- Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103500810
感想・レビュー・書評
-
圧巻の短編集。タイトルの秀逸さ。
どれも胃が痛くなるような状況で読者をキリキリさせ、悪意というよりは限りなく悲しく切ない思いから犯罪が産まれる……
表題作は最後に少し救われた気がする。彼女を大切に。
「姉のように」アアアアアヤラレタアアアアアア
「絵の中の男」一番インパクトが少なかったけれど、モチーフは断トツで好き。
芦沢先生面白い……!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
四年付き合っている彼女との結婚踏み切れないでいる主人公。その大きな理由は、祖母が殺人を犯していたからだ。その祖母の納骨の為、祖母の住んでいた地へと向かう二人だったが・・・
ラストで見えていた風景色が一変する、女の業を描いた短編集。
表題作が一番インパクトがあった。もちろん、先入観がなかったというのも大きいと思う。終わり際まで話がどこへ向かっているのか分からなかったのに、ラストでゾクッとなった。祖母の執念染みたものも怖かったが、一番怖かったのは彼女。一見普通のどちらかと言えば気さくで裏表のない性格のようで、実際にそうなのだろう。が、その答えを考え付いてしまうとことか、結果的に自分の思うようになっているところなどが、本質が見えた気がして怖かった。 -
人間が編み込まれた、五・七・五・七・七。5句それぞれに込められた破調。
地下に潜る非合法の歌会で詠まれた短歌を聞いた様な読後感に、「お手つきのお仕置き」は何なのかと汗ビッショリになりました。
-
短編小説があまり得意でない私がどっぷりハマった『満願』を思い出す短編集。「ありがとう、ばぁば」のラストの衝撃と言ったら。鳥肌が止まらない。
-
不思議もの因果応報等のミステリー短編集。
久々に良い作家さんに出会えた。
畳み掛けるような展開に緻密な心理表現。
軽く書きつつ内容は深いし濃い。
ラストに救いがないものが多くこちらをゾクリとさせる。冷たいラスト怖い。 -
起こりそうで、怖い短編集。表題も良かったが、虐待に走って行く母の苦悩が、生々しく、目を離せない。若いパパに是非読んでほしい。一気読み、良かった。
-
2016.11.28.読了
「許されようとは思いません」
「目撃者はいなかった」
「ありがとう、ばあば」
「姉のように」
「絵の中の男」
の5つの短編集。なんといっても表題作「許されようとは思いません」が秀逸だった。閉鎖的な村で村八分にされながら実家に帰ることも許されず耐え抜いてきた祖母が、村に迷惑をかける認知症の曽祖父(祖母の舅)の腹を刺して殺してしまう。殺人犯となった祖母は、すでに末期ガンに侵されており情状酌量で短期の懲役刑になったものの獄中で死亡する。母親が村の中の墓に埋葬したもののそれが許されず村の誰かに村の入り口の道祖神の傍らを骨壷ごと捨てられてしまうという村十分になってしまう。