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Amazon.co.jp ・本 (432ページ) / ISBN・EAN: 9784103395331
作品紹介・あらすじ
より多くの金をつかんだ者が京都を制する――最後に嗤うのは仏か鬼か。日本仏教の最大宗派・燈念寺派で弱者の救済を志す若き僧侶・志方凌玄。バブル期の京都を支配していたのは、暴力団、フィクサー、財界重鎮に市役所職員……古都の金脈に群がる魑魅魍魎だった。腐敗した燈念寺派を正道に戻すため、あえて悪に身を投じる凌玄だが、金にまみれた求道の果てに待っていたのは――。圧巻の社会派巨編。
みんなの感想まとめ
テーマは、バブル期の京都における仏教界の腐敗と、それに立ち向かう若き僧侶の苦悩です。主人公の凌玄は、弱者救済を志しながらも、金にまみれた世界に身を投じる姿が描かれています。物語には、仁義なき権力争いや...
感想・レビュー・書評
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★5 人を救うためのお坊さんが京都の支配者として暗躍する… 煩悩丸出しの社会派犯罪小説 #虚の伽藍
■あらすじ
寺格の低い生まれの凌玄は燈念寺派の僧侶、大学で宗教学を学んだあと宗務を司っていた。ある日、内部の不正行為らしき事案に気づくも、上司から圧力をかけられてしまうことに。
困り果てた彼に、謎めいた人物和久良が近づいてくる。どうやら和久良は事情を知っているらしい。仏教の正しい教えを実現するため、悪の人脈を広げていく凌玄であったが…
■きっと読みたくなるレビュー
お寺さんの物語です。ありがたーいお話… などでは全くなく、中身はアウトレイジ、半沢直樹、白い巨塔。業と欲にまみれるゴリゴリの犯罪小説です。
時は90年代のバブル期、京都を舞台にした不動産をはじめとした金脈の奪い合い。登場人物はフィクサー、暴力団、政財界のドン、役所職員など極悪メンバーで、もちろん敵側も同じような輩たち。お坊さんが主人公にも関わらず、いつもギリギリの駆け引きや殺るか殺られるかの殺伐としたシーンばかりなんです。
え、宗教って人を救うもんじゃないの? まさしくその通りで主人公の凌玄も誰よりも強い志をもっている。それなのに何故こんなことになってしまうのか…
物語としては次々と強敵が現れ、様々な謀略を繰り広げられる。時には防御、時には攻撃と煩悩丸出しで戦っていくのですが、これが面白いのなんのって! ドエンタメに展開されるお話は読む手を止めてくれません。終盤なんて、もろに白い巨塔で鬼アツ展開ですよ。
しかしどんな策略に対しても、お坊さんならではお説教による解釈が挟まれるところが興味深く、物は言いようだなとあきれるばかり。でも説得力があるんすよ、どんな世界でも賢明な人間が生き残っていくんすね。
またキャラクターがそれらしくっていいんですよ、ぜひ映像化を期待しちゃいます!主人公の凌玄はもちろん、インテリヤクザの氷室、フィクサーの和久良、親友の海照、女性陣の美緒と佐登子。この辺りは芝居のやり甲斐がある役どころですよね。表の顔と裏の顔、腹の座った迫力のある演技をぜひ観てみたい!
