火のないところに煙は

著者 :
  • 新潮社
3.45
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本棚登録 : 3967
感想 : 506
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103500827

感想・レビュー・書評

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  • 2020/09/10読了
    #このミス作品48冊目

    ホラーオムニバス。全5話
    著者が取材で得たエピソードを
    まとめたというもの。
    ホラーが苦手な私でもまだ読めるレベル。
    最後無理やり5話を関連づける意味は
    あったのか疑問。

    第3話「妄言」がゾクっとした。

  • ★3.5

    「神楽坂を舞台に怪談を書きませんか」
    突然の依頼に、作家の「私」は、かつての凄惨な体験を振り返る。
    解けない謎、救えなかった友人、そこから逃げ出した自分。
    「私」は、事件を小説として発表することで情報を集めようとするが―。

    ・染み
    ・お祓いを頼む女
    ・妄言
    ・助けてって言ったのに
    ・誰かの怪異
    ・禁忌

    6編からなるホラーミステリー…?連作短編集。
    短編怪談集って言えばいいのか…?
    ホラーを殆ど読まない私には十分怖かったです。
    書き出しから実話風なのが、これは作者本人の実体験なのでは、
    と思わされ引き込まれ、とても怖くなった。

    読みながら心がザワザワして止まらない。
    実話なのかそうではないのか?
    登場する人々が皆普通の人達ばかりで、
    身近に感じられるのも怖さを引き立てられた。
    もしかしたら、自分の近くにも…って思わされた。

    タイトルも意味深で、
    装丁も表も裏もゾワッとしました。
    ラストに全てが繋がる…。
    ラストまで怖さを楽しめ(!?)ました。

    とにかく、関係の無い亡くなった方に手を合わせないようにしよう。
    縁を作らないようにしよう。
    そして、決して疑わない事…。

  • う~ん、怖かった...
    怖いけど引き込まれて一気読み。

    蒸し暑い夜なのに、読み終わったあと背筋がゾーっとして、扇風機をとめてしまった。
    夏に最適な一冊。

    決して疑うことなく読み進めてください

  • 夏がくると読みたくなる、ぞわぞわ系ミステリーホラー。神楽坂を舞台にした短篇なのですが、展開の恐ろしさとカリカリ引っ掻かれるような不安、そして背筋の凍る最後に圧倒されます。
    芦沢央さんの著書はこれが初めてでしたが、いままで読んだホラーやミステリーとも違う、淡々としているのに鮮明な描写に引き込まれました。

    この本を読むデメリットとしては、読者を騙すのも怖がらせるのも巧みすぎるゆえ、読後のイヤ〜な爽快感(?)が忘れられなくなること。
    この作品が好きなら…というオススメがあればぜひ教えてほしいです。お願いします。

    • はるさん
      まーちゃんさん、コメントありがとうございます。オススメ嬉しいです!ぜひ読んでみますね
      まーちゃんさん、コメントありがとうございます。オススメ嬉しいです!ぜひ読んでみますね
      2021/05/28
    • まーちゃんさん
      返信、ありがとうございます。

      あと、同じ作家さんの、確か「3歩前を歩く」?みたいなタイトルのも、面白かった記憶が…タイトルが曖昧で、ごめん...
      返信、ありがとうございます。

      あと、同じ作家さんの、確か「3歩前を歩く」?みたいなタイトルのも、面白かった記憶が…タイトルが曖昧で、ごめんなさい。

      楽しんでもらえたら、嬉しいです。
      2021/05/28
    • はるさん
      「二歩前を歩く」でみつかりました!こちらも読んでみますね、ありがとうございます:)
      「二歩前を歩く」でみつかりました!こちらも読んでみますね、ありがとうございます:)
      2021/05/28
  • 読むたびに違う顔を見せてくれる芸達者な作家さん。これを読む前に『バックステージ』を読んでいたので、あまりのギャップに驚いた。

    こちらは、これ、実話なの?と思えるほどの臨場感たっぷりに実録風に描かれていて、読み終えた今もなお思考が追いついていかない。正直、実話と言われた方がしっくりくるくらいで、これをフィクションと言われた方がビックリしてしまう。

