不村家奇譚 ある憑きもの一族の年代記

  • 新潮社 (2021年11月30日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784103380139

作品紹介・あらすじ

一族に受け継がれる怪異の血脈。それは、忌むべき業か、或いは神が与えし恩寵か。血と畏れが織りなす、類稀なる因果律を見よ。自らを水憑きと称する不村家。その繁栄の影には「一族に仇なすものを赦さない」とされる怪異・あわこさまが蠢いていた。異形の奉公人たち、狗神遣いの少女、生首で生き存える双子の姉妹――。昭和、平成、そして現代を貫く一族の悲劇は、やがて思いもよらぬ結末を迎え……。唯一無二の筆致で描く、戦慄のホラーミステリ。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

一族に受け継がれる怪異の血脈を描いた物語は、異形の奉公人たちが織りなす不村家の歴史を通じて、独特の魅力を放っています。年代記形式で語られるこの作品は、柔らかな語り口調ながらも、異様さやグロテスクさが交...

感想・レビュー・書評

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  • どんどんひきこまれた、一冊。

    読み終えて、あぁ、こういうの好きだわと思った。異形の奉公人たちしかいない一族、不村家。

    年代記形式で綴られる一族の歴史は「さんざしの犬」の柔らかな語り口調からどんどんひきこまれた。

    そこかしこに醸し出される異様さはちょっとグロテスクで、でもどこか耽美な雰囲気が漂う感じが好き。

    ぴちっ…ぴしゃ…年代を追っていくに連れて明かされていく一族の謎、それぞれの悲劇もちょっとせつなさありで読み応えあり。

    ほんとうにこういう一族がいたのかもしれない…なんて、つい妄想してしまう読後感も好き。

  • 不気味でしたが、代々つながっている物語は、ひょっとしたら、現代にもつながっているかもしれないと思いました。

    もし、存在するとしたら、どうなるのかなと、少しワクワクしてしまいました。


  • 東北の山奥で古から脈々と続く
    奇怪な一族の過去から現代までを綴る。

    受け継がれる奇異な能力と異形の躰は、
    先代からの積み重なる業か、それとも
    神との契りなのか想像を掻き立てられます。

    背筋をゾワッとさせる怪奇なホラーであって、
    謎を秘めたミステリーでもあるところも魅力。

    視えないけれど、異界が薄い膜の向こう側に
    存在するような気配を感じる物語でした。


  • 『不村家』という、代々憑き物と共に生きる一族の物語。語り手は奉公人、奉公人の異形ではなかった子供。不村家の姉弟など。
    昭和後半から最近の時代の日本の話なのに、どこか異世界めいた、ここではないどこかの国の話を聞いているようで不思議な世界観がよかった。
    恩田陸さんの『夜果つるところ』がよかった人はこちらもおすすめだと思います。

  • 水憑きの一族と名乗り、あわこ様と呼ばれる何かと共に生きる不村家の人々の物語。
    物語の語り手は何代も変わっているのに、ずっとどこか仄暗く、閉塞感や寂しさが共通して描かれているように思いました。唯一、奉公人だった千宇が語り手だった時だけ、少し明るさを感じられました。

    あわこ様、由来は仕方ないとしても、恐ろしいです。最後の章を読んで、この先の展開を思い、ゾッとしました。自分が不村家の一員で、舞台が現代なら、同じ事やってしまいそう。

    背筋が凍るような怖さのあるホラーではないけど、実際自分の身に降りかかったら嫌だな、辛いなという種類の怖さでした。

  • 一族に受け継がれる怪異の血脈。それは忌むべき業か、或いは髪が与えし恩寵か…
    物語は昭和から現代までが描かれていて、ジャパニーズホラー特有のざわざわ感だけではなく切ない恋もある悲劇の物語でもあります。

  • 憑き物って、最近のアニメやらまんがの影響で、守り神のイメージだったけど、本来は恐ろしいものなんだろうね。脈々と引き継がれる業が、とても悲しく、救いようがなかった。

