- Amazon.co.jp ・本 (120ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103507420
感想・レビュー・書評
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おばあちゃんが物語に出てくると時間がゆっくりと過ぎていく気がする。
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四時過ぎの船
著作者:古川真人
タイムライン
https://booklog.jp/timeline/users/collabo39698 -
【少し変わるためのきっかけを】
この本を読み終わるときには、主人公が前に進んでたらいいなと思いながら読んでいました。
目の見えない兄を持つ主人公の稔は、兄と二人暮らし。兄の介護のため無職、ということにしている。でも、彼の中には「おれはこれからどうなるんやろう?」という不安を抱えている。
読みながら、今の状況をよくないと思っているなら、何か働き出すためのきっかけが出てくるといいなと思ってました。
私が思っていたものとは違いましたが、今までとは少し違う、何かが変わるきっかけに出会えてよかったなと思いました。
また、主人公の祖母の場面を読んでいると、認知症になった人の思考が描かれていて、こういう感じなのでしょうか。認知症になった人のことを想像したことがなかったのでいい刺激になりました。 -
「四時過ぎの船でミノル着く」
ぐるぐると同じところをまわる思考。指の間からこぼれ落ちる記憶。意のままにならない心身をかかえる老女の漠とした不安は、十数年後に孫であるミノルが持つ不安と何故か似ている。属するところもなく、盲目の兄の世話をするという大義名分にしがみつくミノル。そんな根っこのない自分への苛立ちは時として兄にぶつけられる。
いつか船はつくのだろうか。 -
特に何もなし
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芥川賞の候補作品だったようですね。認知症のおばあさんと全盲の兄を支える無職の男。その二人の視点で物語が進んでいる。忘れることと、思い出すことの物語。方言で読みにくく、大きな山場はなく、男の、これからどうしたらいいんだろう、という思い、認知症について、不安を感じさせることばかりだけれど、しっかりと書かれている。最後は、思い出すこともあったし、兄弟の会話、明るい兆しでよかったですね。
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家族って、なんかあせるなあ。じりじりする。