火竜の山: 南アルプス山岳救助隊K-9

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103504115

作品紹介・あらすじ

これは、ただの“災害現場”ではない! アドレナリン全開の極上エンタテインメント。高速道路が開通して人気の新羅山。新設された山岳救助隊のため講演に訪れた南アルプス警察署の夏実と静奈、登山サイトの同行者募集に応じた沙耶、そして一人さまよう傷だらけの少年……山に噴火の兆しが現れた時、人間たちの絆が試される。パニック・アクション×クライム・サスペンス=一気読み必至の山岳ミステリ!

感想・レビュー・書評

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  • 前作ではテロリスト集団との対決だったが、今回相手するのは何と噴火する火山。
    舞台は、慣れ親しんだ北岳ではなく、新羅山という架空の山。止まない火山性微動、やがて噴火が始まり、噴石の落下に火山灰が降りしきる中、残された登山者の救出に向かう星野夏実と神崎静奈。そして二人の相棒(バディ)救助犬のメイとバロン。
    迫りくる火砕流に加えて、さらに誘拐犯の男女、彼らを追う殺し屋までが、彼女たちの前に立ちふさがる。
    エンタメの醍醐味を、予想を超えて味わせてくれる手に汗握る山岳警察小説。

  • シリーズ第3弾。
    タイトルから、御嶽山の噴火の話かと思ったけど、御嶽山の噴火で出してしまった被害を教訓にした架空の山・新羅山の噴火で活躍する夏実たちの様子を描く。
    今回の舞台は、新しく出来た高速のおかげで、観光客が激増した新羅山を擁する岐阜県の狩場。その狩場署の依頼で山岳救助犬のデモンストレーションで、夏実と静奈は狩場へやって来ていた。
    そのデモンストレーションの最中から起こり出した地震により、新羅山の噴火の可能性があることから、夏実たちも地元の山岳救助隊と一緒に登山客の下山のフォローのため、山に入る。そこで見つけた救助者は、いろいろな問題を抱えており…
    御嶽山の噴火は大変ショッキングであり、その後の危機管理がいかに大事なのか、この作品からも伝わって来る。残念なことに、どんな時でも自分勝手な人間がいることも…
    誘拐事件の件は、別に無くてもいい気はするけど、何だかんだと今回も一気読み。南アルプス山岳救助隊とのメンバーの出番が少ないのが、少し寂しい。

  • 嫌な事は同時に来る
    噴火で大事な家族が危険な目に遭う・・・だけじゃない!
    誘拐事件からの、やくざの落とし前、殺し屋との対決などなど、同時多発にごった煮からのすっきり解決
    オヤ、ロマンスも混ぜました?

  • *
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    『火竜の山 南アルプス山岳救助隊K-9』
    樋口明雄
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    高速道路が開通して人気の新羅山。新設された山岳救助隊のため講演に訪れた南アルプス警察署の夏実と静奈、登山サイトの同行者募集に応じた沙耶、そして一人さまよう傷だらけの少年……山に噴火の兆しが現れた時、人間たちの絆が試される。パニック・アクション×クライム・サスペンス=一気読み必至の山岳ミステリ!
    (amazon内容紹介より)
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    面白かった!
    色々な人がバラバラに同時進行で動いて行くんだけど、映画を観てるようで、ハラハラドキドキな展開に一気読み!
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    火山の噴火なんて滅多にあるものじゃないけど、ちょっと前の御嶽山の噴火や、子供の頃見て衝撃を受けた雲仙普賢岳の噴火。
    日本は火山大国だから、いつ何があるか分からないなぁと改めて思った。
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    日本人は、「自分は大丈夫」と考えて逃げ遅れる(正常性バイアス)ことが多いって書いてあって、その通りだなーと。
    ちょっとでも危険とか違和感とか感じたら、恥ずかしがらずに逃げたりした方が良いよね。
    絶対。
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    この本は、山岳救助隊と山岳救助犬が主人公なんだけど、犬の健気さに途中涙が出そうになって電車の中で困った。
    山岳救助隊って、ホントにすごい!
    毎日の訓練の賜物なんだね。
    あと、自衛隊の活躍も描かれてるからそういうの好きな人も楽しめると思う。
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    樋口明雄さんの本を読むのは初めてで、しかもこれシリーズ物で何冊目かだったみたい。
    でも、この本からで十分楽しめた。
    面白かったから、他のも読んでみなきゃ!
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  • 『南アルプス山岳救助隊K-9』シリーズ四作目(全八作)
    今までは遭難者救助がメインのシリーズだったが、この作品は誘拐事件を絡めた珍しい展開であった。
    今作が初読の方は、次はシリーズ第一作の『天空の犬』を読むことを強くお勧めします。

