か「」く「」し「」ご「」と「

著者 :
  • 新潮社
3.48
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本棚登録 : 5932
感想 : 402
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103508311

作品紹介・あらすじ

きっと誰もが持っている、自分だけの「かくしごと」。みんなには隠している、ちょっとだけ特別なちから。別になんの役にも立たないけれど、そのせいで最近、君のことが気になって仕方ないんだ――。クラスメイト5人の「かくしごと」が照らし出す、お互いへのもどかしい想い。ベストセラー『君の膵臓をたべたい』の著者が贈る、眩しくて時に切ない、共感度 1の青春小説!

感想・レビュー・書評

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  • 京、ミッキー、パラ、ヅカ、エル。
    それぞれが特殊な超能力を持つ、5人の高校生の物語。

    SF小説が好きで、眉村卓さんや筒井康隆さんを夢中になって読んだあの頃。
    特に『七瀬ふたたび』は何度も繰り返し読んだっけ。

    修学旅行、文化祭、笑いさざめく声と、時々起こるわだかまり、
    自意識のかたまりで、コンプレックスにあえいで、
    かと思えば、何でもないことが妙におかしくて笑い転げたりして…。

    彼らのぴゅあな心に触れて、人の感情が読めてしまうことって、
    すごく特殊なチカラでもないのかもしれないと思った。
    好きな人が誰を好きなのか、不思議とよくわかってしまうように、
    あの頃の自分にも、そのチカラが少しはあったのかも。

    あぁ、こんな子いたな。自分はこの子に似てるかな。
    と、思い巡らしながら、
    5人がずっと、ず~っとこのまま仲良くいられるようにと願いながら本を閉じた。

    裏表紙のQRコードからのスピンオフのようなお話も
    良かった。
    懐かしくて、甘酸っぱい素敵な物語でした。


    余談ですが、住野よるさんが男性だったこと、ごく最近知って驚きました!

  • 時代、場所関係なく、どこにでもいるような高校生5人グループの数ヶ月間の日常を抜き出したストーリー。大きな事件が起こるわけでもなくあくまで淡々と普通の毎日を描いていきます。

    この作品では、5人の登場人物の心の内に順番に光を当てていきます。ぼく、わたしとバトンを渡すようにストーリーを繋いでいきます。そんな中で面白いと思ったのはバトンを渡す前に見えていた彼、彼女、近づきがたい存在にも見えていた彼、彼女の側に立つと不思議なくらいに彼、彼女に感情移入できてしまうところでしょうか。人には色々な感情の表し方、受け取り方がある。見る方の感じ方、見られる方の感じ方、そして人と人の組み合わせの数だけ感じ方って違いがあるんだなと。また、人によって同じような情景を見ていても見える世界がこんなにも違うんだということ、人によって時間の流れ方がこんなにも違うんだということ、日常を淡々と描いた作品だからこそ、色々な発見がありました。これは素直に面白かったです。

    どんな結末になるのだろうとページ数が少なくなるに連れて予想しましたが、書名の終わり方そのものでした。でもどこかしらそれを期待していた自分がいました。それもあって、もの凄い余韻感がしばらく尾をひきました。

    もしかしたらリアルタイムでこの作品のような世界を過ごしている高校生の方には今は楽しめない作品かもしれません。でもいつか、この作品面白いね。似たような奴いたいた、でもね、もっとね、と楽しく語れる日がきっと来ると思います。

  • 記号、シーソー、数字、スート、矢印。
    相手の感情が何らかの形で見えてしまう、高校生たちの物語。

    見えてしまう感情を思いながら、悩んだり、絆を深めたり。
    特殊能力を除けば、普通の日々の暮らしの中にある思いを描いた、青春小説。

    頼りはないけれど、けなげで、純真な京は、応援したくなる。
    エネルギッシュさは真逆だけれど、裏表のなさは京と同じミッキーも、なんだかんだで楽しいキャラクター。

    目的のために擬態をし、それが他の人にどう映るのかを考えられない。
    視野が狭いパラの言動は、独りよがりで、身勝手に感じる。

  • 高校2年のクラスメイト、京·ミッキー·パラ·ヅカ·エル。性格は違うが仲の良い彼等彼女等が恋愛や進路や自分の立ち位置に悩み成長していく姿が文化祭や修学旅行、普段の一日を舞台に語り手を交代しながら描かれる。5人にはそれぞれ人の感情や恋心が数字や記号や矢印で見える能力があるのが一捻りポイント。それが武器になると思いきや深読みしてしまって余計絡まってしまう姿がもどかしく可愛らしい。ちょっとした変化に気付く位ミッキーが気になって仕方ない京。そんなミッキーは親友のヅカにやたら絡んで来る。また隣の席のエルは急に不登校になったがそれはもしかして自分の一言のせいなのか?という所から始まるまさにアオハル。悪い人も出て来ないキラキラな青春が楽しめていい。芯から明るいミッキーと自分プロデュース力の高いパラの回がお気に入りだ。パラの「やれる事はなんでもやっとこう派」肝に命じておきたい。

