五つ星をつけてよ

著者 :
  • 新潮社
3.60
  • (11)
  • (35)
  • (31)
  • (2)
  • (3)
本棚登録 : 265
レビュー : 33
  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103504313

作品紹介・あらすじ

既読スルーなんて、友達じゃないと思ってた。ディスプレイに輝く口コミの星に「いいね!」の親指。その光をたよりに、私は服や家電を、そして人を選ぶ。だけど誰かの意見で何でも決めてしまって、本当に大丈夫なんだろうか……? ブログ、SNS、写真共有サイト。手のひらサイズのインターネットで知らず知らずに伸び縮みする、心と心の距離に翻弄される人々を活写した連作集。

感想・レビュー・書評

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  • 手のひらサイズのインターネットで知らず知らずに伸び縮みする
    心と心の距離を描いた6つの短編集。

    ・キャンディ・イン・ポケット
    ・ジャムの果て
    ・空に根ざして
    ・五つ星をつけてよ
    ・ウォーター・アンダー・ザ・ブリッジ
    ・君に落ちる彗星

    通学のときだけ会話する関係であった女子高生の卒業式の物語。
    既読スルーなんて友達だと思っていなかった…。
    夫を亡くし自分から離れていった子供達にジャムを送るも子供に疎まれてしまう母親。
    ジャム作りのブログを始めたものの…。
    口コミの星のレビューをたよりに服や家電を、そして人を選ぶ。
    だけど誰かの意見で何もかも決めてしまって本当に大丈夫なのだろうか…?

    登場人物の様子や性格が丁寧に描かれている。
    また女性の心理描写がとても丁寧で、女性が生活の中で感じる日々の思いや、
    どこにでもいそうな等身大の女性達に共感を感じました。
    全体に重苦しいイメージ。
    読んでてドヨンとしたりゾッとしたりヒリヒリするお話が多かった。
    でもキャンディ・イン・ポケットは明るくて前向きになれて良かった♪

    どのお話もSNSやネットショッピングをほんの少ししている私にはヒリヒリ痛かった。
    誰もがインターネットやSNSを利用してるんじゃないかなぁ。
    その影響って大きくなっていて軽く依存している所がある。
    誰もがきっと思い当たると思う。
    ちょっと、苦い読後感でした。

    • けいたんさん
      こんばんは(^-^)/

      私もSNSをしているので胸が痛くなりました。
      ちょっとした事で人を羨む気持ちがあってそれが大きくなったら妬...
      こんばんは(^-^)/

      私もSNSをしているので胸が痛くなりました。
      ちょっとした事で人を羨む気持ちがあってそれが大きくなったら妬みになったりするのかなと思うと怖くなります。
      自分は自分って思えるように強くなりたいです。

      初めて知った作家さんですが、今にぴったりなお話を書かれる人ですね。
      2016/12/26
    • しのさん
      こんばんは(*'ω'*)
      こちらにもコメントありがとうございます。とっても嬉しいです。
      そうですよね~現代ではネットやSNSに無縁の生活...
      こんばんは(*'ω'*)
      こちらにもコメントありがとうございます。とっても嬉しいです。
      そうですよね~現代ではネットやSNSに無縁の生活をしている人ってほんの一握りだと思います。
      だからこそ、誰が読んでも心当たりがあったりして胸が痛くなるんじゃないかって思いました。
      私もSNSで何度が嫌な思いもしましたが、そうですよね~自分は自分って思える様に私も強くなりたいって思いました。
      私も初読みの作家さんでしたが、良かったですよ~機会がありましたら是非読んで下さいね(*'▽')
      2016/12/26
  • 5つ星つけてよ、とタイトルでリクエストもあったことだし
    つけましたよ、5つ星^^
    だけど、最後の1ページ(とても意表を突かれてそこだけ何度も読みました)にあったように
    神様にでもなった気分で評価を下したのではありません。
    物語を読む時はいつだって、主人公たちと一緒に
    切なくなったりハラハラしたり悩んだり・・・
    その一体感が多ければ多いほど
    たくさんの星をつけたくなるのです。
    そういう意味でもこの本は、
    正真正銘の5つ星。
    ひとを見下したり見下されたり、ひねくれたりいじけたり
    面倒臭くて人間らしい感情を
    とても素直な気持ちで受けとることができました。
    素敵な本です。

  • 6篇からなる短編集。
    家族のため、最大限の愛情を注いできた。
    でも疎ましく思われてしまう。
    母親の自己満足がたっぷりと沁みた
    甘い愛情を書いた「ジャムの果て」が良かった。
    思春期の娘のシルエットに、自分の姿を重ねる母娘を描いた「ウォーター・アンダー・ザ・ブリッジ」はハラハラしながら読み進めた。
    〈どうしてあんなに許せないことばかりだったのだろう。完璧なものしか欲しくなかった〉。「ウォーター・アンダー・ザ・ブリッジ」で、母親が中学の頃の自分を回想するシーンの一文。
    あー、分かる!
    思春期の頃は、小さなことが、とても大切に思えて仕方なかった。
    奥田さんの次回作が待ち遠しい。

