- Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103399711
感想・レビュー・書評
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葛飾北斎の三女、応為の話し。
テレビで「吉原格子先之図」が映ったのをたまたま見た。驚いた。
それがこの本を手に取ったきっかけ。
嫁いでも家事をせず、絵を描いている。
離縁され、「これで自由に絵が描ける」と。
お栄、すごく真っ直ぐな人だと思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「恋歌」といい、「その一瞬」を、なんて軽やかに鮮やかに切り取る作家だろう。文章でこれをなし得る朝井まかてに脱帽しかない。
栄のキャラクターのせいかな。恋歌ほど、こころを持っていかれる感覚は薄かった。でもとても楽しく読みました。 -
葛飾北斎の娘であり、絵師の葛飾応為の物語。
男勝りで勝ち気な上、色気もない。
しかし、気風がよく、からりと晴れた青空のように気持ちのいい女性。
まさに江戸の女。
己の生涯を絵に賭け、絵と共に駆け抜けて行った。
ひとりの女性である前にひとりの絵師であった。
そして、絵を愛したひとりの人間であったのではないだろうか。 -
ドラマ見逃したー!と言ってたら、桂さんが貸してくれた。
生涯を追う形式だから仕方ないんだけど、平気で数年経っちゃって…もう少し味わいたいなぁって思った。
あと、色々難しいんだろうけど、いちいちの作品が見たい!
凄い分厚くなるの覚悟で図録とセットで、それぞれの話も切れ目できっちり頁あけて…って余韻を持たせる贅沢な作りだったら物語も活きたんだろうな。 -
2017.5.17
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北斎の娘。あるかも、と思う。
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北斎の娘、お栄の人生を描いた作品。お栄の存在を知らず、北斎などの人生との絡みを含めてなかなか面白かった。作品もネットで実際の物を見ながら読んだので、興味深かった。ただ、引き込まれたかと言われればもう一つ。結局時太郎は何だったんだろう。北斎が借金を重ねて貧乏だったことの原因として?
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感想が難しい。
落陽や、恋歌、西鶴の話よりも胸に響いてこないんだけど、だからといって決して本作が悪いというわけではない。
話の内容に救いがないからだろうか?
葛飾北斎の娘の絵師の話なのだけど、救いがないというな日の光が差し込んだかと思うと、すぐに陰ってしまうかんじが、寂しい。 -
北斎の娘にして「江戸のレンブラント」天才女絵師・葛飾応為の知られざる生涯。あたしはただ、絵を描いていたいだけ。愚かな夫への軽蔑、兄弟子への叶わぬ恋、北斎の名を利用し悪事を重ねる甥――人生にまつわる面倒も、ひとたび絵筆を握ればすべて消え去る。北斎に「美人画では敵わない」と言わせ、西洋の陰影表現を体得し、全身全霊を絵に投じた絵師の生涯を圧倒的リアリティで描き出す