  • 3人の女の子と2人の男の子の5人の高校生の物語。
    5編に分かれていてそれぞれ1人ずつの視点で描かれていた。
    それぞれが4種類の記号や数字が見える能力があるという設定が面白かった。それによりそれぞれの感情が表されるのが良かった。
    5人のたくさんの感情が詰まった青春小説。

  • 住野よるはヒトそのものではなく、ヒトとヒトの間にある目には見えないなにか、を描こうとしているのだろう。
    5人の高校生たちの、それぞれが持っているとある才能、というか特殊技術。それによってヒトとの距離の取り方を一生懸命工夫してもがいているいる彼らが愛おしい。
    高校生。10年後のことなんて想像もできない彼らの「今このとき」は、誰かに嫌われないこと、誰かを傷付けないこと、みんなと「仲良く」していくこと、が全て。
    大人になれば、そんなことそんなに気にしなくても、って思えるのだけど、渦中の彼らにとってはそれこそが一大事。
    5人がもっている「かくしごと」は違っているようで、実は同じ。もしかすると、それは「かくしごと」なんてもんじゃなくて、みんな誰でも普通にやっていることなのかもしれない。そんな風に思うのは、普通の大人になってしまったからなのかもしれないけど。

  • 登場する5人がみんなそれぞれ特別な力を持っているお話し。
    この力を使った不思議な話しか?と思いきや、心の動きを丁寧に表現した素敵な青春のお話しでした。読んでいて楽しかったー!
    この特別な力は、他の人の気持ちが少し見えるものですが、普通の人も多かれ少なかれ持っている力なんじゃないかなと思いました。

  • 個人的に好きなのはパラと京くん。

    パラの一見ぶっ飛んだキャラクターの裏には冷静なもう一人のパラがいる。
    程度の差は違えど誰にでも表面の仮面の自分と心の自分は一致はしないと思う。
    例えば、仕事、学校、それぞれに多少の自分の仮面はあってそれを使い分けてるに過ぎないのではないか。
    パラは内面の冷静な自分を悲観的に見ている。
    それを隠すためにぶっ飛んだパッパラパーの人間として振る舞っていた。
    誰にだってなりたい自分はあるし、それになろうと奮闘するのだって悪くない。
    でも、やっぱりパラは頑張り過ぎかな。
    エルのたまには気を抜いていいんじゃないかなという言葉がとても好きだ。

    京くんは自分と一番共通点が多かったように感じた。
    自己肯定感が低く、ヅカといることにも少し引け目を感じてしまっている。
    自己肯定感が低いがために、杞憂が多く、悩んでしまうことも多い。
    それでもなんとかして困っている仲間に寄り添おうとしていた京くんにも好感が持てた。

    とにかく、5人それぞれに色があり、5人それぞれが他人には知り得ない内面を持っている。
    特殊能力があるは別にしても、とても共感する場面が沢山ある青春ストーリーであった。

  • 5章で構成されていて、各章ごとに視点が切り替わります。
    なので、1章は京くんの気持ちしかわかりません。
    でも最後まで読むと、全員の気持ちがわかります。

    その上でもう一度読み直すと更に面白いです。

  • ひょろりとした外見、面白いことも言えない僕のかくしごと!
    人間関係なんて簡単。ドン引いても猛攻して、たまにある悪いことは忘れる、そんな私のかくしごと*
    冷静で冷たい人間の私。なりたかったキャラになった私のかく4ごと。
    自然と相手の意思を優先させてきた俺なのに、このところ調子が変。そんな俺のかくしごと♤
    人付き合いが苦手な私にも、最近友達ができて。そんな私のかくしごと→

    受験を控えた同じクラスの5人組の交差する気持ちをヒヤヒヤしたり、ニヤニヤしたりして見守るようなお話。
    それぞれのかくしごとから、表面にでない気持ちもわかっちゃうから、こちらまでドキドキする。
    10年後の5人がみてみたくなる。

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著者プロフィール

高校時代より執筆活動を開始。デビュー作『君の膵臓をたべたい』がベストセラーとなり、2016年の本屋大賞第二位にランクイン。他の著書に『また、同じ夢を見ていた』『よるのばけもの』『か「」く「」し「」ご「」と「』『青くて痛くて脆い』『この気持ちもいつか忘れる』『腹を割ったら血が出るだけさ』がある。カニカマが好き。

「2023年 『麦本三歩の好きなもの 第二集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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