許されようとは思いません

著者 :
  • 新潮社
3.40
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本棚登録 : 1080
感想 : 171
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  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103500810

作品紹介・あらすじ

あなたは絶対にこの「結末」を予測できない! 新時代到来を告げる、驚愕の暗黒ミステリ。かつて祖母が暮らしていた村を訪ねた「私」。祖母は、同居していた曾祖父を惨殺して村から追放されたのだ。彼女は何故、余命わずかだったはずの曾祖父を、あえて手にかけたのか……日本推理作家協会賞短編部門ノミネートの表題作ほか、悲劇をひき起こさざるを得なかった女たちを端整な筆致と鮮やかなレトリックで描き出す全五篇。

感想・レビュー・書評

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  • 初めての芦沢央さん
    短編5つですがイヤミス?なのかな?

    表題作「許されよう…」は曽祖父を殺した祖母の話。
    村八分の嫌らしさ、恐ろしさ…祖母の最後の望みが痛いほどよくわかる。

    好きだったのが次の二篇
    「姉のように」
    少し違和感ある内容がラストに繋がる。
    じわじわ壊れていく描写が上手い。

    「目撃者はいなかった」
    松本清張の「霧の旗」を思い出しました。

    ホラーかと思って手に取りましたが違ったな笑
    次は「火のない…」読みます(^ ^)

    夏はホラー♪



    • おびのりさん
      芦沢さん、思っているより悪なのよ。
      芦沢さん、思っているより悪なのよ。
      2023/06/25
    • ひまわりめろんさん
      いやいやいや!
      みんみんさんよ〜
      芦沢央さんてイヤミスの人やで!
      いやいやいや!
      みんみんさんよ〜
      芦沢央さんてイヤミスの人やで!
      2023/06/25
    • みんみんさん
      ホラーかと思って読んだの。゚(゚´Д`゚)゚。
      まあ若干イアミスだったけど笑
      ホラーかと思って読んだの。゚(゚´Д`゚)゚。
      まあ若干イアミスだったけど笑
      2023/06/26
  • 芦沢央さん。初読み。やっと読めた。
     
    ミステリ短編集。
     
    ●許されようとは思いません
      亡くなった祖母の真意とは。
     
    ●目撃者はいなかった
      仕事のミスをきっかけに堕ちてゆく男の運命。
     
    ●ありがとう、ばあば
      孫娘のマネージャーとなった祖母は。
     
    ●姉のように
      尊敬していた自慢の姉が事件を。
     
    ●絵の中の男
      怖ろしい絵の誕生には秘密が。
     
    「目撃者はいなかった」と「姉のように」が好き。
    じわじわと足元が砂のように崩れてゆくその描写が素晴らしい。
    追い込まれてゆくのも分かるな、と理解できる。
    自分も一つ間違えばそうなるかもと思わせてくれる。
     
    読み終えて、米澤穂信さんの「満願」「儚い羊たちの祝宴」を思い出した。

  • 著者、芦沢央さんの作品は、初読みになります。
    本作を読むまでは、芦沢央さんは男性と思っていましたが、女性でしたね。

    芦沢央さん、どのような方かというと、ウィキペディアには次のように書かれています。

    芦沢 央(あしざわ よう、1984年2月13日 -)は、日本の小説家・推理作家。東京都生まれ。神奈川県川崎市在住。千葉大学文学部史学科卒業。

    で、本作の内容は、次のとおり。(コピペです)

    あなたは絶対にこの「結末」を予測できない! 新時代到来を告げる、驚愕の暗黒ミステリ。かつて祖母が暮らしていた村を訪ねた「私」。祖母は、同居していた曾祖父を惨殺して村から追放されたのだ。彼女は何故、余命わずかだったはずの曾祖父を、あえて手にかけたのか……日本推理作家協会賞短編部門ノミネートの表題作ほか、悲劇をひき起こさざるを得なかった女たちを端整な筆致と鮮やかなレトリックで描き出す全五篇。

    短編集だが、この中では、『姉のように』が、良かったかな。
    読んでいくうちに、妙な違和感を覚えるのだが、最後まで読めば納得ですか。

  • 薄気味悪い雰囲気のミステリー五編の短編集。始めからそのまま読んで行くので、『姉のように』みたいな時間軸がズレた話は苦手。『目撃者はいなかった』と『ありがとう、ばあば』は、自分で自分の首を締めたなぁ、と思った。

    • moboyokohamaさん
      芹沢央さんの作品、このほかに2、3読みました。
      悪い意味ではないけれど傾向は似ていました。
      時間軸のズレる作品ってチョット読みにくいですよね...
      芹沢央さんの作品、このほかに2、3読みました。
      悪い意味ではないけれど傾向は似ていました。
      時間軸のズレる作品ってチョット読みにくいですよね。
      誰だったけなあ、同じように時間軸をぶれさせて読者を翻弄するような感じの作者?
      思い出せません。
      2022/12/08
    • moboyokohamaさん
      若竹七海さんでした。
      「探偵小説 日本 女性探偵」でググったら出てきました。
      若竹七海さんでした。
      「探偵小説 日本 女性探偵」でググったら出てきました。
      2022/12/08
    • 借買無 乱読さん
      私が読んだ作品で同じような"消化不良"を起こしたものは、浅倉秋成 著『俺ではない炎上』でした。
      気になったら読んでみて下さい。
      私が読んだ作品で同じような"消化不良"を起こしたものは、浅倉秋成 著『俺ではない炎上』でした。
      気になったら読んでみて下さい。
      2022/12/08
  • ★3.5

