ロケット・ササキ:ジョブズが憧れた伝説のエンジニア・佐々木正

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 394
レビュー : 43
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103500711

作品紹介・あらすじ

この男なくしてシャープの興隆はなく、この男をなくしてシャープは墜落した。「ロケット」と称された爆発的な着想力が、電子立国日本の未来を切り拓いた。トランジスタからLSI、そしてMPUへ――シャープの技術トップとして半導体の開発競争を仕掛け続け、日本を世界のエレクトロニクス産業の先頭へ導いた男。インテル創業者が頼り、ジョブズが憧れ、孫正義を見出した佐々木正の突き抜けた人生。

感想・レビュー・書評

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  • シャープで技術開発の中心人物だった、「ロケット佐々木」の異名を持つ佐々木正氏のお話し。内容は面白いのだが作風がやや下町ロケット的で、実話をもとにしたノンフィクションノベルといった感じ。

    少年時代を台湾で過ごした佐々木氏は、帰国後に軍の命令により技術者として、レーダーや超音波の開発に携わる。戦後は研究職の道を目指すが、シャープ創業者である早川徳次の説得により、シャープの前身である早川電機に入社する事となる。

    早川電機入社後の佐々木氏は「共創」の精神で、若い技術者の良き相談相手となり、海外の部品メーカーとの連携も円滑に勤め、社内だけではなく日本の電子産業の中心人物となる。ライバル会社のトップである松下幸之助に招かれ、松下電器で講演を行ったエピソードは大変興味深い。

    佐々木氏が退職後のシャープは承知の通り、液晶事業に傾き過ぎてしまったばかりに、海外企業の傘下となってしまう。しかし資本を注入した鴻海が、佐々木氏がかつて暮らした台湾の企業というのも、何か不思議な縁を感じてしまった。

  • 技術立国(電子立国)を支えた佐々木正とい技術者の偉業、考え方がよくわかる本であった。スティーブジョブズが憧れた伝説のエンジニアという通り、様々なものを開発した。液晶、LSI、計算機、電卓、MPU,ザウルス、MOS等であった。そこにはあきらめということは一切なかった。アメリカに行ってQuality Controlを習ってきた。特殊原因と共通原因、統計的管理、ともに開発していくという共創のDNA、技術は人類の進歩のためにある、人類の進歩に終わりはない、等技術に関する興味深いエピソードばかりだ。これをどう生かしていくか?

  • スティーブ・ジョブズや孫正義の若いときに同時期に会っているというのが因果を感じる。
    佐々木はドイツから潜水艦に乗ってレーダー技術を持ちかえるという荒業を経験した。
    佐々木の明石の工場が爆撃されなかったのは、占領政策で通信網を円滑に構築するマッカーサーの指令ゆえであった。
    戦後GHQからの指令でアメリカに渡り、生産管理のノウハウを学ぶ。たとえば、女子工員が部品を床に落とせば日本では上司が叱るが、アメリカでは、女子行員の床下にベルトこんであがあって、それが部品を回収する仕組みになっているのを見た。
    江崎玲於奈も佐々木も門下生。江崎の息子は佐々木の秘書と結婚した。

    ライシャワーとも家族ぐるみで親交がある。皇太子妃だった美智子様がアメリカのライシャワー宅にホームステイすることになり、佐々木の娘がお世話係として随行した。娘がパン焼き機が作れないか相談したところ、佐々木は懇意の船井電機の社長に相談。船井は持ち前の瞬発力でパン焼き機を開発。

  • シャープの社員ではないが、関係する者の立場として読んだ。
    佐々木氏の素晴らしいところは、技術者としての先見性やアイデアなどであることは言うまでもない。それ以上に日本が世界の中でもまだビハインドしている時でも、また日本の電機産業の急成長を企業が謳歌する中でも変わらず、世界に目を向け、欧米企業と対峙し、ネットワークを構築していったところにあると思う。
    改めてビジネスは人である、ということを再認識させた。
    特に終盤では現在のシャープのことも描かれ、評判の悪い経営陣ではあるが、現社長の高橋氏の行動なども描かれ、少し見方が変わった。
    そこらの小説よりも感動できる本であり、最後はうるっときた。

