血の雫

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 240
レビュー : 43
  • Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103507628

作品紹介・あらすじ

スマホをタップした瞬間、あなたもターゲットになる――。ネット社会の深層領域に迫る衝撃作。東京都内で連続殺人事件が発生。凶器は一致したものの被害者同士に接点がなく捜査は難航する。やがて事件は、インターネットを使った劇場型犯罪へと発展していく――。前代未聞の「殺人ショー」に隠された犯人の真の目的とは。地道な捜査を続ける刑事たちの執念と、ネット社会に踏みにじられた人々の痛みが胸に迫る社会派ミステリ。

感想・レビュー・書評

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  • これはよかった!!
    ガッツリ一気に行きたいやーつ!!
    さすが相場さん!! 他のも読まなくちゃ!!!

  • 「血の雫」
    現代社会に蔓延る危険性に目を向けた殺人事件が発生する。


    警視庁捜査一課継続捜査班・田川信一シリーズ:<a href="https://www.honzuki.jp/smp/book/208146/review/207560/">震える羊</a>、<a href="https://www.honzuki.jp/smp/book/266845/review/208018/">ガラパゴス(上)</a>・<a href="https://www.honzuki.jp/smp/book/266846/review/208422/">ガラパゴス(下)</a>に続く読了。今回は田川シリーズでは無いものの、魅力的な登場人物、題材、ストーリー展開と面白く興味深いものだった。


    まず登場人物であるが、主人公の田伏恵介と長峰勝利が良い。田伏はある事件で心を傷めた強行犯捜査のベテラン。長峰は元ITエンジニアからサイバー犯罪対策課に転身した変わり種。また、田伏はSNSを含めたネット社会に強い抵抗がある。一方、長峰はそれの専門家である。彼らは職場環境とネット耐性において対極にある存在でありながらタッグを組む。ここに、年配と若手と言う年齢差も加わり、互いにぶつかり合いながら信頼関係を構築していく。


    まさにバディものとしては王道スタイル。不貞腐れて見えた長峰が、頼り甲斐のある刑事に見えてくる田伏。自らの過去を話すこと、捜査への熱意を知ることで田伏を信頼していく長峰。元々、実地経験の高い田伏とネット捜査スキルの高い長峰は互いを補完し合える理想的な関係だったが、残虐な事件を追うにつれ、それが実現する。


    題材はネット社会が一つ。犯人は巧妙にネットを駆使して警察を翻弄する劇場型連続殺人事件を起こす。これは現代社会に必ずある危険性に焦点を当てていると感じる。もう一つは偏見、悪意、嫉妬等、全ての人が持ち得るネガティブな感情だ。これらはネットとの相性が良く、現代では匿名を免罪符にした悪行と呼んでも良い理解し難い行為が横行している。また裏アカウントを通じて人の裏の顔も見えてくるし、長峰が<b>独りよがりの善意はたちが悪い</b>と断罪する様なものもある。


    後者は、田伏の心を壊した一件に深く関わっているが、私としては独りよがりの善意ですら無い様に感じた。正直殴ってやりたいくらい。以上、現代社会では無視すべきでは無いことを題材にしている。


    最後にストーリー展開であるが、題材を巧みに活かしながら田伏も長峰もそれぞれ見せ場があり、組んだ時の活躍もある。劇場型連続殺人事件もスリリングがあり、背景を踏まえれば犯人憎しになり切れないところありで引きが強い。個人的にはひまわりの出し方が秀逸だったと思った。


    また、人々の一方的な偏見がネットや人づてを通して与える怖さを全ての人間は深く理解すべきだと作者に言われた気がした。


    因みに、読みながら映像化するなら配役は誰が良いかを珍しく考えてしまった。すぐ浮かんだのは長峰勝利は中村倫也ですね。嵌り役になる気がする。田伏は小日向文世が良いな。

  • 現代社会の暗部というか、人間の醜さを嫌と言うほど痛感する作品。言論の自由という名の下に責任の伴わない戯れ言、流言、罵詈雑言をSNSで垂れ流す。
    ショーペンハウアーだったか、匿名の言論に何の意味も無いと看破したのは。

    原発事故の被害者である福島県民をさながら加害者のごとく罵詈雑言を浴びせる奴ら。他者に対する共感を欠く老害ども・・・その怒りはいつか馬田のような犯罪者を生み出すのでは無いか・・・