イチ推しは美緒と佐登子の女性二人。可愛らしい女子大生だった二人が年齢を重ね状況が変わっていくうちに、彼女たちも変貌を遂げていく。外面如菩薩内心如夜叉… はー、仏さんの教えは人生勉強になります。
人間の我欲強欲を凄まじく描いた犯罪小説でありながら、平成時代のバブル期の裏社会を描いた社会派小説です。極悪エンタメですが人生勉強になる一冊です、ぜひお時間をとって読んでみて下さい。
■ぜっさん推しポイント
執着ってのは罪深いすね… まさしく仏の教えは正しいすね。
ただまっすぐに正しい道を突き進もうと思っているだけなのに、いつの間にか思惑や行動が歪んでいってしまう。自らも葛藤に苛まれるときもあるけど、仏を心のよりどころにして正当化してしまう。
その結果、多くの屍を越えていくことになるのだが、果たして他人も自分も救うことができたのか… 考えれば考えるほど頭がぐるぐる回ってしまって、何が正しかったのかわからなくなりました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
うーん....私には合わなかったな。
主人公の凌玄の行いにただただ辟易とするばかり。こんな坊さんいるのかな?終わり方は納得。 -
京都の坊さん達が繰り広げる、仁義なきコンクラーベ
最高位を目指すライバル同士の奥さんが、この女狐、なんやとこの仏敵、と罵り合うシーンがありますが、"仏敵"って新鮮!
Kyoto’s monks stage a no-holds-barred conclave.
There’s a scene where the wives of two rival contenders for the top rank hurl barbed insults at each other—“You vixen!”, “What the heck are you?!”, even “You enemy of Buddha!”—and I thought “enemy of Buddha” was so fresh! -
曼荼羅です
曼荼羅ってさ凄いのよ
まぁ、日本人ならどっかで見たことあるよね
仏の悟りの世界を現した絵図、図形のことですよね
あれさ、めっちゃ緻密よね
本作『虚の伽藍』は、月村了衛さんが小説という手法を使って書いた曼荼羅だったのではないかと思うのです
うん、自分でも上手いこと言うてるなーと思う
やるぅー
まぁ、とにかく緻密よ
そんでこれもう確実に浄土真宗本願寺派(作中は「錦応山燈念寺派」ちなみに浄土真宗本願寺派の本山は龍谷山本願寺ね)をモデルにしてると思うんだけど、もうめちゃくちゃ下調べがしっかりしてると思われる
そんでそれがちゃんと物語に厚みを加えていて素晴らしいんだけど
最近マジでそういう厚みのある社会派の小説を書きまくってるのよ月村了衛さん
これってとんでない体力いると思うんよね
大丈夫?
マジで心配
身体壊さないでね
ちょっとマジ異常事態だからね
あ、あとタイトルにもちょっと触れたい
「伽藍」とは寺院の建物群を表す言葉なんだけど、「がらんどう」や「ガランとしている」って表現の語源になった言葉なのね
「虚」ってのは中身がない、空っぽっていう意味なので、『虚の伽藍』は空っぽを重ねているとも言えるタイトルなわけね
もう、空っぽ中の空っぽです
全く中身がありません
つまりそういう物語なんですね
空っぽの物語なのに★5なん?
気になった人は読めばいいがな-
ゴリラ感出しちゃうと仏罰が下るので気を付けて!薬師如来像にガーンてやられるので気を付けて!ゴリラ感出しちゃうと仏罰が下るので気を付けて!薬師如来像にガーンてやられるので気を付けて!2024/11/17 -
ひま師匠
あざーす!
こまめに図書館の新刊情報をチェックしております<(`・ω・´)
予約枠を2つぐらい開けておいて見つけ次第すかさず予約...ひま師匠
あざーす!
こまめに図書館の新刊情報をチェックしております<(`・ω・´)
予約枠を2つぐらい開けておいて見つけ次第すかさず予約してます!2024/11/17 -
2024/11/17
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まるっきり別世界のストーリーだけれど、否応なしにひきこまれてしまいました!
月村了衛さんの最新作は、日本仏教の最大宗派燈念寺派を舞台として、バブル期から現在まで、一僧侶である凌玄を主人公に描いた長編です。凌玄の信念は、「真の仏教を護ること」「仏教で人を救うこと」…。そのためには、燈念寺派を率いる立場にならなくてはならない…と、暴力団やフィクサー、政治家、市役所職員などとの関係を築いていきますが…。
フィクションなのに、あぁ…こういう世界もあるんだ!とか、思っちゃいました。仏教は私にとっては一番身近な宗教…ウチには仏壇があって、地域のお寺の檀家にもなってもいます。そのお坊さんに、説法されるように、悪いことでも訥々と聞かされたら、全てが良いことのように思えちゃいますよね…。凌玄自身も、凌玄の友達だった海照夫婦も結局みんな救われない…けど、ハマりました!!-
これは図書館で予約待ちです!