  • ホラーなんだけど悲しい話だった。
    最初の話は少し古い時代の不村家。この頃は時代もあって受け入れていくしかなかったんだな。不平等さを当たり前に皆飲み込んで生きている。

    現代になればなるほど周囲の理解とドライさが明るくもその中で個の意思を通せない悲痛さも感じた。

    あとやはり木村さんは大狐…うーん。木村と不村。

  • 最初は読みにくいなーと思ってたけど、読んでいくにつれ面白くなった。
    過去から現在に順を追ってストーリーは進んでいくが、登場人物はそれぞれ別で違う視点から見た時の話。

    木村家が1番謎だった。

  • 期待せず読んだら、予想外に面白かった。ホラーというより年代記みたい。
    遠野物語、常野物語、百鬼夜行抄のような、民俗学テイストな和製ファンタジー感覚で読める。
    詠子の少女時代の話が特に良かった。愛くんはあしながおじさんだったか!

  • 自らを水憑きと称する不村家一族の年代記。
    異形の奉公人たちがいる東北の山奥の旧家という舞台で始まる連作短編集で、前半はノスタルジックでもの悲しい雰囲気だが、現代に近づき「あわこさま」の正体が明らかになってくるにつれて不気味さが立ち上る。憑き物は呪いか恩寵か。ラストだけは雑な気がしたが、読みごたえあるホラーだった。木村家が謎。

  • 木村が一番謎。

  • めちゃくちゃ怖かった。

    章ごとに主人公が変わっていくので不村家のことを多面的に見られるところがすごく良かった。

    木村家と不村家の関係、木という漢字が頭を失ったのが不という漢字、ヤマモモの話、不村家が鴉なら狐は誰だったのか?など
    読み損ねている部分もあるかと思いますが勝手に推察したり、妄想できる余白があるように感じられそこも好きだと思いました。

  • 水子の憑き物一族の物語
    五世代に渡る物語は面白かったし、縛られる一族と関わる者たちには切なく哀しい物語。

  • 何かでおすすめされていた本。

    ホラーなんだけど民俗学的でホラーメインというより、お屋敷が燃えたあと、不村家の人々がどう生きていったかを辿るまさに年代記な感じ。

    いきなり同性愛的展開になって驚いたが、最後の奥方は人工授精もしくは代理母から産まれた奈央と義足の娘だろうか?

    最後のページでもいいから、家系図があるとよかったな。

  • 面白かった

  • 日本の憑物筋の一家の奇妙な歴史を年代記形式で辿っていくストーリー。ゴシックホラー/ゴシックロマンス的な耽美な表現と日本の「家」の陰鬱さが共鳴して独特な雰囲気を作り出している。
    怖がらせるホラーって感じではないが、日本の怪談の物悲しさが本作品にも流れている。

  • ジャンルはホラーミステリーとなっているが、私的には純然たる恋愛小説のように思えた。
    大変素晴らしいです。

    全ての話の根に誰かへの愛があって、それがどこまでも真っ直ぐでたまらなく胸が苦しくなった。こういう話大好き。
    菊太郎さんと久緒さんに関する話が一番刺さって好きでしたが、奈央さんと善足さんの平行線で決して交わらないのだろうなという話も大変良かったです。
    あと謎しかない木村さん、いいぞ。
    紙で読んだけど電子でも買う、そう心に決めました。

    ホラー感は全然ないので、怖いの苦手な人でも全く問題なく読めるように思えます。
    湿度のある一途な恋愛話が好きな人にはぜひ読んでみてほしいです。

  • 不村と木村の関係が一番謎。
    耽美なホラーが好きな人におすすめ

  • 憑きもの筋の不村家を描いた物語。世代を変えながら語られていく中で、家に棲む「あわこさま」の正体も徐々に明かされていく。昔話に秘められた事実や「跡を継いでいく」重みなど、日本らしさが全開で、最終話はやや物足りなかったもののなかなか読み応えがあった。年代記なので当然登場人物たちも年をとり、その老いも含めて人の醜い面に心苦しさを覚えた。
    骨太の年代記に比べると幾分薄さや軽さを感じなくもないが、このページ数を考えれば十分に濃いのではないかと思う。

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