長江

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103452072

感想・レビュー・書評

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  • 小説の設定に好みがあるとすれば、私にとって、好みの時代は戦時中から戦後にかけての時代かも知れない。喪失感と再生の兆しに、ノスタルジアを感じるからだ。

    日中を跨いだ男女の友情。それぞれに、自らの力を超えた社会による制裁、家庭内暴力という抗えない運命を経ながら邂逅を果たす。その再開は、辻仁成が書いた冷静と情熱の間という作品を彷彿させるが、男女の恋愛を挟まない所が異なる。時代を生きる男女の文化的な背景を読みながら、望郷の念を感じる読書となった。

  • <あらすじ>
     中国で生まれたフゥと北海道で生まれた佐智は、終戦後の北京で一時、子ども時代を共に過ごす。やがて佐智は日本に帰り、二人はそれぞれの人生を歩み大人になる。仕事に就き、結婚し、子どもが生まれ、41年の歳月を経て、フゥと佐智は彼の地で再会を果たす。

    <ひとことコメント>
    『苺畑よ永遠に』に続く“藤本佐智”シリーズです。『夢の壁』から主人公は同一人物だと思うのですが、周囲の人名が違います(『時の筏』父:一郎 母:佐和子、『長江』父:保夫 母:穂子)。三原順のDDのような感じ?

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著者プロフィール

1936年札幌生まれ。41年両親とともに北京に渡り、47年引揚船に乗り帰国。北海道大学農学部卒業。農林省農業技術研究所に勤める傍ら、「三田文学」に作品を発表。72~89年自然観察会代表。82年「野餓鬼のいた村」で第14回新潮新人賞、83年「夢の壁」で第88回芥川賞、91年『尾崎翠の感覚世界』で芸術選奨文部大臣賞、2002年『長江』で毎日芸術賞を受賞。08年から財団法人北海道文学館顧問。日本野鳥の会会員。

「2015年 『尾崎翠の感覚世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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