数学する身体

著者 :
  • 新潮社
3.76
  • (33)
  • (50)
  • (38)
  • (9)
  • (3)
本棚登録 : 675
レビュー : 68
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103396512

作品紹介・あらすじ

「数学を通して世界をわかりたい」。30歳、若き異能の躍動するデビュー作! 思考の道具として身体から生まれた数学。ものを数える手足の指、記号や計算……道具の変遷は数学者の行為を変え、記号化の徹底は抽象化を究める。コンピュータや人工知能の誕生で、人間の思考は変貌を遂げるのか? 論考はチューリング、岡潔を経て生成していく。身体を離れ、高度な抽象化の果てにある、新たな可能性を探る!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • p167
    自他の間を行き交う「情」が、個々の人や物の上に宿ったとき、それが「情緒」となるというのである。

    p170
    「無心」から「有心」に還る。その刹那に「わかる」。これが岡が道元や芭蕉から継承し、数学において実践した方法である。
    なぜそんなことができるのか。それは自他を超えて、通い合う情があるからだ。人は理でわかるばかりでなく、情を通わせ合ってわかることができる。他の喜びも、季節の移り変わりも、どれも通い合う情によって「わかる」のだ。

  • おもしろかった〜数字は自然なものではない、の一言にホッとしたりした。相変わらず数字を見ると思考が止まるけどいいものを読んだ。ありがたい…装丁がすごく良くてそこだけで好きになる。グレーの紙っぽくない質の紙にグレーのしおり紐、中を開けば鮮やかな青。

  • 面白かった。文系にもわかる数学の本。数学って学校で習った内容のイメージが強いけど、それはほんの一部で、本来哲学だったり心理学だったり、もっと広い分野に開けているものなんだな、と再認識させてくれた。チューリングと岡潔は個人的にも気になる人なので楽しかった。ブルバキって個人名じゃなかったんだ!ってこの本読んではじめて知りました。

  • 音楽や美術のように、数学も表現の行為だ。数学を通して「人間」に迫る、30歳、若き異能の躍動するデビュー作!
    「BOOKデータベース」より

    情熱的.
    「零までが大切」、この岡潔のことばは、自分の胸にも刺さった.ものごとの根源へ思考を馳せる.学問を志す者にとって必要な姿勢.博士の学位がなぜPh. D (Doctor of Philosophy)なのか、ということですね.

  • 2015.11.2-2015.11.3
    武術家の甲野善紀氏が勧めてゐるので購入。独立の研究者といふ著書の行き方にも関心があつた。
    数学が発生段階から身体と不可分であり、考へるといふことは、普通に思はれてゐる以上に身体的な過程なのだ、といふ論点は興味深い。それがギリシャ時代の数学を例に説かれてゐるあたりは秀逸だ。
    他方で、人工知能が人類の脅威になるのではないかと心配される程に発展し、「情報」が一人の人間の処理能力とは無関係に増殖する時代に、数学を身体化するといふ岡潔の理想がどのやうな指針となるのかは不明確だと思はれる。
    とは言へ、他の人達の力を借り、過去の遺産の助けを得ながらも、他人には伺ひ知れないものを抱へて生きる他ないのが人間である以上、頼りになるのはこの身体であり、その持つ潜在力が充分に使はれてゐないのは確かなので、頭でつかちになり勝ちな今の日本で、読まれる価値がある本だらう。

  • 森田君の初の著作。数学の本なのだが、数式は一切ない。数学の歴史の一端を概観しながら、チューリング氏や岡潔氏に対する森田君の心情を綴ったような内容。

    岡潔氏への森田君の情熱は以前から少しだけ伺っていたが、本当に好き(という感情ではないだろうけど)なのだろうと思う。読んでいる時も、文を書いている時の森田君の嬉しそうな顔が思い浮かぶような気がした。

  • のめり込んでしまって、自分にしては短期間で読めた。
    最近読んでいる数学関係の本の影響もあるが、数学史にとても興味が出てきた。
    ある概念(例: 群)のもとになる実体(例: 対称群)がどのように考えられて、それがどのように抽象化されてきたかなどに興味がある。

    「数学する身体」にはヒルベルト計画の記載がある。
    「数学セミナー」の足立恒夫さんの「よみがえる非ユークリッド幾何」では完全性定理が述べられている。
    数学科時代は数学基礎論に興味はなかったけど、「数学ガール/ゲーデルの不完全性定理」を再読して《数学を数学する》ことをもう少し理解したい。

  • 100殺!ビブリオバトル No.71 夜の部 第10ゲーム「三位一体ビブリオバトルその2」

  • 数式は全く出てきません。
    数学を哲学する、著者の数学への探究心を言葉にしたものです。

  • 結構話題になってる本です。
    文系の人間にもなんとなく、数学好きな人ってこんな感覚なんだな~というのをわからせてくれ、新しい扉を開いてくれた感じです。
    マンガの「はじめアルゴリズム」と並べて置いておくといいよ。
    あ、「はじめアルゴリズム」二巻出ました!

    なのでこの三冊は学校買い!
    ようやく、数学を説明してくれる本が生まれたよ。
    でもって、未来の数学者もいまの子どものなかにいるはずで、そうしてちょっぴり不幸なはずです。
    理解されないもんね。
    図書館は、情報により、少数派を救うとこでもあるのです。
    同じ事を考えてる人がいるんだってわかると、これでいいんだ、と自信が持てるし、安心できる。
    だからこそ!
    図書館と図書館司書がそういう子を圧迫しちゃいかんよ、と思うわけです。
    だから、文系の司書もこのマンガくらいは読みましょう。
    知識が足りなくて、子どもを圧迫しないために。

    2018/03/23 更新

全68件中 1 - 10件を表示

数学する身体のその他の作品

数学する身体 Kindle版 数学する身体 森田真生

森田真生の作品

数学する身体を本棚に登録しているひと

ツイートする