もう少ししたらまわってくるかな…
((o(´∀`)o))ワクワクこれは図書館で予約待ちです!
もう少ししたらまわってくるかな…
((o(´∀`)o))ワクワク2024/11/21 -
2024/11/22
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月村了衛さんは3作目、描かれた汚辱まみれ世界にうんざりしながらも結局は最後まで持っていかれちゃう。
やはり巧い作家さんなのでしょうね!月村了衛さんは3作目、描かれた汚辱まみれ世界にうんざりしながらも結局は最後まで持っていかれちゃう。
やはり巧い作家さんなのでしょうね!2025/06/17
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4.4
貧しい寺の息子に生まれた凌玄は、日本最大の仏教宗派の本部に就職し、理想を実現するために奮闘して行く。エンタメ小説だが、仏教用語の知識も付く。直木賞候補(2024年下半期)。
社会問題をエンタメ小説として楽しませてくれる作家です。今作も最後までドキドキ感がありましたが、エンディングはタイトルどおり。 -
バブル期の京都を舞台にひとりの若き僧侶が、正義を信念として不正に気づき正そうとしていたが、上の力では適うはずもなく…
手を貸してくれたのがヤクザであったが為に、どう転がったのか次第に利用することにより徐々に力をつけていく。
もはや地位を築く為には生温いことなどやっておれず…といつのまにか悪に塗れきってしまう。
汚れた金がどこから湧いてきてどの場面で使うのか、とまるで政治の裏側を見たくないのに見せられたような嫌な気分になりつつ、見届けたい一心でページを捲る手は止まらない。
暗部を隠しているようでいながら想像できる描写に凄さを感じた。
ここは京都だろう⁇と目を塞ぎたい気持ちにもなる。
変わるのは都だけではなく鬼が棲みついた人なのか…と。
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仏の道で人を救うために偉くなったのに…
結局は自分さえも救えなかった…
スゴイ荘厳なストーリーでしたよね!!仏の道で人を救うために偉くなったのに…
結局は自分さえも救えなかった…
スゴイ荘厳なストーリーでしたよね!!2024/12/01 -
そうなんですよ。
仏の道が、悪の道へと…
人の弱さや脆さをひしひしと感じながらもどうか…真っ当にと願っていましたが…。
凄すぎて言葉も出ませ...そうなんですよ。
仏の道が、悪の道へと…
人の弱さや脆さをひしひしと感じながらもどうか…真っ当にと願っていましたが…。
凄すぎて言葉も出ませんでした。
2024/12/01
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これは、まさにわしの為の小説じゃないか!
ザ・坊さん小説 Ω\ζ°)チーン
日本仏教の最大宗派燈念寺派
その一僧侶である凌玄
弱者の救済を志す若き僧侶だったはずが、、、
どこで道を踏み外したのか?
悪と手を結び、悪に手を染め、悪に身を投じ、清々しいぐらいわるーい坊さんになっていく
だけど、わしは凌玄はんについていこーっと!
これだけ悪に染まった凌玄はんついていったら間違いおまへんがな!
所詮、仏教の世界も権力!
そして、金!金!金!の世界だわ!
んで、いずれは凌玄はんを裏切り蹴落して、一休はんが京都を支配してやる
ひ、ひ、ひ、、、
これこそ御仏の御心にございます
ひ、ひ、ひ、、、
(罰当たりな奴だな、、、)
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2024/12/08
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2024/12/08
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2024/12/08
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おはようございます。
確かに、結末がもの悲しいものがありましたね!
今「欺す衆生」を読んでます(^-^)
ボリュームたっぷりなのに、読...おはようございます。
確かに、結末がもの悲しいものがありましたね!
今「欺す衆生」を読んでます(^-^)
ボリュームたっぷりなのに、読む手が止まりません!
