- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103509110
感想・レビュー・書評
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フィールドワークの大変さに
思わずタイトルのように
鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ!!
と叫びたくなる気持ちも分かります
しかし 感じられるのは
鳥への深いリスペクト
飛ぶということに特化した姿・構造には
ロマンを感じずにはいられませんね
道であった土鳩と雀が
歩いている理由がわかると
余計に愛しく感じますよ詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
鳥類学者は、冒険家かと思うほどのハードな場所へ。
繰り広げられるのは、体力勝負で七転八倒の困難さ。
それをクールな口調で語る、やっぱり鳥メインなエッセイ。
始めに、或いはトモダチヒャクニンデキルカナ
第一章 鳥類学者には、絶海の孤島がよく似合う
第二章 鳥類学者、絶海の孤島で死にそうになる
第三章 鳥類学者は、偏愛する
第四章 鳥類学者、かく考えり
第五章 鳥類学者、何をか恐れん
第六章 鳥類学者にだって、語りたくない夜もある
終わりに、或いはカホウハネテマテ
特別収録 西之島・淤能碁呂絵巻
鳥類学者自体が絶滅危惧種に違いない。
な~んて勘違いしてしまうほどのハードなフィールドワーク。
研究室で黙々と研究したり、論文書いたりしているだけではない。
たとえインドア派であろうとも・・・バイク好きだが。
小笠原諸島や八重山諸島、絶海の孤島の西之島や南硫黄島、
ボルネオ島で調査に勤しむこともある。
耳穴に蛾が飛び込み、小バエに襲われ、蚊に刺され、
100m泳いで上陸し、断崖絶壁を登り・・・難航苦楽の調査の数々。
語り口はクールっぽく、何だかギャグもちゃらっと覗かせ、
さり気なくアニメやマンガ、映画等の知識も盛り込んでくる。
しかも、鳥類研究や絶滅危惧種、環境問題の話も、しっかりと。
鳥が好きだと思うなよとうそぶきながら、
鳥の骨格標本について熱く語る、まさに鳥類学者ここにあり!
うむ、面白かった。でも真っ赤なリンゴジュースって・・・。 -
「鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。」
川上和人(著)
2017 4/15 初版 (株)新潮社
2017 6/25 第7刷
2020 1/25 読了
全く気づかなかった…
こんな面白い本に出会えなかった運命を呪わざるを得ないくらいに(占い師なのに)
この本もFMサンサンきららパーソナリティで
「BIBLIO RADIO サンきら読書部」
副部長のペコリーヌさんに教えていただきまた。
この手の専門書って面白いけど
この作者の文章がまたクソ面白い!
学者って変わり者だね(╹◡╹)
2020 1/26に行われる
第6回全国高等学校ビブリオバトル山口県代表の山口県立萩高等学校の松岡灯子さんが選んだのが本書らしい。
ナイスチョイス!
そしてがんばって!
