許されようとは思いません

著者 :
  • 新潮社
3.47
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本棚登録 : 650
レビュー : 107
  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103500810

作品紹介・あらすじ

あなたは絶対にこの「結末」を予測できない! 新時代到来を告げる、驚愕の暗黒ミステリ。かつて祖母が暮らしていた村を訪ねた「私」。祖母は、同居していた曾祖父を惨殺して村から追放されたのだ。彼女は何故、余命わずかだったはずの曾祖父を、あえて手にかけたのか……日本推理作家協会賞短編部門ノミネートの表題作ほか、悲劇をひき起こさざるを得なかった女たちを端整な筆致と鮮やかなレトリックで描き出す全五篇。

感想・レビュー・書評

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  • ミステリだなんて知らなかった…。1章読み終えて「え…何?」と呆気にとられて帯を見たら、きちんと暗黒ミステリと書かれていました。ふだんあまりミステリは読まないので免疫がなく、よくわからないのですが面白味を感じて苦戦せずに読了。何か所か謎が謎のまま終わっていてよくわからないのもあった。一部ホラーのようなイヤミスのような…不思議な感じ。

    「許されようとは思いません」「目撃者はいなかった」「ありがとう、ばあば」「姉のように」「絵の中の男」の5話。

    表題作の内容で予約したので田舎の村の掟ものだと勝手に思っていた。「目撃者はいなかった」は、嘘から始まりどんどん追い詰められていく様がこわかった。「姉のように」は、とても面白くて見事に騙されて二回読みました。

    閉塞感や重苦しさや理不尽さがうまく描かれていて他も手にしてみようかな…と思った。たぶん初読みの芦沢央(あしざわよう)作品。女性。女の心境とか苦しい嫁の立場とか書くのうまい。星3.5くらい。

  • ★3.5

    日常に潜む狂気を描いた5編の短編集

    ・許されようとは思いません
    祖母の遺骨を納骨する為に祖母が暮らした村を訪れた私。
    祖母は一緒に暮らしてた曾祖父を殺害し村十分になってた。
    余命僅かな曾祖父を祖母は何故殺したのか…。

    ・目撃者はいなかった
    受注の数を間違えた営業マンが会社に内緒で処理をしようと
    嘘に嘘を重ねていくが、隠蔽工作の当日交通事故を目撃する。
    証言をせずにすませようとするが…。

    ・ありがとう、ばぁば
    子役として活躍をはじめた孫娘を必死でサポートする祖母の私。
    ホテルのベランダに閉めだされてしまう。
    このままでは凍死してしまう。孫娘はどうしてこんな事をするのか…。

    ・姉のように
    小さいときから憧れの姉だった。
    その姉が事件を起こしてしまう。姉の様にならないように、
    自分の娘への虐待の衝動を抑えようと必死になるが…。

    ・絵の中の男
    女性画家は幼い頃に一家皆殺しにあった生き残りだった。
    その悲劇をモチーフに絵を描いていたが、やがて描けなくなり…。


    日常に潜む狂気を描いた作品そのものでした。
    姉の様には、すっかり騙された~♪
    この世の中で一番怖いのは人間なんだなぁ。
    人間の心に巣食う闇…あるきっかけで悪い方へ悪い方へ転がっていく。
    人は追いつめられると、思いがけない事をする。
    誰の身に起こってもおかしくないって思うと怖かった。
    圧倒的な心理描写にゾワゾワさせられました。

  • このゾワゾワわっとくる感じ、好きです❤︎

    気づいたら気持ちよく騙されている感が、はまります。

    幼児虐待についての姉のようにと、仕事のミスを庇おうとしたことからとんでも無い事に巻き込まれる目撃者はいなかったと、子役の孫と祖母の歪な関係を描いたありがとう、ばあばが好きだったなー。


    じとっとしてて、一筋縄では終わらないこの感じ。
    やっぱり女性作家さんならではかなあと思いました。

  • 「ありがとう、ばあば」は世にも奇妙な、に出てきそう。人の心理をえぐるような雰囲気の作品が多くて、刺さりました。以前読んだ「悪いものが来ませんように」に似た感じ。「姉のように」はこのころの子供育ててた時期のこと思い出して辛くなりました。

  • 5つの短編。
    目撃者はいなかった
    ちょっとしたミスからの嘘からのさらに嘘やごまかし、
    誰にでもおこりそうで地味に怖かった。
    姉のように
    あー、これもありそう、、育児の閉塞感と、犯罪者家族の世間からの目線がツライ。

  • 圧巻の短編集。タイトルの秀逸さ。

    どれも胃が痛くなるような状況で読者をキリキリさせ、悪意というよりは限りなく悲しく切ない思いから犯罪が産まれる……

    表題作は最後に少し救われた気がする。彼女を大切に。
    「姉のように」アアアアアヤラレタアアアアアア
    「絵の中の男」一番インパクトが少なかったけれど、モチーフは断トツで好き。

    芦沢先生面白い……!

  • 初めての作家さん、やはりこの訳の分からない表題に惹かれて図書館で手にとる。
    少し米沢穂信の「満願」に似た印象か?
    どれも読後ゾクっとなるが、うまい具合に腑に落ちるというところもあり面白い。
    他の作品はどうなんだろう?嫌いではないけど、もしこのタイプで長編だったら、ちょっと耐えられないかもしれないな。

  • これこそいやミス。読後感が悪い話を集めた短編集。どこにもいけない閉塞感がたまらない。

    特に「ありがとう、ばあば」と「姉のように」は窒息しそうになる。「姉のように」は方言の懐かしさと共に、自分の親に対する苦しさがどんどん引きずり出されて怖い。

    良い舞台や映画は見ている側を解放すると信じているんだけど、本もそういうところがある。

  • 厭~な読後感の物語で好みでした。イヤミス…の分類になるのかな?そう来たか!っていうようなオチがあって、面白かったです。
    お気に入りは「目撃者はいなかった」仕事のミスを隠ぺいするために奔走するサラリーマンがどんどん自分の首を絞めていくのに胃がキリキリした。そしてそれが思わぬ事件に繋がっていき…最後のオチにぞっと来た。
    「姉のように」すっかり騙されてた。これはうまい。
    他の作品も読んでみたい。

  • 四年付き合っている彼女との結婚踏み切れないでいる主人公。その大きな理由は、祖母が殺人を犯していたからだ。その祖母の納骨の為、祖母の住んでいた地へと向かう二人だったが・・・
    ラストで見えていた風景色が一変する、女の業を描いた短編集。


    表題作が一番インパクトがあった。もちろん、先入観がなかったというのも大きいと思う。終わり際まで話がどこへ向かっているのか分からなかったのに、ラストでゾクッとなった。祖母の執念染みたものも怖かったが、一番怖かったのは彼女。一見普通のどちらかと言えば気さくで裏表のない性格のようで、実際にそうなのだろう。が、その答えを考え付いてしまうとことか、結果的に自分の思うようになっているところなどが、本質が見えた気がして怖かった。

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著者プロフィール

芦沢央(あしざわ よう)
1984年生まれの作家。千葉大学文学部卒業。出版社勤務を経て、2012年『罪の余白』で第3回野性時代フロンティア文学賞を受賞しデビュー。『罪の余白』は2015年に映画化された。その他代表作に、2016年版「週刊文春ミステリーベスト10」第7位、「このミステリーがすごい!」2017年版第5位、第38回吉川英治文学新人賞候補『許されようとは思いません』、そして第32回山本周五郎賞候補および本屋大賞ノミネート作となった『火のないところに煙は』など。2019年8月28日、『カインは言わなかった』を刊行。

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