  • おなじみの天空の犬シリーズで、なぜか読んでいなかったこの一冊。
    最初から、大風呂敷に構成要素をバンバンばら撒いていく感じて、なんとなく筋書きが読めてしまうような気がしたが......
    構成要素は見えていたとしても、物語の中で夏美や神崎巡査が暴れまわると、もうあとは物語に引き込まれるだけ。
    いつものように最後まで一気に読了。
    作者にしてやられた感じは少し残るが、面白かった。

  • 異変が起きた山にいる人々、K-9チーム、更には誘拐事件と目まぐるしく視点が変わります。
    物語に入り込むまで少し混乱しましたが、一気に読ませるエンタメ性は相変わらずですね。
    あと少しで山頂だし引き返すのはもったいない。その気持ちは理解できるし、自分が大事に
    巻き込まれる可能性を考えもしない楽観視も分かるんだよなぁ。日本人はそういう傾向が
    強いそうですが、治安の良い国で暮らしているからなのかな~なんて思ったり。

  • 南アルプス山岳救助隊K-9の一員、神崎静奈・星野夏美。彼女たちのパートナーである救助犬ジャーマン・シェパードのバロンとボーダーコリーのメイが活躍する。活火山の爆発・誘拐事件・親子の絆などが織りなす緊迫した条件下での人間模様などがうまく描かれている秀作。

  • K-9シリーズ第四作。
    突如噴火が始まった活火山を舞台に、救助犬の講演で居合わせた夏実と静奈、誘拐犯の男女と誘拐された少年、誘拐犯たちを暗殺に来た殺し屋、ネットで集まっただけのバラバラのパーティー、火山研究をしている大学教授の物語が展開する。

    登場人物が多すぎたからか、終盤はバタバタと収束していく。もう少し登場人物を絞ってそれぞれの物語を掘り下げても良かった気がする。
    特に殺し屋の話とか、影のある北川とか面白そうだったけど。

    山で二度も地震が起きているのに下山しないという判断はちょっと理解出来ない。噴火に無関係だとしても山崩れの心配があるし、ましてや本編で度々触れられているように御嶽山の悲惨な例もあるのだから、何か少しでも異常なことが起きた時は下山する決断が重要。こうした非常識な人間がいるから、救助隊や自衛隊、消防士や警察官などが命を張らなくて良い場面で命を危険に晒さねばならなくなる。
    沙耶のように周りに逆らって決断出来ない人間もいるわけで、パーティーの統率力、特にリーダーの責任感や統率力は重要だと感じた。

    それにしても夏実より静奈の方に先に春が来るとは。でも嬉しい。
    このラストがあっての次の作品でのあの場面に繋がるのかと納得

  • シリーズもの。手元に第1作があったのに、この作品から読んでしまった。山岳救助隊に所属する女性隊員が出張先で巻き込まれる噴火と事件のお話。

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著者プロフィール

1960年山口県生まれ。明治学院大学卒業。雑誌記者を経て、87年に小説家デビュー。2008年『約束の地』で、第27回日本冒険小説協会大賞、第12回大藪春彦賞をダブル受賞。2013年刊行には『ミッドナイト・ラン!』で第2回エキナカ大賞を受賞。山岳救助犬の活躍を描く「南アルプス山岳救助隊K-9」シリーズの他、『狼は瞑らない』『光の山脈』『酔いどれ犬』『還らざる聖地』、エッセイ『北岳山小屋物語』『田舎暮らし毒本』などの著作がある。有害鳥獣対策犬ハンドラー資格取得。山梨県自然監視員。

「2022年 『南アルプス山岳救助隊K-9 それぞれの山』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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