本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
本 ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784103508328
作品紹介・あらすじ
大ベストセラー『君の膵臓をたべたい』の著者による、初めての恋愛長篇! 退屈な日常に絶望する高校生のカヤの前に現れた、まばゆい光。それは爪と目しか見えない異世界の少女との出会いだった。真夜中の邂逅を重ねるうち、互いの世界に不思議なシンクロがあることに気づき、二人は実験を始める――。小説×音楽の境界を超える、新感覚コラボ! THE BACK HORNのCD(全5曲収録)&DLカード付。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
積読決定しました。
つまらん。 -
本書の帯には「初の恋愛長編」と大きく書かれていて、私は「あれ、『君の膵臓をたべたい』は恋愛小説じゃないの?」と思ったが、本書に挟まれているインタビュー冊子によると、著者は『君の膵臓をたべたい』について「全く恋愛モノを書いたつもりはなかった」とのこと。
でも私は、本書のほうが恋愛小説から遠いように思う。
本書は大きく前後編に分かれていて、前半は高校生のカヤがチカと出会う物語、後半は31歳になったカヤの物語だ。
前半、カヤは世界も自分をつまらないものだと思っていて、チカとの出会いで何か特別なものを見いだせないかと考える。
自分も他人もどうでもいいものだから、カヤは特別なものを見つけるために手段を選ばない。
とにかくひねくれていて自分勝手で、私はこの主人公を好きになれず、共感することもなかった。
他人の犬を誘拐するシーンなんて、犬好きの私には特に嫌悪感が強かった。
チカとの関係は特別なものを見つけることを目的としていて、もっと言えば「特別なものを見つけなければいけない」という考えに縛られていて不自由だ。
チカに惚れたことは特別なものを見つけたという勘違いと特別なものを守らなければいけないという錯覚をチカに押し付けているだけ。
カヤは自分の世界の中で都合よく相手を捉えているだけで、相手のことを見ていない。
相手を好きになって思いやっているわけではなくて、自分の中で盛り上がっているだけだ。
しかも、特別に感じることの一つが、チカがカヤのすべてを認めて許してくれることにあるようなのだ。
つまりカヤは自分がかわいいだけだ。
とはいえまぁ、「恋」に恋して騒いでしまう中学生もいるし、初恋であれば相手を思いやれずに自分を認めてくれることだけに快感を覚えてしまうのも理解できる。
(それでもカヤの自分勝手さは目に余るが。)
問題は後半の大人になってからだ。
31歳にもなって、中身が子供のまま。
異世界の少女との恋という特別なことがあったのに、何も成長していない。
相変わらず世界をつまらないものだと思っていて、カヤ自身はひねくれていて身勝手。
正直気持ち悪い。
終盤では紗苗の包容力によって丸く収まっているように見えるが、またカヤは自分が認めてもらうことしか考えていない。
すべてを許してくれる人と付き合いたいのなら、母親に甘えていればいい。
このままならカヤは必ずまた同じ過ちを犯す。
相手を見ていないのに何が恋愛なんだ?
これは恋愛小説ではない。
住野よるはこういうひねくれた人物を書きたいのだろうか?
『青くて痛くて脆い』もかなりひねくれた作品だった。
この作風で行くのなら次作は文庫で十分かもしれない。
あとTHE BACK HORNとのコラボも失敗だと思う。
彼らの楽曲自体はかっこいいが、『この気持ちもいつか忘れる』という作品に合っていないと思う。
ヒロインが主人公の男の子の耳元で歌う曲がロックって笑ってしまう。 -
369ページ
1600円
8月7日〜8月10日
今は使われていないバス停で出会ったカヤとチカ。違う世界で生きる二人だが、二人の行動が互いの世界に影響を与える。チカと会えなくなってからのカヤは、余生を生きるも、斉藤と再会し、過去を忘れていることに気づく。
自分は特別だと感じる思春期特有の想いがうまく描かれている。異世界の二人が想いを通わせ、通じていく様子はまさに蜜月。チカと会えなくなってからの余生という表現が、今の私にはわかりすぎるくらいわかった。 -
誰かを好きになった時のあの高揚感も、大事にしていたあの気持ちも、時間が経てばいつかは薄れていって、忘れていってしまう。少し残酷だなと感じながら読み進めていました。
-
現実とファンタジーの融合に音楽がどう絡まってくるのかと思ったけど、うまくまとまってた。読み始める前に一回CD聞いたけど、読了したのでもっかい聞きたい。
-
最初の方は、おもしろかったんだけど、チカのことが最後までよく分からなくて…。なんか、残念。✕の意味もよくわからない。なんとも言えなかった。カヤがちょっと苦手
-
わかったようなわからんような、結局どういうこと?という印象が強く残った。
でも気持ちを切り替えて読めばきっと面白い物語だとは思う。
「またいつか読みなさい」自分への宿題を出せれたということで、ひとまず納得。
著者プロフィール
住野よるの作品