そして
ラジオにゲスト出演して欲しいわー。 -
ご存知、子ども科学電話相談の「はーい川上でーす」でお馴染み?の鳥類学者、川上先生の著書。
番組中のお話が楽しすぎてついつい本まで買ってしまいましたが、案の定といえばいいのか、怒涛のような語り口。忙しすぎるし面白すぎる。
そのノリで一呼吸ごとにハエと一体化していくようなフィールドワークの過酷さや鳥の保護の難しさが語られるので、「本当に大変だ」とは承知のうえで、やっぱり笑わずにはいられませんでした。
『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』
うん、でも、やっぱり、嫌いじゃないんでしょ? -
ネットで見かけて。
笑えた。
どらえもんやガンダムや迦陵頻伽、昔話などが、
絶妙なタイミングで飛び出てきて、みぞおちを突かれる感じ。
だんだん慣れてきて、この角で秋元康が来るな、と思っても、毛利元就だったりとか。
とはいっても鳥類研究の話も面白かった。
ズクロミゾコイの調査をしていて、その声に似ている牛舎の前にたどりついたり、ホンダのバイクの後ろにいたことがあるとか。
環境保護地域の南硫黄島への調査に向かうために、一週間前から種子のある果実は食べず、道具はすべて新品を用意し、クリーンルームで準備をして、地域外の動植物をもちこまないように気をつけたとか。
ボルネオ島の研究対象地がコーヒー農場や違法な石炭採掘場になってしまったとか。
こういうタイプの本は、最初飛ばしても、最後に失速してしまうことが多いが、最後まで美味しかった。
そういう意味では、最後までアイスクリームがつまっている抹茶パフェというべきか。
チョコパフェほど甘くはない。
抹茶アイスとか生クリームとか抹茶シフォンとか白玉とかあんことか、それぞれ美味しい鳥ばなしがてんこもり、そこにアクセントが効いてる感じかな。
でも、そのアクセントは、例えるなら何だろう。
コーンフレークじゃないとは思うんだけど…。 -
語り口が軽妙で、スイスイと読んでしまえます。
どことなく、森見登美彦みたいな書き方の様な…
読んでいて楽しかったです。
作中にも出てくるチョコボールのキョロちゃん。
私も、チョコボールを久しぶりに買って、キョロちゃんをよくよく観察してみると、彼はやはり猛禽類なのではないか?
と思いながらモチャモチャと食べました。
是非、この本を読まれる時は鳥類図鑑とチョコボールとカールをお供にしてみてください。
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チョコボールのキョロちゃんについて、目の位置・嘴の形・足の指・羽の色から生態を推測する箇所など面白かった。
西ノ島が噴火し10倍の広さになったのは記憶に新しいが、溶岩が旧島を覆いつくした後、僅かに残った残り1haの土地を命綱として生態系が残っていた。
日本のガラパゴスとも言える貴重な場所なので良かったなーと思う。
基亜種のウグイス:ハシナガウグイスは小笠原にいる。なぜこちらが基亜種なのか知りたい人はぜひ本書を読んでみてください。-
生態系の発展を最初から観察できる“天然の科学実験室”として、「西之島」の上陸調査の様子をサイエンスZEROで見ていましたので残念です。
今...生態系の発展を最初から観察できる“天然の科学実験室”として、「西之島」の上陸調査の様子をサイエンスZEROで見ていましたので残念です。
今回の噴火による生態系の絶滅で、真に0からの生態系の観察地点になってしまいました。
繁殖を続けていた鳥たち、どこかに逃げられていればいいのですが。
2020/08/26
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私は、個人的に完璧と思う文章を書く小説家には憧憬の念を隠さないが、同様の文章を小説家以外の人が書くとなると嫉妬の念が勝る。本作に抱いた念は、明らかに後者である。
学者の書く文章は、たとえそれが自分の専門外の学問であっても、勉強のためと割り切って読むので、いわゆる「うまい」文章は求めていないし、むしろそういうものと思って読む。
しかし、本作は、鳥類学者が書いた文章のくせに、文章の流れといい、引き込む魔力といい、随所に散りばめられたユーモアといい、単に文章として完璧だ。
ここまで文章が完成されていると、そこから何を学んだかとか、自らの知見をどう刺激したかなどどうでもよく、ただただ「小説家でもないのに、こんな完璧な文章を書きやがって」と嫉妬するばかりである。
そのうえ、「オレもこんな文章書きたい」としか思っていないはずなのに、まんまと鳥類や絶海の孤島に興味を抱いてしまっている。
してやられた。もう、超絶おすすめするほかない。 -
面白いちょけたおっちゃんやなぁ、というのが最初の感想だ。
鳥が云々、とか環境問題などよりも著者のキャラクターが全面に出ていて、親戚の愉快なおっちゃんの話をワクワクしながら聴いている感覚だった。
その上でいつの間にか自分には関係ないと避けていた問題が、実は地続きで深く関わりがあると気付かされてしまう。
その上で、鳥についても鳥類学者についても知ることができてお得であった。