この気持ちもいつか忘れる

著者 :
  • 新潮社
3.07
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本棚登録 : 1609
感想 : 121
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  • Amazon.co.jp ・本 (369ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103508335

作品紹介・あらすじ

大ベストセラー『君の膵臓をたべたい』の著者による、初めての恋愛長篇! 退屈な日常に絶望する高校生のカヤの前に現れた、まばゆい光。それは爪と目しか見えない異世界の少女との出会いだった。真夜中の邂逅を重ねるうち、互いの世界に不思議なシンクロがあることに気づき、二人は実験を始める――。最注目の著者が描く、魂を焦がす恋の物語。小説×音楽の境界を超える、新感覚コラボ! 

感想・レビュー・書評

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  • うわ~。これは評価が難しい。

    めちゃくちゃ面白かったのよ。うん、面白かった。一気読みだった。
    でも難しい。

    この本は16歳のカヤと31歳のカヤ、少年時代のカヤと青年の終わりに差し掛かったカヤという二人のカヤを主人公にした二つの物語。

    はっきりいって第一部は最高に面白かった。
    『未知との遭遇』の異世界女の子版と言ってもいいのかな。
    最高でしたね。もう年甲斐もなく僕みたいな中年男子もドキドキしてしまいましたよ(笑)。

    ただね、それから15年後のカヤを描いた第二部は・・・・・・これが難しいな。

    筆者が一番言いたいのは、この第二部のテーマであることは、この『この気持ちもいつか忘れる』ってタイトルからも痛いほどよく判る。

    過ぎ去った青春を思い返す。そのほろ苦さ。
    自分の体験が唯一無二のものであるという自己中心的な、ある意味「中二病的な」この気もち。
    歳を経たからこその、この気持ち、僕はわかるな~。

    ただ、これが今までの住野よるファンに判るかどうか・・・。
    多分、著者のファンの一番多い層はヤングアダルトだからなぁ。結構、理解するのは厳しいかもしれない。

    実際、本書は『君の膵臓をたべたい』などのような、いままでのライトノベルチックな「エンターテインメント」系から、本書はどちらかというと「純文学」系に振ってきているのは間違いない。

    いままで素直な少年少女を描いてきた筆者が、今回の主人公のカヤをかなりこじらせ系にしてきたしね(笑)。

    まあ、今までの住野よるの作品を楽しんできた読者は、この本では間違いなく驚くことになるとは思う。

    僕にとっては本書は間違いなく
      住野よる・バージョン2.0
    による作品ではある。
    一皮むけた住野よるの作品。
     「ライトノベルの作者だ」
    なんていままで毛嫌いしてきた読者人にとっても、本書は、ちょっと読んでみてもいいんじゃないかと思わせるような作品に仕上がっていることは間違いない。

    • まきとさん
      丁寧な解説ありがとうございます。
      丁寧な解説ありがとうございます。
      2020/12/12
    • kazzu008さん
      まきとさん、いいね&コメントありがとうございます。
      こういったコメントをいただけると、レビューをしてよかったなと感じます。
      ありがとうご...
      まきとさん、いいね&コメントありがとうございます。
      こういったコメントをいただけると、レビューをしてよかったなと感じます。
      ありがとうございました。
      2020/12/13
  • 周りは平凡な自分を特別だと勘違いしている奴等ばかりだと断じて、自身はつまらない存在だと自覚している分ましだ、と拗らせている高校生のカヤ。誕生日の夜、目と口しか見えないが触れる事は出来る異世界人のチカと出会うという特別な出来事が起こる。言葉を尽くして交流していくうちにカヤの心にチカへの「恋」という熱が産まれる。ここまでの過程は丁寧なんだけど熱に翻弄されたカヤの問題行動は許せないし、大人になって同級生の斎藤と付き合い出してからカヤとの「恋」を昇華していく流れは後ろから張り倒したくなる位いらいらした。しかしそれは自分の中のカヤ的存在に対する同族嫌悪とも言えるかも。伏線の回収とタイトルに繋がる流れは綺麗だと思ったけどやっぱりカヤが駄目だ。因果応報起きろ。

  • 恋愛長篇となっていますが、著者ならではの独特さがありました。
    拗らせ感が強くて共感も出来ないですが、痛々しい純粋さが伝わってきます。

    伏線かなと思われるところがいくつか謎のままなのが気になります。それも含めてモヤっとなるのがこの作品なのでしょうか。

  • 「いつかこの気持ちもまた忘れる」本当にこれ以上になくタイトルにマッチした作品であった。
    その時どれだけ誰かのことを思っていたとしても、時間が経てば同じ思いは必ず持つことができない。
    どれだけ好きなものであってももう今は思い出すことはできない。
    でも、それは過去の自分の気持ちを裏切るということにはならない。
    それでいいんだ。
    だからこそ、今その自分の心と大切なものに恥じない自分でいなくてはいけない。

