数学する身体

著者 : 森田真生
  • 新潮社 (2015年10月19日発売)
3.77
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103396512

作品紹介

「数学を通して世界をわかりたい」。30歳、若き異能の躍動するデビュー作! 思考の道具として身体から生まれた数学。ものを数える手足の指、記号や計算……道具の変遷は数学者の行為を変え、記号化の徹底は抽象化を究める。コンピュータや人工知能の誕生で、人間の思考は変貌を遂げるのか? 論考はチューリング、岡潔を経て生成していく。身体を離れ、高度な抽象化の果てにある、新たな可能性を探る!

数学する身体の感想・レビュー・書評

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  • p167
    自他の間を行き交う「情」が、個々の人や物の上に宿ったとき、それが「情緒」となるというのである。

    p170
    「無心」から「有心」に還る。その刹那に「わかる」。これが岡が道元や芭蕉から継承し、数学において実践した方法である。
    なぜそんなことができるのか。それは自他を超えて、通い合う情があるからだ。人は理でわかるばかりでなく、情を通わせ合ってわかることができる。他の喜びも、季節の移り変わりも、どれも通い合う情によって「わかる」のだ。

  • おもしろかった〜数字は自然なものではない、の一言にホッとしたりした。相変わらず数字を見ると思考が止まるけどいいものを読んだ。ありがたい…装丁がすごく良くてそこだけで好きになる。グレーの紙っぽくない質の紙にグレーのしおり紐、中を開けば鮮やかな青。

  • 面白かった。文系にもわかる数学の本。数学って学校で習った内容のイメージが強いけど、それはほんの一部で、本来哲学だったり心理学だったり、もっと広い分野に開けているものなんだな、と再認識させてくれた。チューリングと岡潔は個人的にも気になる人なので楽しかった。ブルバキって個人名じゃなかったんだ!ってこの本読んではじめて知りました。

  • 音楽や美術のように、数学も表現の行為だ。数学を通して「人間」に迫る、30歳、若き異能の躍動するデビュー作!
    「BOOKデータベース」より

    情熱的.
    「零までが大切」、この岡潔のことばは、自分の胸にも刺さった.ものごとの根源へ思考を馳せる.学問を志す者にとって必要な姿勢.博士の学位がなぜPh. D (Doctor of Philosophy)なのか、ということですね.

  • 2015.11.2-2015.11.3
    武術家の甲野善紀氏が勧めてゐるので購入。独立の研究者といふ著書の行き方にも関心があつた。
    数学が発生段階から身体と不可分であり、考へるといふことは、普通に思はれてゐる以上に身体的な過程なのだ、といふ論点は興味深い。それがギリシャ時代の数学を例に説かれてゐるあたりは秀逸だ。
    他方で、人工知能が人類の脅威になるのではないかと心配される程に発展し、「情報」が一人の人間の処理能力とは無関係に増殖する時代に、数学を身体化するといふ岡潔の理想がどのやうな指針となるのかは不明確だと思はれる。
    とは言へ、他の人達の力を借り、過去の遺産の助けを得ながらも、他人には伺ひ知れないものを抱へて生きる他ないのが人間である以上、頼りになるのはこの身体であり、その持つ潜在力が充分に使はれてゐないのは確かなので、頭でつかちになり勝ちな今の日本で、読まれる価値がある本だらう。

  • 森田君の初の著作。数学の本なのだが、数式は一切ない。数学の歴史の一端を概観しながら、チューリング氏や岡潔氏に対する森田君の心情を綴ったような内容。

    岡潔氏への森田君の情熱は以前から少しだけ伺っていたが、本当に好き(という感情ではないだろうけど)なのだろうと思う。読んでいる時も、文を書いている時の森田君の嬉しそうな顔が思い浮かぶような気がした。

  • 数学者の岡潔が気になった。

  • 数学に関する読み物です。前半は数学の通史を概観し、後半では計算機科学の祖である数学者アラン・チューリングと孤高の日本人数学者岡潔について触れられています。本のタイトルのような身体性に関する記述はあまりみられませんでしたが、知的好奇心を大いにくすぐられて、読んでいて久々にわくわくさせられました。岡潔の著作にも触れてみたくなります。良書です。

  • たくさんの気付きがありました。

  • 森田氏の知的さが伺える本である。数学は思考を以って抽象化した概念を扱う印象が強いが、それは手だったり他者だったり実存や情緒も含めて数学として扱う筆者の考え方は面白い。(それを「マグロが水流を生かして推進力を生みだす如く」と例える。)

    とはいえ中盤以降はアラン・チューリング氏と岡潔氏の話が主で少々雑多な感は否めない。数学者の描く世界観は哲学的なものが多く面白いので若き才能の今後に期待したい。

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