火のないところに煙は

著者 :
  • 新潮社
3.46
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本棚登録 : 1247
レビュー : 167
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103500827

作品紹介・あらすじ

本年度ミステリ・ランキングの大本命! この面白さ、《決して疑ってはいけない》……。「神楽坂を舞台に怪談を書きませんか」。突然の依頼に、かつての凄惨な体験が作家の脳裏に浮かぶ。解けない謎、救えなかった友人、そこから逃げ出した自分。作家は、事件を小説にすることで解決を目論むが――。驚愕の展開とどんでん返しの波状攻撃、そして導かれる最恐の真実。読み始めたら引き返せない、戦慄の暗黒ミステリ!

感想・レビュー・書評

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  • 読むたびに違う顔を見せてくれる芸達者な作家さん。これを読む前に『バックステージ』を読んでいたので、あまりのギャップに驚いた。

    こちらは、これ、実話なの?と思えるほどの臨場感たっぷりに実録風に描かれていて、読み終えた今もなお思考が追いついていかない。正直、実話と言われた方がしっくりくるくらいで、これをフィクションと言われた方がビックリしてしまう。

    それにしても、後からゾクゾクくるホラー。芦沢さん本人が怪談特集の依頼を受けるところから物語が始まる。周りでそういった経験をしている人たちにインタビューをし、それを短編集として本にするわけだが、その一つ一つのエピソードが怖く、インタビューを受けた本人であったり、その周りの人が亡くなったりする。そして、最終章では、それらのエピソードには、必ずといってある占い師が絡んでいることがわかるー。

    第5話で、娘を亡くしたおばあさんが、隣の大学生のところに霊が出る話を聞き、その霊を感じ取れるようになりたい。というような内容がある。
    確かに普通、霊とは誰も関わりたくないってのは当たり前のことだろうが、その人には特別の霊ってのがいるわけで、それは怪談ではなく、もう一度新たに触れることができる娘との物語だったとある。私も兄、父親、祖父母を失くしているのだが、そうした気持ちは痛いほどわかるなぁと思った。遺族としては、絶対にそう思ってしまうもの。芦沢さんは、そうした経験をされているのかはわからないが、その捉え方に関心してしまう。

    さて、ラスト。このラストは本当に怖い。芦沢さん、フィクションなんですか?ノンフィクションなんですか?

  • 《決して疑ってはいけない》……。

    話題の芦沢央さん初読み。
    文章は読みやすく、ホラーだけどミステリの要素もあり、続きが気になりさくさく読み進めることができた。

    ホラー作家は命がけで作品を書いているのかと思うとさらに怖くなった。作者の術中にまんまとはまってしまったかな(^_^;)

    排水溝とかテレビのリモコンとか身近すぎて怖い。
    しばらく排水溝を開ける時ビビりそう。

    3話目の「妄言」が面白かった。
    隣人に主人が浮気をしていると聞かされたらどう思うか…。隣人との距離感、夫婦の絆の脆さ、怖い。

    6話目を読んだ時、この本をどう思うか。

  • 怪談を書かきませんかと依頼され、そこから繋がってゆく6話連作。怖がりの私だけれど読んでみた。うまく構成されていたし、読みやすかった。うまく読ませたね。怖いは怖いけれど、思ったほどではなく。圧倒的にドーンと来るものではなかった、それはそれで良かったのだけれど。神楽坂の女性の行方が気になり、それはそれでまた描いてもいいのではと思います。不思議だけれど、まあ、謎の世界ですから、なんとも言えない。でも読まなかった方が良かったかなと思わせた、縁で。

  • ★3.5

    「神楽坂を舞台に怪談を書きませんか」
    突然の依頼に、作家の「私」は、かつての凄惨な体験を振り返る。
    解けない謎、救えなかった友人、そこから逃げ出した自分。
    「私」は、事件を小説として発表することで情報を集めようとするが―。

    ・染み
    ・お祓いを頼む女
    ・妄言
    ・助けてって言ったのに
    ・誰かの怪異
    ・禁忌

    6編からなるホラーミステリー…?連作短編集。
    短編怪談集って言えばいいのか…?
    ホラーを殆ど読まない私には十分怖かったです。
    書き出しから実話風なのが、これは作者本人の実体験なのでは、
    と思わされ引き込まれ、とても怖くなった。

