- Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103396819
作品紹介・あらすじ
こんな食卓、私だけ――?ちょっぴりビターな、大人のための食小説。365日、食べて生きるわたしたち。好きな人といても、仕事や趣味に打ち込んでいても、お腹が空いていては幸せになれないのです。美味しい生活を求め奔走する男女6人、悩みはそれぞれ。偏食、孤食、料理ベタに味覚障害――このコンプレックス、なんとかしたい! 大人気『給食のおにいさん』著者が描く、新食感ごはん小説。
感想・レビュー・書評
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著者の『給食のおにいさん』シリーズが大好きなので、読んでみました。
タイトルどおり、食にまつわるちょっとブルーな短編集。
#食えない女
どうしても一人でしか食事ができない主人公。
好きな男性ができても、一緒にご飯を食べられない。
これはつらいね。
ところが、お~そう来ますか!と言いたくなる方法で、解決できそうな…。
#さじかげん
料理が下手で料理教室に通う新妻。
感想を素直に言ってくれる正直者の夫と、料理上手な義母。
昔の自分を見ているかのようで苦笑い。
とくに、#キャバクラの台所がよかったです。
泥酔してお客様に迷惑をかけてしまったキャスト・スミレ。
罰として裏方のキッチンで働くことになるのだが…。
お酒に強いはずのスミレが泥酔した謎を調べていくうちに、
キッチンで働く仲間たちとも打ち解けていく。
キャバクラの華やかな表舞台しか知らなかったスミレが、
「どんな仕事も裏方で支えてくれる人あってこそ。」と勉強できる過程がいい。
登場人物の名前のオチ、まったく気づかなかった…。
人は食べなくては生きられない。
自分の大切な人たちと、楽しく食事できること。
美味しいものを美味しいと感じられること。
それはとても幸運で、ありがたいことなんだと気付かせてくれる一冊でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『食えない女』と、『キャバクラの台所』が特に好きだったかな。
食にまつわるいくつかの 悩みや呪いやエトセトラ。
惹かれるように、ぐんぐんとあっという間に読了してしまいました。
食って楽しいイメージばかりだったけど、案外そうでもないのかも。結局欲を満たすものだからかしら…。 -
【食にまつわる小説】
美味しい小説か、、というとそういう訳ではないですね。
食事が焦点ではあるけれど、
人前で食事できない人、偏食な人、ストレスで味覚障害が起きた人、ひたすら食べさせたい人、、。美味しそうな食描写や食事のシーンは少ないです。
あ、でも何章かにまたいで出てくるバーのマスターが作る賄い飯は食べたいかも -
料理をモチーフにした話しは多い。
そして、そういう話しは結構好き。
「キャバクラの台所」が斬新で面白かった。
「さじかげん」はすごく良くわかる。
さりげなく、どの短編にもバーのマスターが出ている。そういうのも好き。 -
人前で食事のできない灯(とも)
料理が苦手で新婚生活が憂鬱な沙代
階下の住人の騒音からストレスで味覚がなくなった希穗
フラワースクールで女性講師たちに振り回される和己
泥酔で客に粗相をした罰にキッチンで働かされるスミレ
アルバイト先の常連の社長令嬢に料理を食べてほしいと依頼される、売れない役者のミトケン
行き詰まり、焦り、怒り、不安定な主人公たちが、最後には前向きになっていく。
美味しい料理、お菓子の力はもちろん大きいのだけど、料理をするっていう行為の癒しってあるなあ。
どの話もちょっとミステリアスで、展開が気になりあっという間に読んでしまった。
さりげなく登場するマスターがいい感じ。 -
料理と食事に絡めた短編集。
単純に美味しそうという訳じゃなく、食べられなかったり不味かったり味を感じなかったり油過剰だったり、これは歪な料理の形。
各話の主人公は皆何らかの悩みを抱えていて、それぞれがリアルなので同じ経験をしていなくても共感しながら読み進められる。
「給食のおにいさん」シリーズもだけど「食べる事」に色々絡めるの上手いなあ。
ちょこちょこ登場するバーのマスターが終盤に近づくにつれて味が出て来て、しかも良い人過ぎて、小柄でお腹出たおじさんだというのにほんのりときめく…。 -
短編によって わかるなぁ~ と思うものもあれば ぎゃ それは無理 と思うものも あり
人前で物が飲み込めない女性が
やっと見つけた心の広い人
でも相手にも すごい嗜好があって・・
許せるかな・・・これ
冷蔵庫に入ってたら・・・ちょっと