- Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103500810
作品紹介・あらすじ
あなたは絶対にこの「結末」を予測できない! 新時代到来を告げる、驚愕の暗黒ミステリ。かつて祖母が暮らしていた村を訪ねた「私」。祖母は、同居していた曾祖父を惨殺して村から追放されたのだ。彼女は何故、余命わずかだったはずの曾祖父を、あえて手にかけたのか……日本推理作家協会賞短編部門ノミネートの表題作ほか、悲劇をひき起こさざるを得なかった女たちを端整な筆致と鮮やかなレトリックで描き出す全五篇。
感想・レビュー・書評
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初めての芦沢央さん
短編5つですがイヤミス?なのかな?
表題作「許されよう…」は曽祖父を殺した祖母の話。
村八分の嫌らしさ、恐ろしさ…祖母の最後の望みが痛いほどよくわかる。
好きだったのが次の二篇
「姉のように」
少し違和感ある内容がラストに繋がる。
じわじわ壊れていく描写が上手い。
「目撃者はいなかった」
松本清張の「霧の旗」を思い出しました。
ホラーかと思って手に取りましたが違ったな笑
次は「火のない…」読みます(^ ^)
夏はホラー♪
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芦沢央さん。初読み。やっと読めた。
ミステリ短編集。
●許されようとは思いません
亡くなった祖母の真意とは。
●目撃者はいなかった
仕事のミスをきっかけに堕ちてゆく男の運命。
●ありがとう、ばあば
孫娘のマネージャーとなった祖母は。
●姉のように
尊敬していた自慢の姉が事件を。
●絵の中の男
怖ろしい絵の誕生には秘密が。
「目撃者はいなかった」と「姉のように」が好き。
じわじわと足元が砂のように崩れてゆくその描写が素晴らしい。
追い込まれてゆくのも分かるな、と理解できる。
自分も一つ間違えばそうなるかもと思わせてくれる。
読み終えて、米澤穂信さんの「満願」「儚い羊たちの祝宴」を思い出した。 -
著者、芦沢央さんの作品は、初読みになります。
本作を読むまでは、芦沢央さんは男性と思っていましたが、女性でしたね。
芦沢央さん、どのような方かというと、ウィキペディアには次のように書かれています。
芦沢 央(あしざわ よう、1984年2月13日 -)は、日本の小説家・推理作家。東京都生まれ。神奈川県川崎市在住。千葉大学文学部史学科卒業。
で、本作の内容は、次のとおり。(コピペです)
あなたは絶対にこの「結末」を予測できない! 新時代到来を告げる、驚愕の暗黒ミステリ。かつて祖母が暮らしていた村を訪ねた「私」。祖母は、同居していた曾祖父を惨殺して村から追放されたのだ。彼女は何故、余命わずかだったはずの曾祖父を、あえて手にかけたのか……日本推理作家協会賞短編部門ノミネートの表題作ほか、悲劇をひき起こさざるを得なかった女たちを端整な筆致と鮮やかなレトリックで描き出す全五篇。
短編集だが、この中では、『姉のように』が、良かったかな。
読んでいくうちに、妙な違和感を覚えるのだが、最後まで読めば納得ですか。 -
薄気味悪い雰囲気のミステリー五編の短編集。始めからそのまま読んで行くので、『姉のように』みたいな時間軸がズレた話は苦手。『目撃者はいなかった』と『ありがとう、ばあば』は、自分で自分の首を締めたなぁ、と思った。
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芹沢央さんの作品、このほかに2、3読みました。
悪い意味ではないけれど傾向は似ていました。
時間軸のズレる作品ってチョット読みにくいですよね...芹沢央さんの作品、このほかに2、3読みました。
悪い意味ではないけれど傾向は似ていました。
時間軸のズレる作品ってチョット読みにくいですよね。
誰だったけなあ、同じように時間軸をぶれさせて読者を翻弄するような感じの作者?
思い出せません。2022/12/08 -
2022/12/08
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私が読んだ作品で同じような"消化不良"を起こしたものは、浅倉秋成 著『俺ではない炎上』でした。
気になったら読んでみて下さい。私が読んだ作品で同じような"消化不良"を起こしたものは、浅倉秋成 著『俺ではない炎上』でした。
気になったら読んでみて下さい。2022/12/08
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許されようとは思いません
評価3
そぐわないものを徹底して排除する村。それを甘んじて受け入れてきた祖母が曾祖父を殺めたのは、自らを含めた全ての人を救うためだった。
そもそもそんな村に婚約してもいない交際相手を連れて行くものか、という根源的な疑問は別として。
目撃者はいなかった
評価4
自己保身のため、人は時として人として誤った選択をする。
主人公は愚かだか、自分にも起こり得ること。
教訓小説。
ありがとう、ばあば
評価3
こわい。ばあばにとって当然の報いなのかもしれないが、あまりに残酷。
姉のように
評価4
読中感と読後感が全く異なる。
読み終えて、こんなに感情移入したのに、一体なんだったんだ~っ!と声を出したくなってしまった。
絵の中の男
評価2
芸術家の狂気の前では生命の価値も低い。 -
これをイヤミスと呼ばずして何がイヤミスなのだろうか。抉られる5編。子供との関わりについて嫌らしさがダイレクトに伝わる小説が多い。
サラリーマンとしては、資材の発注ミスを誤魔化そうとして、交通事故の目撃者になる話が、妙にリアルで気持ち悪かった。 -
黒い。
いろんな黒が描かれている。
闇の黒、影の黒、人間の心の奥の黒、塗り込められた黒。
ビアズレータッチのカバーイラストがぴったりの世界。
言葉が緻密に書かれているので、緻密に読まなければならない。
叙述トリックもある。
しかし、意地悪な書き方ではなく、「ここテストに出るよ」と言ってくれる先生のように、ヒントを与えてくれているので大丈夫。
それにしても、人の心のひだは深い。
何を考えているのか分からないものだなあ…と思う。
『許されようとは思いません』
祖母が暮らした、異常に排他的な村に遺骨を受け取りに行く青年。
末期癌で長くなかった祖父を、祖母は何故わざわざ手に掛けたのか。
『目撃者はいなかった』
いつも営業成績が最下位だった自分が、なぜ、好成績に?
ある間違いに気づいて、もみ消しに躍起になるが…
『ありがとう、ばあば』
ステージママならぬ、ステージばあばと、孫娘の杏・9才。
ばあばのプロデュースで杏はどう成長したのか。
『姉のように』
事件を報道する記事で始まる。
姉が犯罪者になった。
世間の目、夫の目…
段々と追い詰められていく。
『絵の中の男』
さながら地獄絵図、という画風で知られる作家の絵を主に扱っている“私”のところに、一枚の絵が持ち込まれる。
これは、“あの絵”ではないだろうか?と。
絵について語るうち、私はある考えにたどりつく。 -
イヤミス短編集!どの作品も興味深く読んだけど、うーん、やはりイヤミスは読後感がスッキリせずなんとも苦手です。
みんみんさんよ〜
芦沢央さんてイヤミスの人やで!
みんみんさんよ〜
芦沢央さんてイヤミスの人やで!
まあ若干イアミスだったけど笑
まあ若干イアミスだったけど笑