  • 4.0 ネットの中での誹謗中傷。原発の被害。色んなことが絡まりながら事件の解決へ。面白かった。一気読み。

  • ミステリー仕立てだったけど、テーマが分散してしまっているので、何をしたかったのかがわかりにくくなったような印象です。

  • 「震える牛」でファンになった相場英雄さんの作品。
    やっぱり好きだわ~。

    ネット社会と言われる現在
    匿名性を盾に垂れ流される愚痴と罵詈雑言
    事件の始まりは全く共通点のなさそうな3人の殺人事件
    事件を担当したのは中野署の田伏刑事
    実は彼はある事件からネットにトラウマを抱えていた
    そしてバディとなるのは生安から移動となった長峰
    ネットに詳しいが少々難あり…
    真相を探る2人だが、犯人はネットを使った前代未聞の「公開処刑」を実施し…

    犯人も被害者なのか?
    そして本当の被害者は誰だったのか?
    読み終わったら、どうしようもないやるせなさがふつふつと沸き起こります。

    世界を震撼させたあの災害と人災
    無責任な政策とウワサ
    今も苦しむ人たちがいる
    このことは決して忘れてはいけない。


    この小説、ぜひドラマで見たい
    長峰役はぜひ賀来賢人さんで!

  • 説明
    内容紹介
    スマホをタップした瞬間、あなたもターゲットになる――。ネット社会の深層領域に迫る衝撃作。東京都内で連続殺人事件が発生。凶器は一致したものの被害者同士に接点がなく捜査は難航する。やがて事件は、インターネットを使った劇場型犯罪へと発展していく――。前代未聞の「殺人ショー」に隠された犯人の真の目的とは。地道な捜査を続ける刑事たちの執念と、ネット社会に踏みにじられた人々の痛みが胸に迫る社会派ミステリ。



    犯人ひまわりの腹だたしさはわからなくもないけど だから殺人を犯すという気持ちは私にはわからない。
    人を殺したいと思うまでの憎しみを感じたことがないからなのかもしれないけど...
    そこまでの気持ちになったら自分も殺人を犯すのだろうか?
    それで気持ちがおさまるのかも疑問だと思っているからなのか...
    私自身、愚痴をネットで解消するって感覚があまりないかも...愚痴はいっぱいあるけど...たまに書くけど...
    ネットに書いて気持ちがおさまるならそれも方法だとは思っているけど 私はそうする事により自己嫌悪に陥る方なので滅多に書かない。書いてもしばらくしたら消してしまう。何バカみたいなことやってるんだろう?って思ってしまうんだよね。
    自分が憎むのをやめない限り憎しみは消えないと思うんだよね。自分次第だと思っている。
    ネット社会の現在、人それぞれが何か感じないと世の中良い方向へは進まない気がします。

  • この種類の本は、今読まないとあっという間に古い情報に
    なってしまいそう。

  • ネット社会といわれて久しいが、怖い世の中になったものです。犯人の目的がわかってくるにつれて切なく悲しくなった。

  • 自称モデルの女性、タクシー運転手、定年後地域の防犯に取り組んでいる老人が同一と思われる凶器で殺された。共通点が見いだせないなか、警察の捜査は難航。生前3人の被害者が発信していたインスタグラム、ツイッター、フェイスブックが調べられるが解決の糸口はつかめない。
    心の病での休職明けの刑事・田伏と、コミュニケーションに難があるがIT捜査に関する能力は抜群の新人刑事・長峰のコンビが事件の真相へと迫っていく。

    匿名性の楯に守られながら、人を平気で傷つける多数の罪の意識のない人間達。「ひまわり」と名乗る犯人からの犯行声明と殺人の実況。
    真相に近づくにつれて重苦しい気持ちに襲われる。「ひまわり」という名前に隠された意味を知るとき、犯人を連続殺人に駆り立てた思いに胸が締め付けられる。

    自分も知らないうちに加害者になっていなかったか・・・。自分の目で本当のことを見ようとしていたか・・・。
    「震える牛」「ガラパゴス」で心を震わせた筆者の新たな社会派ミステリーは、前2作ほどのボリュームではないものの、重く、深く問いかける作品になっている。

    やっぱり、相場さんからは目が離せない。

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著者プロフィール

相場 英雄(あいば ひでお)
1967年新潟県生まれ。89年に時事通信社に入社。2005年『デフォルト 債務不履行』で第2回ダイヤモンド経済小説大賞を受賞しデビュー。
12年『震える牛』が話題となりベストセラーに。13年『血の轍』で第26回山本周五郎賞候補、および第16回大藪春彦賞候補。16年『ガラパゴス』が、17年『不発弾』が山本周五郎賞候補となる。

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