    読みながら心がザワザワして止まらない。
    実話なのかそうではないのか?
    登場する人々が皆普通の人達ばかりで、
    身近に感じられるのも怖さを引き立てられた。
    もしかしたら、自分の近くにも…って思わされた。

    タイトルも意味深で、
    装丁も表も裏もゾワッとしました。
    ラストに全てが繋がる…。
    ラストまで怖さを楽しめ(!?)ました。

    とにかく、関係の無い亡くなった方に手を合わせないようにしよう。
    縁を作らないようにしよう。
    そして、決して疑わない事…。

  • 次々に怪死する人々。御札、細かいパーマのかかったソバージュ、疑い、神楽坂、変な声。5つの短編がある一人の占い師によって繋がっているとわかった瞬間ぞわわわわ。
    え?これってフィクションだよね?と思わず前後帯まで見直してしまった。
    榊さんとは未だ連絡がとれないのだろうか。

  • 実録風の怪談短編集。残業して誰もいなくなった薄暗いフロアや夜の暗くなった病院の廊下とか、日中は何てことないのに日常に潜む薄気味悪さ、叫びたくなるほどじゃないけど、ひたひたと迫ってくるような怖さの中に人間の思惑が絡みミステリー要素も含まれていて面白かった。最後の一行にひえ~っ!それで、どうなったの?!となる余韻を残す絶妙な終わり方で全部がつまびらかにならない終わり方もこの作品の場合はよかったと思う。

  • 現代の怪談話
    「私」が新潮社の連載のためにネタを集めているという体裁をとっている。
    怖い話が苦手な人はやめたほうがいいのかもしれないけれど、長い車中などの暇つぶしにはちょうどいいでしょう。

  • 2019年、本屋大賞受賞作品。
    読み始めてから気付きましたが、、ホラー小説でした。
    あかーん。
    慣れてないからビビりながら読んでました。
    ほんとリアルな短編集。

    疑ったらあかん!
    縁も作ったらあかん!
    タイトルはシュールやんね。
    でも、もう二度と読まへん!

  • 最初、長編かと思い込んで買ったら短編集だったっていう。。。
    読んでみて、2話と3話は流石に怖いし気持ち悪い!ってゾクゾクした。
    でも帯に書かれたような、どんでん返しの波状攻撃、一気読み不可、寝不足必至!みたいにのめり込むような状態にはならなかっただけに、残念だった。あ、余談でこの本の裏表紙に紅い血のシミみたいなデザインが3つ施されているけれど、これ、よーく見てみてください。分かりづらい人はルーペで見ると分かりますよ。

  • 頑固、とは違うがなんとも意固地? こうだと自身の芯を通した結果というのが悪い方へ悪い方へと転がっていく様を見せつけられるのは後気味悪いの一言しかない。

    第四話の『助けてって言ったのに』を読み終えた時点では上記の感想と、帯の売り文句は攻めすぎだ。なんて考えていた。ところがっどっこい五話のなんとも感想にしづらいのだが――かつて、この世で、誰かとの関わり合いの中で生きていた人。――という霊とはなんなのか、作者なりの解答を読みながら、自分もそこまで踏み込んで考えたことなどなかったと気づいた。
    そして最終話。これを読んだときの衝撃と言ったらもう!
    これはある種、呪いの域にまで達しているのではなかろうか。そうでなければ、説明がつかない、いや、そうであった方が一読者としてより恐怖感を楽しめるのではなかろうか。

    個人的には新潮社のHPに掲載されている、榊桔平氏の書評も読んでもらいたい。より恐怖を煽ってくれるだろうから。文庫本化のさいには氏の書評と、編集部の注意書きも合わせて印刷されることを望まずにはいられない。

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著者プロフィール

1984年生まれ。千葉大学文学部卒業。出版社勤務を経て、2012年『罪の余白』で第3回野性時代フロンティア文学賞を受賞しデビュー。著作に『今だけのあの子』『悪いものが来ませんように』『いつかの人質』『雨利終活写真館』『獏の耳たぶ』、最新作に『バック・ステージ』がある。

「2018年 『いつかの人質』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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