    とても大切だけれども案外気がつかないような点をついてくれるような作品であった。

    自分だけは特別だと思いたい気持ち。
    自分の特別だと思っていることを他の人にも当てはめられ憤る気持ち。
    カヤに共感できる部分がたくさんあった。

    そして、何よりもすみのよるさんの比喩表現は格別で読んでいて心地よかった。

    けれども、読了後のモヤモヤが多かった。

  • 平凡な日々に飽き飽きしているカヤが考えている言葉を理解するのは難しかった。高校生の時に偶然会った異世界の女性のチカをずっと忘れず残りの人生を過ごしているが、ふとした事から高校生の時にチカと過ごしたドキドキした気持ちがわからなくなっている自分に気づく。再開した高校の同級生だった紗苗と付き合うが、紗苗がそんなカヤを見捨てず、カヤの人生を共に考えてくれているのが救いだった。カヤが意味のある人生だったと思えて終わってくれたらと願うばかりです。

  • 第一部?の方はとても面白かった。
    第二部も、大人になった香弥の話でまあ面白かった。
    でも難しい部分もあって、読み終わった後も何かモヤモヤしている。

    謎その1
    チカが香弥以外にこちらの世界で会っていた女性は誰だったのか?斎藤だと思っていたけど違ったみたい。香弥とは全く関係のない人だったようだ。

    謎その2
    ラストで香弥が紗苗と地元を歩いていた時にすれ違ったベビーカーを押す女性は誰か?紗苗の知らない人のようだけど、香弥が「あの頃から本名で呼んでいたどこか俺と似ている彼女」と言っている。
    高校の同級生ではないのか。

    大人になった香弥のような、自分の意見など表に出さず(あるかないかは不明)相手が欲しがっている言葉や行動を取れる人っているよなーと思った。
    プライベート、仕事、両方の場合も、そのどちらかだけ、ってこともあるだろうけど。


    チカとの特別な時間だけが自分の全てだと思って「余生」を送ってきた香弥が、あの頃の感情を忘れてしまっていることに気づき、香弥は自分を保てなくなった。
    でも、それが普通。
    感情は忘れてしまうもの。
    それを客観的な言葉に替えて、その記憶だけが残る、ということ。

    そうだなー。
    認識してないだけで、みんなそうなんだろうなー。
    住野よるさんはすごいところに目をつける。気付いてくれる。

    あと、香弥の地元では「いってらっしゃい」の代わりに「見つからないように」と声を掛ける。
    これはちょびっとだけ出て来た、地域に古くから伝わっている慣習のひとつなのかな。
    この言葉が何かの伏線になるのかと思ったけど、そうでもなかったみたい…。

    読み終わった方と感想や疑問を共有できたら嬉しいなー。

  • 毎日が只々つまらない日々の延長として生きていた主人公が光る眼を持つ、姿の見えない少女に恋をした高校時代を描いた前半。
    後半はそんな彼が大人になってからを描いた小説。

    住野よるさんは、こういう斜に構えた少年少女を描くのが本当にうまい。
    斜に構えたり、尖っていたり。
    読んでいてメルヘンチックな前半が少し長く感じた。

    後半予想外の流れに心奪われた。

  • 「ふりをしている」という感じで日々を生きていているというのには共感した。
    全体を通して主人公の心のうちが多く描写されておりそこも面白かった。だが、なんだかよく分からなかったというのが率直な感想。
    「この気持ちもいつか忘れる」というフレーズがでてきたシーンはかなり共感したので、このシーンは読む価値が大いにあると思う。

  • 最近の「麦本三歩シリーズ」もはっきり言って下らん話だったし、それでもって本作、異世界との交流と思っていたらそれも断ち切れ、あとはグダグダ話、とてもまともに読む気になれなかった、若き著者の才能ももう断ち切られたようだ。

  • Instagramでおすすめしている人がいたので、読んでみたものの…なかなか読み進まない…。
    正直わたしには合いませんでした。主人公の卑屈的な考え方にずっとイライラしたし、自分に強く影響を与えた強烈な思い出のことを突風って表現したりするのとか、言葉が入ってきづらかった。
    すごく長きにわたる異世界のチカとの恋愛に関しても、突然いなくなった、でのちに回収もされず…。最終的に付き合う女の子が、チカだったというオチを期待したけど、そうでもなく…。
    モヤモヤが残る作品でした。

    「日本語を日本語で説明する時、それは自分が普段その概念をどう捉えているのかをあらわにする行為のようで、人としての程度を測られてしまうような気がした。」という文章は印象に残りました。

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著者プロフィール

高校時代より執筆活動を開始。デビュー作『君の膵臓をたべたい』がベストセラーとなり、2016年の本屋大賞第二位にランクイン。他の著書に『また、同じ夢を見ていた』『よるのばけもの』『か「」く「」し「」ご「」と「』『青くて痛くて脆い』『この気持ちもいつか忘れる』『腹を割ったら血が出るだけさ』がある。カニカマが好き。

「2023年 『麦本三歩の好きなもの 第二集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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