アゲアゲラストに大期待してます♪2025/07/15 -
かなさんありがとうございます!
騙す衆生いいですね(≧∇≦)b
成り上がっていく主人公を追っかけるの楽しい٩(ˊᗜˋ*)وかなさんありがとうございます!
騙す衆生いいですね(≧∇≦)b
成り上がっていく主人公を追っかけるの楽しい٩(ˊᗜˋ*)و2025/07/15 -
すべては虚でしたね。
虚数ワールドなのか?京都は?
言われてみれば、構図は騙すに似てますね!
今気が付きました!あざっす!すべては虚でしたね。
虚数ワールドなのか?京都は?
言われてみれば、構図は騙すに似てますね!
今気が付きました!あざっす!2025/07/19
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読書備忘録888号。
★★★★★。
よう、こないなもん、書きはりますなぁ。
金と利権を巡り、仏教界、ヤクザ、京都市、中央政財界総動員で、京都の闇、仏教界の闇をフィクションで描き切った傑作です!
1Qさんが主役凌玄のモデルだというウワサが絶えない作品でもあり、1Qさん界隈の皆様は必読でしょう。
時は昭和60年、京都の片田舎夜久野の工事現場。小さな仏院が壊されようとしている現場にたまたま居合わせた志方凌玄。包括宗教法人「錦応山燈念寺派」文書部役僧で25歳の新人。
信者は、この仏院は建て直しの契約があったはずだ!と叫ぶが、ヤクザ紛いの工事屋はお構いなしでブルドーザーで取り壊す。
凌玄は滋賀の寂れた寺の跡取り息子。実家の寺にも似たような仏堂があり、末路を重ね合わせる。
そして、職場の書庫を漁り取り壊された仏院にまつわる不動産取引の不正に気付く。
こんな不正は絶対に許されない!止めなあかん!
要らんことすなっ!と激高する文書部部長!
要らんことした凌玄の排除が始まる。
そして京都仏教界の裏を仕切るフィクサー和久良桟人なる御仁が凌玄に接触してくる。
仏の道を信じるが故、道を踏み外していく凌玄・・・。
正しい道に進むためには権力が必要だ!と・・・。
日本がバブルという「虚」の景気にまっしぐらに突き進む時代!
さあ!京都を舞台に、ヤクザによる地上げと再開発の利権!これに強引に仏の道を結び付けた凌玄の権力闘争が幕を切って落とす!
ここからは★所々ネタバレです★
和久良の伝手で扇羽組若頭最上と組み、燈念寺派の邪魔者を排除していく凌玄。
凌玄を罠にはめて排除しようする燈念寺派内部派閥。
扇羽組のブレイン、京大出の氷室が勝利のシナリオを描いていく。
内部派閥を罠に嵌め追い落とし、出世する凌玄。
戦いのディテールは一切割愛!
出世すれば自ずと現れるのが更なる内部の敵!
時は移り昭和63年。バブル!
本作最大の山場!京都駅前再開発事変勃発!(渋谷事変ではない!ここからは時間外労働です!)
東京ヤクザはじめ、敵のボスキャラ級が相次ぎ登場し失脚していく!氷室の戦略がすごい!
凌玄を追い落とそうとする数々の罠!
実弾(金、弾・・・)飛び交う抗争はオイオイ!の一言。
戦いのディテールは一切割愛!
そして完全勝利の末、燈念寺派幹部の統合役員に上り詰める凌玄!まだだ!まだ上がある!
さらに時は流れ、平成12年。
総貫首(燈念寺派トップ)選挙事変勃発!
これまで闇の所業に苦楽を共にしてきた同期海照との一騎打ち!
あらゆる手を使った票集めの戦い。死者累々!オイオイ!怖いぞ婦人会!
戦いのディテールは一切割愛!