  • ネット上のレビューや口コミや星の数を気にしたり、他人の意見に振り回されたり、言論の自由を盾に好き勝手意見を述べたり。
    正に自分が普段やっていることが書かれていたのでドキッとした。
    タイトルや表紙から可愛らしい印象を受けていたけれど、痛い内容でした。
    良い短編集。

  • インターネットにまつわるオムニバス

    「キャンディ・イン・ポケット」
    登校時だけの友情。彼女と自分は釣り合わないと思っていた。卒業式の日の、これで最後なんだという寂しさと名残惜しさと未来への期待の混じった空気で、いつもの学校がまるで違う空間になってしまうあの感覚。思い出すとやっぱり青春って何者にも変えがたい時間なんだなと思う。

    「ジャムの果て」
    夫に先立たれ、娘にも息子にも相手にされず、ジャムを作ってはブログを更新する主婦の話
    子育ても家事も、どんなに尽くしても報われないものなのかもしれない。

    「空に根ざして」
    昔の彼女の結婚をSNSで知る。結婚したかった彼女に答えられなかったのは、自分なのに。

    「五つ星をつけてよ」
    要介護の母と二人暮らしのバツイチ女性。昔から、母に良いと言われた物を選んできた。母を頼れなくなった今、レビューの星の数だけを頼りに物を買う。自分で選んだ結婚は、失敗だったから。

    「ウォーター・アンダー・ザ・ブリッジ」
    ネットで知ったバンドマンに恋をした中学生の話
    繋がれるバンドマンは、よろしくない。
    ひどくのめり込む前に気持ちが冷めて本当に良かった。
    だめ男だと気付いて離れられた彼女は中学生ながらしっかりしているなと思った。大人でもそれができない人って案外多いものだ。

    「君に落ちる彗星」
    誰からもうらやまれるような生活をブログに上げながら、夫からモラハラを受けて家を出ら決意をする元アイドル
    その元アイドルのブログのオチスレに書き込みをして鬱憤を晴らす女。表参道のレストランで華々しく働いていたものの、不倫がバレて慰謝料のためやむなく地方の実家に戻って働いて、そのままずるずると生活を続けている。
    そのオチスレに張り付いて、書き込むでもなくただ高みの見物を決め込んでいる青年。彼の母が宗教の先生をしているおかげで楽な仕事にもつけず、ただ生きながら母親の信者と不倫をする。
    救いがない。この、救いのないままならない現実の雰囲気は窪美澄を思い出した。

  • 生い立ちの中で何か大事なものを欠いていて、自信を持てず、他からの承認や評価なしには自分の存在に危うさを感じる人々の短編集。情報過多の時代に口コミ、マニュアル等で正解が1つのような風潮。便利だが、試行錯誤する機会が奪われていることは裏腹。作品の中に私を見ているような気分になる。行間で母と娘/息子の物語と読めた気がする。献身的に家族に尽くし、子どもに介入し過ぎるあまり、自立を受け入れられず、甘すぎるジャムを作り続ける母の『ジャムの果て』が印象的。邪険にされる手作りジャムが実は母の自己愛なのね。上手い。

  • SNSに纏わる短編集。然り気無い情景描写が瑞々しい。やわやわとした苦味を感じる、大人になった子供達に拒絶と現実を突き付けられるジャム作りが趣味の母親、バンド大学生と付き合う中学生と青い詞と許せない事ばかりだったあの頃、元アイドル主婦とヲチスレの住人の話が印象的。気を許した故の既読スルーの友情もすき。

  • インターネットが生活の一部になった現代社会の、あるかもしれない短編集6編。
    最後はちょっぴり意表を突く仕掛けがあったけれど、全体的に現代あるあるだなぁと思うものの、ズバ抜けてよかった~と思うものもなく、ぼんやりした印象。
    もっと尖ってるのかと思ったので、やや期待外れ。

    ≪キャンディ・イン・ポケット≫
    既読スルーする友達。
    ≪ジャムの果て≫
    ブログにコメントをくれる男性と実際に会うことになり…
    ≪空に根ざして≫
    インスタに空の写真ばかり投稿する男性。
    ≪五つ星をつけてよ≫
    レビューばかり気にする女性が、母親の介護士に疑念を持って…
    ≪ウォーター・アンダー・ザ・ブリッジ≫
    ツイッターで大阪のバンドマンと出会い、付き合うことになった少女。
    ≪君に落ちる彗星≫
    元アイドルのブログ。匿名掲示板のヲチスレに住む女性、ヲチスレをヲチる男性。

  • 表紙がかわいい。
    話の展開がちょっと無理やりな部分がある気がして腑に落ちないところがあった。
    風景の描写が想像しやすくて、お話の中に入りやすかった。

  • 短編集。snsや買い物するときの他人の評価とか 今どき。

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著者プロフィール

奥田 亜希子(おくだ あきこ)
1983年愛知県生まれ。愛知大学文学部哲学科卒業。2013年『左目に映る星』(「アナザープラネット」を改題)で第37回すばる文学賞を受賞しデビュー。他の著書に『透明人間は204号室の夢を見る』、『青春のジョーカー』など。

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