リバース&リバース

著者 :
  • 新潮社
3.35
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本棚登録 : 126
レビュー : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103504320

作品紹介・あらすじ

あなたは覚えていますか? あの日贈ってくれた言葉が、私の世界を全て変えた。ティーン誌の編集者の禄はお悩み相談ページを担当しているが、かつての投稿者との間にトラブルを抱えていた。一方、地方に暮らす郁美はその雑誌の愛読者。東京からの転校生が現れたことで、親友との関係が変わり始める。出会うはずのない二人の人生が交差する時、明かされる意外な真実とは――。静かな感動が胸を打つ長篇。

感想・レビュー・書評

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  • ティーン誌の悩み相談担当の編集者が主人公。
    モデルたちのさざ波のようなお喋り、聡明な女子大生バイトたち、雑誌編集を支えるプロたち。読者とのねじれた関係性や、私的な鬱屈なども描かれているけれど、全体的に清潔で生真面目な空気感をまとった小説。ラストで繋がる伏線も控えめだけれどうまく活きている。

  • 女子中学生と女子中学生向け雑誌男性編集者2人の別々の視点で物語は交互に進む。友達への独占欲や、今となっては通過儀礼とわかる自己承認欲求の若い頃のぶつかり合い等、ヒリヒリ描写は奥田さんらしい。ただ過去の出来事が喉元にひっかかり、誰かを救わなければと思い込む男性編集者の存在や、その危うさの描き方が私にはちょっとピンと来ず残念。小説は突き詰めれば、他人の悩みを書いたもので、架空の人物の苦悩を読むために時間やお金を差し出すことのクダリには納得。

  • デビュー作から大好きです。毎回新刊読むたび好きになってます、奥田さん。今回の作品もすごく良かった。
    ろく兄の親身なアドバイス、そしてそれぞれが抱える悩みや葛藤。温かくなるような言葉と、辛辣な言葉がぐさりとくる。ラストの爽快さも好き。
    この中に思春期のあの頃、そしてそのトラウマへのアドバイスや欲しかった言葉がギュッと詰まっています。

  • 真剣に対応していれば、それをちゃんと理解してくれる人もいるのだ。

  • ●田舎町の二人の女子中学生と都会からの男子転校生の物語と○中学生向け雑誌の編集者の物語が交互●○に語られます。はじめの1/3位まではもたついていますが、そのあとゾワゾワした感じになり、急かされるように一気に読んでしまいました。タイトルには、否定する側とされる側は入れ替わること(reverse )、また、やり直せること(rebirth)の意味があります。リアリティがあり、技巧的な作家さんですね。

  • ティーン誌の編集者として悩み相談の頁を担当する禄とアルバイトの女子大生、親友が転校生に恋をしたことに焦り気持ちを打ち明け拒絶される愛読者の郁美。仕事模様も学生模様もナチュラルでするすると入って来る。中学生らしいリアルな毒に対し真っ向から説教臭くなく伝える禄の真摯さや登場人物たちの完璧でなさが響く。

  • 最近忙しくて本棚管理をできないうちにだいぶ時が経ってしまい・・記憶が薄れ気味。読んだらすぐに書かないとね。

    もはや読後の印象もおぼろげになってしまったが、まあつまりその程度だったという事か笑。読んでる最中は楽しかった印象が。ああ、この子供がいまのあの人なんだな、というのがつながって行くのも。でもね、やっぱり同性愛系は苦手、というか途端に心に響かなくなっちゃう。

    一生懸命書いたものが誰かの救いになったり勇気付けになったり、というのはいいね。そういう事は絶対になると思う。

  • ふたつの世界がだんだんつながる。最初のお悩み相談はそういうことだったんだなと。

  • ティーン誌で女子中学生の悩み相談を担当している禄、読者である女子中学生郁美の視点が交互に描かれる作品。 かつての投稿者に振り回されながら、自身の仕事の意義を見失う禄。一方、郁美は転校生により今まで友好関係が変化し、悩んでいた。 禄、郁美、どちらの悩みも等身大のもので、だからこそ安易なハッピーエンドは見たくないなと思いながら読み進めていった。そんな不安は見当違いで、読者と製作者、お互いに信頼し合い、ちょっと視野が広がるラストは小さな変化でしかないものの、大きな感動がありました。大好きな作品です。

  • 最初はこれは誰だ…?と思う途中での視点の切り替わりだったけど、だんだんと分かってくるのでストレスなく読めた。
    もう一度読み直してあぁこれ伏線だったんだとか確認できる。
    人は否定する側に居続けることはできない。

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著者プロフィール

奥田亜希子

1983年愛知県生まれ。愛知大学文学部卒業。2013年、「左目に映る星」ですばる文学賞を受賞しデビュー。『ファミリー・レス』『五つ星をつけてよ』『リバース&リバース』『青春のジョーカー』など著書多数。

「2020年 『愛の色いろ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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