  • こんな会社というより人物がいたのか、と言うのが率直な感想です。
    単なる調整役ではなく、真に技術の融合を目指す方として、共感出来ましたし刺激になりました。日本の深さを知るのに良書です。

  • 2019/04/10 図書館で借りる

    技術を生業とするものであれば,この佐々木正氏の生き様には誰もが共感できるであろう.
    読んで,モチベーションが上がる一冊.
    こういう本に出会えたときの喜びは大きい.

    ●P202
    ・1の次はゼロというのはおかしい.
    ・数学的に考えれば,ゼロと1の間には,1/2も1/4もある.
    ・数学の場合,複雑になりすぎた式は,一度分解して機能別に整理し直した方がスッキリする.
    →機能分割.
    →必死にワンチップに詰め込んできたものを,もう一度バラバラにする
    LSIからMPUにシフトして大成功したのが,インテル.
    LSIは,それ自体が一つのコンピュータであり,一つのチップがそれぞれに,CPU,ROM,RAMを持つ.
    一つのチップに収まっているこの3つの機能をバラバラに分割し「小さな命令を組み合わせて,大きなプログラムを実行させる」というのが,インテル4004の設計思想.
    こうすることで,CPUの構造は単純にしたまま,他のデバイスとの組み合わせにより,複雑な機能をもたせることができる.

    ●P207
    人と人をつなげることが,新しい価値を生む.それが,佐々木の信念.

    ●孫正義氏の書評
    https://honz.jp/articles/-/45156

  •  佐々木正については、名前を聞いたことがあるような気がする程度しか知らなかったが、迂闊であったと本書を読んでまず思った。こんな凄い人を何で知らなかったのだろう?実質的にというか技術的にシャープのトップなのにマスコミにも技術系の雑誌でも取り上げられらことはあまりないのではないだろうか。電卓戦争もシャープよりカシオに目が行ったからだろうか。
     それにしても、本書が氏のいい面素晴らしい面しか書いていないので話半分にしても、図抜けた存在に違いない。日本の高度成長期を作り上げたエレクトロニクスの立役者として、ソニーの盛田井深、松下幸之助などと肩を並べる存在だと思う。
     亡くなったのは昨年2018年102歳という。このような人はもう出てこないかもしれない。R.I.P.

  • スティーブジョブスにアップルマンゴーの精神を説き、アップルの製品がウインドウズで使えるようになったというところに考えさせらせた。
    トヨタは今回、EVの特許を解放した。これも、佐々木氏の共創の精神によるものではないだろうか。

  • 表紙は目に留まった。
    佐々木正というエンジニアの名前を覚えた。

  • 佐々木の座右の銘「共創」

    わからなければ聞けばいい。無知を恥じるところが無い。技術の世界はみんなで共に創る「共創」。

    - バークレー校にあった「ホームブリュー・コンピュータークラブ」ジョブズ達。自家醸造、手作り

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著者プロフィール

大西康之(おおにし・やすゆき)
ジャーナリスト。1965年生まれ。1988年早稲田大学法学部卒業、日本経済新聞社入社。産業部記者、欧州総局(ロンドン駐在)、編集委員、「日経ビジネス」編集委員などを経て、2016年に独立。企業や業界の深層を、人物を中心に描き出す手腕に定評がある。『稲盛和夫 最後の闘い』(日本経済新聞出版社)『ファーストペンギン 楽天・三木谷浩史の挑戦』(同)など著書多数。『会社が消えた日 三洋電機10万人のそれから』(日経BP社)は第13回新潮ドキュメント賞最終候補となった。最新刊は『ロケット・ササキ ジョブズが憧れた伝説のエンジニア』(新潮社)

「2017年 『東芝解体 電機メーカーが消える日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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