凌玄はついに総貫首に。
仏の道に純粋で、胆力が半端なく、運も味方して手に入れたものは?虚。
僧侶の念仏が虚の伽藍に響き渡る・・・。
何処にでも転がっている利権と権力欲。
それを巡る戦いのエンタメ小説。
仏教とヤクザ、そしてサラ金・闇金をも登場させたらオモロくない訳ない!と作者が満を持して世に送り出した作品。
リアリティを出すために、舞台設定には拘り抜いたということみたいです。
ということは、1Qさんも随分インタビューされたんだと想像します!
好きな人にはたまらない傑作!-
2025/01/25
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かなサマ!
レビュー拝見しましたよ!
大義の為に手段を選ばず!最後には欲にまみれる!
まさにその通りでしたね!かなサマ!
レビュー拝見しましたよ!
大義の為に手段を選ばず!最後には欲にまみれる!
まさにその通りでしたね!2025/01/25 -
2025/01/25
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実家が檀家になっているお寺の和尚さんがよくされるお話の中で、「空(くう)である」という言葉がよく出てくる。
「空」「無」「虚」…日常で使うこれらの言葉は似ているようだけど、仏教では全く違う意味を持つんだということを思い出した。
ドロドロの宗教界の裏側。これはフィクションですよね?と不安になってくる。どっぷり小説の世界に入り込んでしまって、心の中がモヤモヤしている。
普段、あまり読まないジャンルだけど面白かった。 -
これは!!
すごいですね。
文句なしに面白い!!(いい言葉が出てこない)
帯のキーワードからして、面白くないはずがない!
「坊主」
「フィクサー」
「ヤクザ」
そして、昭和のバブル全盛期の京都の寺院が舞台。
想像しただけでも面白さが伝わります。
この小説も昭和100年にぶつけてきたんですね。
戦略的なものが伺えます。
「悪」を「正義」で制する小説は結構あると思うのですが、「悪」を「悪」で制するのはあまりないかと思うんですよね。まさに、主人公はダークヒーロー。
更に、私たち一般市民では知り得ない裏社会の話がメインとなっています。この小説読んじゃったら、近所のお寺(結構有名どころ)のお坊さんとか、見る目が変わってしまったよね・・・。
「煩悩を手放しましょう・・・」と我々に説いている人物が、実は”煩悩まみれ”で”欲望まみれ”だったりするわけじゃないんですか。しかも、地位が高ければ高いほど、まみれ度は高いときた。
僧侶に対して、「高貴な方ですね」って目では見れなくなってしまったんですよね。笑
会話が京都の言葉なので、マイルドな感じなんですが、標準語だったらえげつなさMAXだと思う。言葉の印象って大きいですね!
ちなみに、主人公・凌玄がどれほどあくどいのか、ヤクザの言葉を使って紹介したいと思います。
”おまえは仏教のためだとか、燈念寺のためだとか言ってるようだが、やってることは極道も真っ青の悪事だらけだ”
これはただ事ではありません!
是非とも本を手に取って、凌玄が何をしてきたのか確かめていただきたい。
希望としては、エンタメ度が高いので、映像化して欲しいです。剃髪の人物だらけで絵面は地味かもしれませんが。 -
まず頭っから文章が入ってこず、10ページ読んだところで最初から読み直す。良かった、昔の私ならここで積読行きだった。
何度も寝落ちしながら、人間関係の半分も理解できない自分の愚かさに嘆く。これまた最初から読んだらもっと面白いかもと頭では理解しつつ、図書館返却期限も迫り、ようやく待った「俺たちの箱根駅伝」が控えているため断念。
直木賞候補にあがりながらも、受賞ならなかった本作だけれど、高校生直木賞を受賞とのこと。こ、高校生がこの本の面白さを理解しているなんて、、
何度も寝落ちしたが、総じて面白かった。新たなジャンルを開拓できた記念に、星4。
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第12回高校生直木賞
「より多くの金をつかんだ者が京都を制する――最後に嗤うのは仏か鬼か」
「古都の金脈に群がる魑魅魍魎」
なんて面白そうな期待値の上がるフレーズ!
