- Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103391517
作品紹介・あらすじ
犯人はまさか、あの人!? 常識破りの結末に絶句する「探偵のいない」本格ミステリ! 四方を山と海に囲まれ、因習が残る霧ヶ町で次々と発生する奇妙な殺人事件。その謎に挑む高校生の俺は、寺の離れで何でも屋を営む人畜無害な叔父さんに相談する。毎度名推理を働かせ、穏やかに真相を解き明かす叔父さんが最後に口にする「ありえない」犯人とは! 本格ミステリ界の奇才が放つ抱腹と脱力の連作集。
感想・レビュー・書評
-
天然なのか確信犯なのか。優しいのか残酷なのか。いずれにしてもタイトルに偽りなし、「あぶない叔父さん」である。
そして彼を慕う甥も「あぶない甥」。
二人のやり取りは表面通り受け取っていいものか、それとも二人とも確信犯で茶番を演じているのか。
その辺もいろいろ妄想するのも楽しい。
それもまた麻耶さんらしいということか。
恰好はあの超有名な名探偵だが、彼もまた推理はしない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
はい、久々の麻耶さん。
普通のミステリーではないと期待していましたが、やっぱり普通じゃなかった。
突っ込みどころ…ではなく、突っ込み待ちが多すぎる。笑
叔父さん、アウトでしょ。
可愛い、ドジ、運が悪い、では絶対済まされないでしょ。
まぁ麻耶さんファンなのでたくさんニヤニヤさせてもらいました。
この人の「探偵」と言えるかどうかギリギリのラインを狙うところ、本当に面白い。
けどそろそろ長編が読みたいです。 -
主人公は寺の次男の高校生。
離れに住む何でも屋の叔父さんを慕っている。
町で起きた殺人事件について叔父さんに聞いてみたら、
叔父さんから語られる真相とは・・・っていう話。
この叔父さん、すごくギリギリ。
その行為は、セーフなのかアウトなのか・・。
ここを考えていくとどこまでもハマりそうなので考えないことにする。
一話目では何も感じなかったけど、二話目で主人公が
叔父さんは優しいから・・みたいなことを言った時に
怖っ!ってなる本です。 -
古書店にて1000円を切っていたため購入。帯には〈探偵のいない本格ミステリ〉の文字が。唯一叔父さんが推理を披露する「最後の海」を除いて凡ての話が同じ真犯人という、確かに〈抱腹と脱力の問題作〉ではある。観測効果の極北と言えなくもない。主人公や叔父さんの悪意のなさには底冷えすら感じるが、この点は作者の〈常態〉を知っているからであって、それを知らない初見の読者はそのまま人の好さとして受け取ってしまうのだろうか。むしろそれが怖い。趣向は異なるが同じく高校生が主人公の前作『化石少女』と比べてみるのも一興か。
-
題名の意味がものすごくよくわかる…
いいのか、本当にそれでいいのか、のオンパレード。
表紙と描写で、叔父さんは某名探偵とそっくりです。
見た目は。
その実…
いや、まあ、真相はわかってるんですよね。
それでいいのか、本当に… -
叔父さんと甥っ子の会話が怖い。
最終話、叔父さんが止めようとしたせいで甥っ子が落ちてしまって、あの2人もおんなじだったんだなって思って終わる、とかじゃベタすぎかな。
死にかけてるところに、ズルはいけないことだよ…のセリフとか。
出来れば一冊でキレイにブラックにまとめて欲しかった。甥っ子の日常の悩みは何も解決してないし、続きそうな終わり方が微妙。 -
ラストの書き下ろしで、全体が一つになるというワケで(ここで止めないと内容に触れて)