    日常に潜む狂気を描いた5編の短編集

    ・許されようとは思いません
    祖母の遺骨を納骨する為に祖母が暮らした村を訪れた私。
    祖母は一緒に暮らしてた曾祖父を殺害し村十分になってた。
    余命僅かな曾祖父を祖母は何故殺したのか…。

    ・目撃者はいなかった
    受注の数を間違えた営業マンが会社に内緒で処理をしようと
    嘘に嘘を重ねていくが、隠蔽工作の当日交通事故を目撃する。
    証言をせずにすませようとするが…。

    ・ありがとう、ばぁば
    子役として活躍をはじめた孫娘を必死でサポートする祖母の私。
    ホテルのベランダに閉めだされてしまう。
    このままでは凍死してしまう。孫娘はどうしてこんな事をするのか…。

    ・姉のように
    小さいときから憧れの姉だった。
    その姉が事件を起こしてしまう。姉の様にならないように、
    自分の娘への虐待の衝動を抑えようと必死になるが…。

    ・絵の中の男
    女性画家は幼い頃に一家皆殺しにあった生き残りだった。
    その悲劇をモチーフに絵を描いていたが、やがて描けなくなり…。


    日常に潜む狂気を描いた作品そのものでした。
    姉の様には、すっかり騙された~♪
    この世の中で一番怖いのは人間なんだなぁ。
    人間の心に巣食う闇…あるきっかけで悪い方へ悪い方へ転がっていく。
    人は追いつめられると、思いがけない事をする。
    誰の身に起こってもおかしくないって思うと怖かった。
    圧倒的な心理描写にゾワゾワさせられました。

  • 祖母は閉鎖的な村に嫁ぎ、晩年には不可解な殺人を起こす。孫の諒一は骨壺を収める為に村へ行くが、止めることに。

  • 許されようとは思いません
    評価3
    そぐわないものを徹底して排除する村。それを甘んじて受け入れてきた祖母が曾祖父を殺めたのは、自らを含めた全ての人を救うためだった。
    そもそもそんな村に婚約してもいない交際相手を連れて行くものか、という根源的な疑問は別として。

    目撃者はいなかった
    評価4
    自己保身のため、人は時として人として誤った選択をする。
    主人公は愚かだか、自分にも起こり得ること。
    教訓小説。

    ありがとう、ばあば
    評価3
    こわい。ばあばにとって当然の報いなのかもしれないが、あまりに残酷。

    姉のように
    評価4
    読中感と読後感が全く異なる。
    読み終えて、こんなに感情移入したのに、一体なんだったんだ~っ!と声を出したくなってしまった。

    絵の中の男
    評価2
    芸術家の狂気の前では生命の価値も低い。

  • これをイヤミスと呼ばずして何がイヤミスなのだろうか。抉られる5編。子供との関わりについて嫌らしさがダイレクトに伝わる小説が多い。
    サラリーマンとしては、資材の発注ミスを誤魔化そうとして、交通事故の目撃者になる話が、妙にリアルで気持ち悪かった。

  • 黒い。
    いろんな黒が描かれている。
    闇の黒、影の黒、人間の心の奥の黒、塗り込められた黒。
    ビアズレータッチのカバーイラストがぴったりの世界。
    言葉が緻密に書かれているので、緻密に読まなければならない。
    叙述トリックもある。
    しかし、意地悪な書き方ではなく、「ここテストに出るよ」と言ってくれる先生のように、ヒントを与えてくれているので大丈夫。
    それにしても、人の心のひだは深い。
    何を考えているのか分からないものだなあ…と思う。

    『許されようとは思いません』
    祖母が暮らした、異常に排他的な村に遺骨を受け取りに行く青年。
    末期癌で長くなかった祖父を、祖母は何故わざわざ手に掛けたのか。

    『目撃者はいなかった』
    いつも営業成績が最下位だった自分が、なぜ、好成績に?
    ある間違いに気づいて、もみ消しに躍起になるが…

    『ありがとう、ばあば』
    ステージママならぬ、ステージばあばと、孫娘の杏・9才。
    ばあばのプロデュースで杏はどう成長したのか。

    『姉のように』
    事件を報道する記事で始まる。
    姉が犯罪者になった。
    世間の目、夫の目…
    段々と追い詰められていく。

    『絵の中の男』
    さながら地獄絵図、という画風で知られる作家の絵を主に扱っている“私”のところに、一枚の絵が持ち込まれる。
    これは、“あの絵”ではないだろうか?と。
    絵について語るうち、私はある考えにたどりつく。

  • イヤミス短編集!どの作品も興味深く読んだけど、うーん、やはりイヤミスは読後感がスッキリせずなんとも苦手です。

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著者プロフィール

1984年東京都生まれ。千葉大学文学部卒業。出版社勤務を経て、2012年『罪の余白』で、第3回「野性時代フロンティア文学賞」を受賞し、デビュー。16年刊行の『許されようとは思いません』が、「吉川英治文学新人賞」候補作に選出。18年『火のないところに煙は』で、「静岡書店大賞」を受賞、第16回「本屋大賞」にノミネートされる。20年刊行の『汚れた手をそこで拭かない』が、第164回「直木賞」、第42回「吉川英治文学新人賞」候補に選出された。その他著書に、『悪いものが、来ませんように』『今だけのあの子』『いつかの人質』『貘の耳たぶ』『僕の神さま』等がある。

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