外で読むには表紙が激しくてちょっと恥ずかしいけど^^;
登場人物は曲者だらけで確かに魑魅魍魎。
凌玄の闇堕ちっぷりは途中からうんざりしてきて、面白いんだけど不快な気持ちだった。
お坊さんのイメージダウンにつながりそう。
ここまで極端ではないにしても、色んなつながりや闇取引きって一部ではあるんだろうな。
月村さんはいったいどこを取材して何を見てきたのかが気になるところ。
『虚の伽藍』ってタイトルが話の内容にぴったりで納得。 -
月村ワールド全開!!
凌玄が大妖怪に変貌していく様をおどろおどろしい仏教界の中で圧倒的な存在感として描いている。
政敵を喰らうだけでは飽き足らず、凌玄を引き入れてくれた和久良やヤクザまで喰らい利用するとは、、、
でも凌玄が一番凄いのは仏教を自分をマインドコントロールするように自分自身に酔いしれることができることではないかなと思ったりして恐ろしかった。
他の登場人物も和久良や氷室・地下二階など曲者ばかりだし、宗教の醜さをこれでもかと描いていて震えたね。
実際、今の坊主なんて職業坊主しかいないだろうから清廉さなんか必要ないんでしょう。
個人的には一番欲深い人種がなる職業だと思う。
地獄の沙汰も金次第とはよく言ったものとこの作品を読んでつくづく思う。 -
あまりに長いし、半分読んだところで、途中で図書館の本を返し、ブックオフで購入
そしてほかの本を読んでようやく読み終えた。
想像できないし、結局最後はこうなるのかと…表題通りだった。 -
仏教界内部の利権争い、表には出て来ないドス黒い世界観がとても良い。好き。
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月村さんらしい超ノワール小説でした。
昭和末期から平成初期の京都が舞台。
日本仏教最大の燈念寺派に属する若き僧侶である凌玄が、腐敗した燈念寺派を改めるためにヤクザと手を結ぶ。当初は志を忘れずにいた凌玄だが出世の階段を駆け上がるうち、都合よく解釈した仏の教えを言い訳にカネと欲に身を落としていくー。
この小説を読んだとき、10年ほど前に結婚相談所勤務の知人が「男性はお坊さんが圧倒的に人気」だと話していたのを思い出しました。
理由を聞けば「お寺はお金があるから」。
反社が進んだ現代はともかく1980年台後半は暴力団と行政、宗教って何かしら繋がっていたのかもしれないと思ってしまう、そんな小説でした。
煩悩の恐ろしさを突きつけられました。
登場人物全員、欲深くて恐ろしい。
月村作品の中では「脱北航路」「土漠の花」に続いておもしろかったです。
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主人公のお坊さんがどんどんブラックに染まっていく展開がスリルがあって
この人どこまで黒くなっていくんだろうと
ドキドキしました
金とヤクザが絡む組織の不正や権力闘争
それが僧侶の社会の出来事で
人間としてのいっそうの生々しさを感じました
自分の考えや行いを正当化する方法として
仏様を利用するのはとても危ういし気持ち悪い
どこかで絶対に罰が当たると思ってたら
最後 ヤクザ以上にブラックになって
頂点まで上り詰めた後に
それまでの自分自身を全否定し
自分自身の存在意義もなく
空っぽになってしまった
生きていても
生きていないと同じ
それこそが最大の罰でした
まさしく自業自得
昭和から平成にかけての時代の雰囲気も
感じることができました
-
うーん、読み終わってスッキリはしなかった。
宗教団体も暴力団もなんだったらエラソーに怒鳴る警察も好きじゃないからかなー。最後には主人公の凌玄と同じような虚しさを感じた。
凌玄はとんとん拍子に偉くなったけど、それは背後にいる後ろ暗い人たちのおかげ。坊主の評価が声の良さや頭の形で決まる、と断言するのは面白かったけど。
こういう話はきっと現実にあるかもだけど、イマイチ入り込めなかった。
著者プロフィール
月村了衛の作品
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