バスが大好きなのに自分の家は保育園の前でバスに乗れないのが不満。そのせいかみんなに「嫌い」を連発するが数秒しか持続しない。
    【ママ】かえでのママ。昆虫が好きらしい。
    【ママバス】町営バスのこと。かえでのママと同じように気まぐれだから。
    【ミツバチ】十八年前にその日配達する予定だったすべての郵便物とともに消えた。子どもたちの「アニキ」的人物で人気があったようだが、裏の顔があった?

  • 面白かったです。絵画に対する知識が何もない私でも絵から読み解くことの楽しさを発見することができました。最後はそーきたかー!と思わず本に向かって叫んじゃいました。

  • 図書館でたまたま手に取った。
    初めて読む作家さん。
    後半になるにつれ、おもしろかった。

    ゆったりと時間が流れる中で、1話1話プチトラブルを謎解き、解決していくのかと思いきや、殺人事件の解決まで。
    きな臭くなってきたころから、それでそれで?と読む手が止まらなくなった。

    少しずつ登場人物が増えていくので、読みやすく。
    田舎特有の閉塞感や、悠久さが感じられた。

    絵画についての解釈もとても興味深かった。
    こういう視点で絵画鑑賞できたらもっともっと美術館が楽しいだろうな。参考文献の本などを読んでみてもおもしろいかも。

    かえでちゃんがとてもかわいい。
    自由な発想、子供の目線、いいね。
    視点が変われば、世界が変わる。

    エピローグにはがっかり。
    そっかー。カオリは知ってたかー。
    淡い恋心を、私が抱いていた!

    ピカソ/母の肖像、パイプを持つ少年
    シャガール/私と村
    ミレー/種をまく人
    ゴッホ/種をまく人
    マティス/ダンス
    セザンヌ/大水浴図、リンゴの籠のある静物
    ゴーギャン/我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか

  • 母に勧められた本。
    ミステリーだけど、どこか幻想的なストーリー。
    1〜5話まで一つずつ謎が解き明かされるけど、憶測の域を出ないような感じでモヤモヤ…。6話(最終話)で全ての謎が一気に繋がって、スッキリ。
    ゴッホやシャガールなどの絵画が謎解きの鍵になっているので、絵画の知識があればもっと楽しめたかも。
    ただ、エピローグだけはちょっと裏切られた感じ。知らなかったのは読者だけで、当人同士は最初から知ってたようだから、ストーリー上決して裏切りではないけど。6話のラストでほわっとした気持ちにショックを与えられたような気持ちになりました。

  • 軽くて
    飄々としていて
    まあ押さえるところはあって
    面白かったです

  • 図書館でふと手にとった一冊。
    絵に詳しくないので、あんまり楽しめなかったな。
    読むのにすごく時間がかかってしまった。

    カホリ先生と佐久間さんが良い雰囲気だなぁって思ってたら、まさかの奥さん登場!
    てっきり亡くなってると思ったのに…。


    ***
    18年前に死んだはずの画家から届いた絵葉書が封印された町の過去を解き明かす―イクメンでカリスマ学芸員のパパと保育園児のかえでちゃん。寂れゆく町に引っ越してきた、オアシスのような父娘コンビが、ピカソ、マティス、ゴーギャン、シャガールらの名画解釈をもとに、夭折の天才画家が絵に込めた想いを読み解き、その最期の真相に迫る!

  • 美術を巻き込んだ新しいミステリー。
    どんどん先が気になり読み進めてしまった。他の本も読んでみたいと思った。

  • カリスマ学芸員のパパと保育園児のかえでちゃんの会話が何とも不思議で楽しい。
    大人目線だけでなく子供目線が大切に扱われていて、いろんな視点を大切にできる感じが素敵。
    ピカソ、マティス、ゴーギャン、シャガールらの名画解釈と若くして亡くなった画家の思いの融合が面白く、久々美術館に足を運びたくなった。

  • 18年前に死んだ画家から遅れて届いた絵葉書が謎解きになっているなんて。
    その絵葉書も見たくなるような展開だった。
    こういうことが伝えたかったんじゃないの? と解説してくれる人がいないと???だよなぁ。
    言葉で伝えるだけでなく、絵で伝えられるって素敵。

  • <かぜまち美術館>の館長として赴任してきた父・佐久間と、保育園児の娘・かえで。
    そのころ香瀬町では、十八年前に亡くなったはずの画家から絵葉書が届く、不可思議な出来事が起きていた。その画家は、かえでが通う保育園の先生・カホリの兄であるヒカリらしく……。
    香瀬町の過去が見え隠れするミステリー。

    文章は非常に軽く、内容も割とあっさり。
    絵画解釈は面白いけど、もとの絵を知らないとピンとこないのでネットで検索しつつ。
    後半になって核心に迫っていく盛り上がりは面白かったけど、前半はそこまで興味を引かれなかったのが残念。

  • 図書館。
    これも気になっていた作品。
    かえでとカホリとヒカリ
    作品のない美術館の館長
    絵がわからないので、絵の
    見方の解説がたいへん興味深い。
    読後感のいい作品だった--
    はずなのに、
    最後………XXじゃないのかよ。

  • 18年前に死んだはずの画家から届いた絵葉書が封印された町の過去を解き明かす―
    イクメンでカリスマ学芸員のパパと保育園児のかえでちゃん。
    寂れゆく町に引っ越してきた、オアシスのような父娘コンビが、ピカソ、マティス、ゴーギャン、シャガールらの名画解釈をもとに、夭折の天才画家が絵に込めた想いを読み解き、その最期の真相に迫る!

  • 予想外のラストでした

  • さらさらさらっと読了。
    アートからみのミステリー。
    解釈が色々出てきて面白かった。
    少し設定に無理を感じてしまう、、、。

    2014年 新潮社

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著者プロフィール

1979年、静岡県浜松市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。日本大学大学院芸術学研究科博士前期課程修了。ライターとして漫画脚本などを手掛けながら小説の執筆活動を続け、『黒猫の遊歩あるいは美学講義』で第1回アガサ・クリスティー賞を受賞(早川書房刊)。同作は続刊も刊行され、「黒猫シリーズ」として人気を博している。ほか、『名無しの蝶は、まだ酔わない』(角川書店)の「花酔いロジックシリーズ」、『ホテル・モーリス』(講談社)、『偽恋愛小説家』(朝日新聞出版)、『かぜまち美術館の謎便り』(新潮社)などがある。

「2021年 『使徒の聖域』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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