    それにしても、後からゾクゾクくるホラー。芦沢さん本人が怪談特集の依頼を受けるところから物語が始まる。周りでそういった経験をしている人たちにインタビューをし、それを短編集として本にするわけだが、その一つ一つのエピソードが怖く、インタビューを受けた本人であったり、その周りの人が亡くなったりする。そして、最終章では、それらのエピソードには、必ずといってある占い師が絡んでいることがわかるー。

    第5話で、娘を亡くしたおばあさんが、隣の大学生のところに霊が出る話を聞き、その霊を感じ取れるようになりたい。というような内容がある。
    確かに普通、霊とは誰も関わりたくないってのは当たり前のことだろうが、その人には特別の霊ってのがいるわけで、それは怪談ではなく、もう一度新たに触れることができる娘との物語だったとある。私も兄、父親、祖父母を失くしているのだが、そうした気持ちは痛いほどわかるなぁと思った。遺族としては、絶対にそう思ってしまうもの。芦沢さんは、そうした経験をされているのかはわからないが、その捉え方に関心してしまう。

    さて、ラスト。このラストは本当に怖い。芦沢さん、フィクションなんですか?ノンフィクションなんですか?

  • 怪談5篇。
    ゾワッとする怖さと面白さ。怖さに可愛らしさがあるみたいな冷たい感じがしないところが良かった。
    考えてみれば何事も「火のない所に煙はたたない」わけで、因果応報というか、確かに原因があるとは思うのだけど、それが随分と遠くにあると、ただただ怖いだけ。
    1話から5話にむかって、その原因からどんどん遠ざかっていくのだから、禁忌を読んでから、あぁそういうことですか。でも、どうしたらいいの?

    短編集ではなく、全部含めて一つの「怪談」話。芦沢央さん、こういう所が面白い。

  • 私のイヤミスの女王、芦沢央さん。『驚愕の展開とどんでん返しの波状攻撃、そして導かれる最恐の真実。読み始めたら引き返せない!』何だと!これは読まねばならないな。今回は当ててやる!!ファイト、カーン!5編はホラーで、本当に怖かったけど、まぁまぁ分かったぞ。どこがどんでん返しなんだ?俺の勝ちなのか?6章、えっつ、そうなの。。。あの怪異は、●●●によるものではなく、●●●に向けられていたのか・・・、えっ、●さんどこにいるの?わー、完敗だよ。0勝2敗1引き分け。 あはははははははははは。

  • これらの怪談は、本当なのか、嘘なのか?
    巧みなストーリー展開で、読者は常にこの疑問をいだきながら読み進める。むしろ小説の結末よりも、これがフイクションなのかを探りながら。気がつけば一気読みしていた。

  • ミステリ作家が書くホラー短編集。
    これは好きだなー。
    フィクションなのか実話なのか…と読者につい考え込ませてしまう作品は、
    もうそれだけで当たりだと私は思う。

    一つ一つの話はそれ程パンチ力は無いのだけれど、
    最後にやられた。
    色々な意味で鳥肌モノ。

    榊桔平さんで検索をかけると更に怖い。
    新潮社も手が込んでいるな。

  • ホラー、怪談を描いた小説は初めて読んだのですがゾクゾクさせられる瞬間がとても良かった。
    この本では5つの怪談と最終話で構成されているので読みやすくもあった。
    最終話に進むにつれて5つの話が少しずつ繋がっていくので一気読みするのがオススメです!
    (私は登場人物や話を忘れがちなので…同じようなタイプ人は是非一気読みを!)

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著者プロフィール

1984年東京都生まれ。千葉大学文学部卒業。出版社勤務を経て、2012年『罪の余白』で、第3回「野性時代フロンティア文学賞」を受賞し、デビュー。16年刊行の『許されようとは思いません』が、「吉川英治文学新人賞」候補作に選出。18年『火のないところに煙は』で、「静岡書店大賞」を受賞、第16回「本屋大賞」にノミネートされる。20年刊行の『汚れた手をそこで拭かない』が、第164回「直木賞」、第42回「吉川英治文学新人賞」候補に選出された。その他著書に、『悪いものが、来ませんように』『今だけのあの子』『いつかの人質』『貘の耳たぶ』『僕の神さま』等がある。

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