夢の壁

  • 新潮社 (1983年2月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784103452010

みんなの感想まとめ

多様なテーマを持つ短編集で、芥川賞受賞作を含む作品が魅力を放っています。特に表題作や他の二作では、登場人物がそれぞれの内面と向き合いながら、幻想的な世界に踏み込む様子が描かれています。例えば、「僕のク...

感想・レビュー・書評

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  • 芥川賞と言ってもなぁ、と思う時もあるものの、こういう作品を読むと、うーん、流石であるのう、と思わなくもない。
    という謎の上から目線はさておき。表題作が芥川賞ということだけど、個人的には残りの二作がずいぶんと好きで、芥川賞は純文学向けって書いてあるけど、そうか、純文学とはこういうことなのか、と目からウロコである。ていうか少しファンタジーぽくもあるよね。野餓鬼の方とかもうどういう世界に突き進むのやら、という展開だし。
    といってもどの作品もその先が気になるようなところで終わっていたりして、その余韻がステキだし、その先を想像するのは楽しげであったりしつつも無粋であるかもしれぬのよ。

  • <あらすじ>
    「僕のクォ・バディス」(1981)進藤次郎は七年つきあった恋人と別れ、会社も辞めて故郷へ十年ぶりに帰ってきた。「ぼくの中には〈鳥〉がいる」。退職したのも、今回の帰郷も、自分の中の〈鳥〉の声に従ったのだった。ふるさとは随分と変わっていたが、白鳥の飛来する塔野沼は昔のままだった。
    「野餓鬼のいた村」(1982)心を閉ざしてしまった娘の療養のため、〈浦〉へやってきた母娘。植物や動物と会話をする娘は〈浦〉に来てからすっかり快活になり、村の老人たちにも受け入れられていった。そんな我が子を見守りながら、母親はなぜか〈浦〉を好きになれなかった。
    「夢の壁」(1982)『夢の壁』(文庫)参照。

    <ひとことコメント>
    「野餓鬼のいた村」の続編にあたるのが「夢の子供」(『夢の子供たち』収録)です。この著者の作品を読むと、日常から徐々に浮遊するように逸脱し、最後につきはなされるような感覚に陥ります。これが快感なんですけど。

  • 第88回 芥川賞 初版

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著者プロフィール

1936年札幌生まれ。41年両親とともに北京に渡り、47年引揚船に乗り帰国。北海道大学農学部卒業。農林省農業技術研究所に勤める傍ら、「三田文学」に作品を発表。72~89年自然観察会代表。82年「野餓鬼のいた村」で第14回新潮新人賞、83年「夢の壁」で第88回芥川賞、91年『尾崎翠の感覚世界』で芸術選奨文部大臣賞、2002年『長江』で毎日芸術賞を受賞。08年から財団法人北海道文学館顧問。日本野鳥の会会員。

「2015年 『尾崎翠の感覚世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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