究極にうまいクラフトビールをつくる キリンビール「異端児」たちの挑戦

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103504917

作品紹介・あらすじ

クラフトの聖地・代官山「スプリングバレーブルワリー」はこうして誕生した。大量生産に背を向けた型破りの挑戦は、最悪の業績にあえぐ巨大メーカーの片隅で始まった。個人の嗜好に合わせたビールを、つくったその場で飲んでもらいたい! ビールこそ最高の酒と信じる者たちが始めたプロジェクトは、やがて最先端のクラフト専門店として結実する。開店以来超満員の続く店の奇跡を描くノンフィクション。

感想・レビュー・書評

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  • 1.①なぜ個性が必要なのか②ビール業界の概要を知る

    2.ビール業界が1994年を機に飲む人口が減りはじめ、いかにシェアを拡大させるかが当時の課題となっておりました。そのため、コストを抑えていかに安く製造するかに躍起になっていましたが、和田と田山は「究極御ビールを作る」といい、それを見ていた桜子が乗っかっていくことから物語は始まります。
    そこからはトレンディ島田や清水といったキーマンとの出会いを描きつつ、キリンという会社の中で消費者に対していかに美味しいビールを提供していくかを考え、事業に取り組んでいきます。

    3.①個性とは、人に選択肢を与えるものだと思いました。各々が違うからこそ、魅力が出てきます。人間は飽きてしまう生き物であり、常に刺激を求めています。そんな中で、選択肢があるということは豊かさにつながるのだと思います。
    ②ビール業界はスーパードライの登場によって大きく変わっていきます。そこでアサヒ以外の企業がどのようにしてこの牙城を崩していくか、別のジャンルでトップシェアを勝ち取っていくか、本当の意味での教をが始まりました。私個人としては、サントリーはウイスキーの導入、アサヒはスーパードライ、キリンは・・・というイメージでした。しかし、2020年にアサヒはビール類のシェアがトップになっていたことに驚きました。正直、お酒が飲めないので、ビールについて調べもしなかったのですが、マーケット事情とビールの歴史を知っていくと、このような面白い激動の時代があったと知ることができたのでまだまだ知りたいと思いました。

  • キリンがクラフトビール事業を始めていくまでの実話を書いた本。私もビールが好きなこともあり、非常に面白い話だったが、物語調ではなく事実を淡々と書いてあるような印象を少し受けた。
    題材は非常に良いので、少々もったいない。書き方によってはもっと面白くなるはず。

  • プロローグ読むだけでめっちゃ興奮する。
    メンバー構成が漫画にできそうなくらい完璧。
    少しずつ仲間を増やしていくところもRPGめいてて良き。

  • ドイツでは例えば、農家が地域のビール醸造所に「この麦でビールを作ってくれ」と原材料を持ち込むのだ。地域と一体になったビールづくり。教会でビールを作り、その鐘の音が聞こえる範囲で飲むという地産地消のビール文化。

  • 大手ビールメーカーであるキリンビールで、クラフトビールのブルワリーを立ち上げた社員のお話し。

    若者のビール離れ、という言葉の通りビール市場は年々シュリンクしていて、そんな状況に危機感を感じた社員のボトムアップ的行動が話の発端なのである。物語は少しプロジェクトX風だがメンバー一人ひとりの経歴や、実際に「大聖堂」が出来上がるまでのストーリーは大変面白かった。

    実は自分もここ数年、国産クラフトビールとか、ドイツやベルギーのビールを好んで飲んでいる。大手メーカーが作る均一的なビールの味に飽きてしまったからだ。しかし輸入品だと350mlサイズで約400円と、まだまだ気軽に買える値段ではないのが難点である。個性的なビールが大手メーカーの参入によって、手頃な価格で販売されるようになるのは非常にありがたい。

    そして機会があればスプリングバレーブルワリーへ行って、ビアアンバサダーの話を聞きながらゆっくりとビールを楽しんでみたいものだ、ぜひ札幌にも出店してください。

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著者プロフィール

1958年群馬県生まれ。明治大学経営学部卒。東京タイムス記者を経て、フリージャーナリスト。著書には『究極にうまいクラフトビールをつくる』(新潮社)、『ビール15年戦争』『ビール最終戦争』『サントリー対キリン』『人事と出世の方程式』(日本経済新聞出版)『国産エコ技術の突破力!』(技術評論社)『敗れざるサラリーマンたち』(講談社)『一身上の都合』(SBクリエイティブ)『現場力』(PHP研究所)など多数。

「2023年 『日本のビールは世界一うまい!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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